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  1. 佐賀県議会 2011-02-04
    平成23年2月定例会(第4日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         ○ 開     議 ◎議長(留守茂幸君) これより本日の会議を開きます。  昨日に引き続き一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎内川修治君(拍手)登壇=おはようございます。県民ネットの内川でございます。傍聴席を見たらだれもいないという、いかに私が人気のない議員かと寂しい思いでございますが、大きな声で質問をさせていただきたいと思います。  きょうは三点について質問をさせていただきたいと思います。  まず、集落営農組織についてでございます。  平成十九年から始まった品目横断的経営安定対策を契機として、多くの集落営農組織が設立され、行政の補助や育成、指導を受け、農業経営の低コスト化や効率化が図られてきました。本来、これに加えて地域社会の維持、活性化に寄与することも集落営農の大きな意義であります。  しかし、現状は農家の高齢化や後継者不足が進む中で、運営目的すら定まっていない組織もあり、各組織の温度差はまちまちであります。また、集落営農の運営に当たっては、事務作業も大きな負担となっており、その軽減を図る必要があります。  こうした中、平成二十二年から、米については戸別所得補償制度が始まり、そして、二十三年からは麦、大豆についてもこの制度が実施されることになっています。しかし、米、麦、大豆の耕作だけでは所得もまだまだ十分でなく、今後の集落営農のあり方が問われると思います。  そこで、質問をさせていただきます。  まず、集落営農組織が抱える課題についてであります。  県内の大半の組織は、平成十九年から運営が開始され、ことしで五年目を迎えることになりますが、その実態はさまざまであり、生産農家からは将来に向けての不安の声が上がっております。  現在、各組織が抱えているそれぞれの課題は一体どのようなものがあるのか、まずお伺いしたいと思います。  次に、二点目でございますが、会計を含めた事務担当者の負担軽減についてでございます。  組織の実情を尋ねてみますと、組織の役員の皆さんは組織運営のために懸命に取り組んでおられます。農作業の合理化によるコストの削減や労働時間の減少は図れつつも、事務作業の部分は膨大で、常に振り回されている状況で、自前で会計等を実施されている役員さんたちは自分の農作業すらままならぬ、そういう状態であります。  今後とも、集落営農組織を継続して運営していくためには、こうした会計担当者の負担を軽減する必要があると思いますが、県はどのように考えておられるのか。また、どんな指導を考えておられるのかをお尋ねしたいと思います。  三点目、集落営農組織の強化についてであります。  集落営農組織は、本県の水田の大半を担っており、将来にわたって維持発展させていく必要があると思います。そのためには、食べていける農業を実現する必要があります。県では今後、集落営農組織を強化するために、どのような取り組みを進めていこうとなされているのかをお聞きしたいと思います。  次に、二つ目の質問に入ります。
     吉野ヶ里ニューテクノパーク跡地について質問をさせていただきます。  吉野ヶ里ニューテクノパークは、その面積が約二十七・五ヘクタールあり、当初、昭和五十八年に神埼工業団地として計画され、平成元年に着工されました。しかし、吉野ヶ里遺跡の発見により、工事は中断され、その後、紆余曲折を経て工業団地の事業計画見直しが行われたところでございます。平成十四年には多目的産業用地から他の用途に転用することとし、公園化を検討されたところであります。  それから九年経過した現在に至るまで、具体的な用途は決まっておらず、現地は竹やぶばかりで放置された状態になっております。吉野ヶ里歴史公園に隣接しており、景観上、好ましくないばかりか、ここをすみかにするさまざまな有害生物の発生に、隣接する住民の皆さんは大変困っておられます。  そこで、質問させていただきます。  この跡地の管理についてですが、吉野ヶ里歴史公園のイメージアップを図る上からも、地域の方たちの生活を守る上からも適正な管理に努めるべきと考えますが、県としての考えをお聞きしたいと思います。  二点目は、跡地の利活用についてを質問します。  吉野ヶ里ニューテクノパーク跡地については、この九年間、いまだに跡地利用の方向性が提示されないままに終わっています。緊プロ実施期間中で財政上厳しい状況とはいえ、地元の皆さんの善意で提供いただいた跡地がこのように停止状態とは、大変大きな問題だと考えております。そこで、県の考え方、方向性をお伺いしたいと思います。  次に、三項目めでございます。  城原川の治水対策についてお伺いします。  城原川ダムについては、昨年十二月二十一日に「城原川ダム事業関係地方公共団体からなる検討の場」の準備会が開催され、検証がスタートしました。  今回の検証は、「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるとの考えのもと、「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」により検討されるものとなっています。  検討主体である九州地方整備局による複数の治水対策案の立案、評価等の検証に係る検討に当たって、地域の意向を十分に反映するための措置を講じることとされていますが、実際、本当に住民や学識経験者の意向がその検証に反映されるか、大変疑問を抱いております。  一方、城原川では河道掘削や堤防漏水対策工事が進められておりますが、ことし一月二十六日に地元住民や神埼市、神埼市議等を対象として堤防開削の現場見学会が開催されました。その結果、開削された堤防の性状が脆弱であり、城原川の堤防の安全性に不安を感じた方々も多かったと聞いております。  さらに、城原川下流において満潮時の水位が昔と比べて高くなっているように感じ、沿川住民の皆さんも不安を感じておられます。下流高潮区間の堤防整備を早急に対応していただきたいと思うところでありますが、そこで質問をさせていただきます。  まず一点目、ダム検証における検討の場及び意見聴取についてであります。  今後、検討の場が開催され、議論が始まると思いますが、客観的に学識経験者や関係住民の意見がどのように反映されるか全く不透明であり懸念されるところであります。どのような計画なのかお伺いしたいと思います。  二つ目は、城原川堤防の性状と整備についてであります。  堤防開削部における堤防の性状はどのようであったか。また今後、開削部以外の堤防も含め、城原川の堤防整備はどのように進めていくか、その辺をお聞きいたしまして、一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)(「知事さん、一回目のマニフェストでは、城原川ダムは考え直すて書いていらっしゃいますね。あれはよかですよ」と呼ぶ者あり) 3 ◎飛石農林水産商工本部長 登壇=私からは、吉野ヶ里ニューテクノパーク跡地についてのうち、跡地の利活用についてお答え申し上げます。  吉野ヶ里ニューテクノパークにつきましては、平成十三年四月に吉野ヶ里歴史公園が第一期開園し、引き続き公園整備が促進されましたことから、歴史公園との並立が難しい状況となったわけでございます。  このことから、平成十四年に産業用地から他用途に転用するとした場合の具体的利活用策を検討し、その中で公園としての利活用が望ましいとされたところでございます。  これを受けまして、平成十六年度に県土づくり本部におきまして、学識経験者や地元などで組織します吉野ヶ里ニューテクノパーク跡地整備検討委員会におきまして、公園化基本構想を取りまとめられたわけでございますが、折から佐賀県行財政改革緊急プログラム期間中であったことから事業化が見送られたところでございます。  今後も引き続き財政状況は厳しく、財源の確保はめどが立たないことから、公共事業による公園化は困難であると思われますが、平成元年に神埼工業団地に着手してから二十年以上という長い年月が経過しておりまして、農林水産商工本部といたしましては、改めて利活用策を検討すべき時期に来ているのではないかと考えております。  今後、農林水産商工本部だけでなく、地元神埼市の意見も聞きながら、全庁的に視野の広い検討を進めていきたいと、このように考えております。  以上でございます。(「歴史景観残してくださいよ。発掘調査が一番魅力があるから、あそこに鹿児島新幹線の観光客ば連れてきてくんさい」と呼ぶ者あり) 4 ◎牟田県土づくり本部長 登壇=私のほうからは、吉野ヶ里ニューテクノパーク跡地の管理の問題についてと、それから、城原川の治水対策についてお答えを申し上げます。  まず、吉野ヶ里ニューテクノパークの跡地の管理の問題でございます。  この土地につきましては、現在、佐賀県土地開発公社が管理をいたしております。面積が二十五・六ヘクタールと広大でありますことから、地元自治会の意見等を踏まえまして、年に一回、幹線道路や水路沿いを中心に除草作業を行っている状況でございます。  しかしながら、近年、雑草が非常に繁茂をいたしまして、吉野ヶ里歴史公園の景観、あるいは近隣住民の方々の生活環境という観点からは、議員御指摘がございましたとおり、管理が十分に行き届いていない部分もあるというふうに認識をいたしております。  このため、地域住民の方々の御要望をさらに丁寧にお聞きいたしまして、除草や竹林の伐採等の範囲や時期についても十分に検討いたし、適切な対応が図られるよう土地開発公社を指導してまいりたいというふうに考えております。  次に、城原川の治水対策のうち、ダム検証における検討の場及び意見聴取についてでございます。  検証の実施要領によれば、治水対策につきましては、ダム、遊水地、引き堤など二十六の項目の対策案が、その流域で有効かどうかが検討されることになっております。この中から複数の治水対策案を選定した後に、それぞれについてコスト、実現性、環境への影響など七つの観点から総合評価が行われることになっております。  また、この総合評価を行うまでの過程におきまして、地元の意向を反映するために、先ほど指摘がありました関係地方自治体からなる検討の場が設けられることになっております。  この具体的な検討のスケジュールはまだ示されておりませんが、主要な段階でパブリックコメントを行って、広く意見を募集し、その上で学識経験を有する者、関係住民、関係地方公共団体の長の意見を聞くこととされております。  国では、これらの過程を経ることによりまして、関係住民や学識経験者の意見を反映させたいとされているところでございます。  次に、城原川の治水対策のうち、城原川堤防の性状と整備についてお答えを申し上げます。  堤防からの比較的大きな漏水が確認されました協和橋上流右岸堤防の約七十メートル区間につきましては、本年度、国において堤防を開削し、開削断面の観察や盛り土材の土質調査が行われたところでございます。  この結果、この区間の堤防につきましては、粘土分が非常に少ない砂質土で構成をされており、透水性が大きいため、河川水が浸透しやすい土質であったこと、また、スコップで容易に掘れるほど非常に緩い状態であったということが判明をいたしております。  このため、国ではこの区間の堤体材料について現地土が使えないというふうに判断をしておりまして、水が浸透しにくい新しい土へ全面入れかえるということを行うとともに、湧水や堤防に浸透した水を速やかに排水するための工事が進められているところでございます。  次に、この区間も含めまして、平成二十一年洪水の際、堤防ののりじり付近から複数の漏水が確認された神埼橋の上下流約二キロ区間、具体的には新宿橋からふるさと大橋の区間でございますが、この堤防におきましては、合計二十七カ所の調査ボーリング及び土質試験が実施をされております。  調査の結果、全川にわたり堤防の基盤や盛り土の一部におきまして、砂の水分が多い層が確認をされておりますが、全体的には堤体材料として特に支障となるものではないというふうにされております。  このため、漏水が確認された箇所につきましては、堤防内に浸透した水を速やかに排水し、堤防を強化するための工事が進められているところでございます。  高潮区間を含めまして、これらの区間以外の堤防につきましても、国においてボーリング調査、土質試験、堤体の地すべりや浸透に対する安全性の確認が行われておりまして、また、通常時や洪水時にも点検が行われております。これまでこうした区間では漏水等の堤防の異常は確認されておりません。  今後、城原川の堤防整備に当たりましては、河川整備計画に基づきまして、必要な腹づけによる拡幅及び堤防の補強が実施されていくものというふうに考えております。  以上でございます。 5 ◎鵜池生産振興部長 登壇=私のほうからは、集落営農組織につきましてお答えをさせていただきます。  まず、集落営農組織が抱える課題等についてでございますが、この集落営農組織につきましては、これまで大規模農業者とあわせまして、水田農業の重要な担い手として育成してきたところでございます。今後とも、一層の発展を図っていくためには、個々の集落営農の現状などを把握し、経営の充実を図っていくことが必要であるというふうに考えておりまして、昨年の夏から秋にかけまして、県、市、町、JAなどの関係機関・団体が連携をして、全部の集落営農組織を対象といたしまして、経営実態の聞き取り調査を行ったところでございます。  この調査の結果、多くの集落営農組織からは、機械を共同利用することで生産コストが低下したこと、高性能な大型機械を導入できるようになり、省力化が図られたこと、高齢化が進む中で地域の農地を守る受け皿ができたことなどの組織化のメリットにつきまして、多くの意見が出されたところでございます。  一方で、一部の組織からは役員や経理の業務が負担になっており、その軽減策を図る必要があること、また、集落営農組織に作業を委託することで余剰労働力がふえており、その活用策を検討する必要があること、また、戸別所得補償制度では個別農家でも交付金の対象になるというふうなことから、今後、組織から脱退者が出るのではないか、こういった不安があるなどの課題も出されたところでございます。  次に、会計を含めた事務担当者の負担軽減ということでございますが、先ほど触れましたように、集落営農組織の調査におきましても、経理業務については煩雑で事務量も多いというふうなことから、会計担当の負担が大きいという声も聞かれたところでございます。そうした集落営農組織を引き続き円滑に運営していくためには、会計担当者などの負担軽減を進めていくことが大変重要というふうに考えております。  こうした中、県内のほとんど多くの集落営農組織では収支の入力や決算などの経理業務の一部を農業団体に委託しながら会計担当者の負担軽減を図っておるというふうなこと。また、他の地域におきましても、複数の集落営農組織が共同で会計担当者を雇用したり、米、麦などの共同乾燥調製施設の運営組織で雇っておられます会計担当者にこの集落営農組織の経理を兼務していただいておると。こういったいろんな地域におきまして工夫をしながら、負担軽減に取り組まれているという事例も見受けられております。  このようなことから、今後、会計担当者に大きな負担がかからないような方法につきましては、集落営農組織に対しましても、こうした他の事例などを紹介するなどしまして、円滑な組織運営が図られるよう指導していきたいと考えておるところでございます。  次に、集落営農組織の今後の強化ということでございます。  農産物の価格低迷、あるいは高齢化が進んでいるというふうな中で、この集落営農組織につきましては、規模の小さな兼業農家なども含めて作付品種の団地化や機械の共同利用による生産コストの低減が図られることや、作業受託等による地域農業の担い手となるなど大変重要な役割を果たすものでありますことから、引き続き維持発展させていくことが大変必要であるというふうに考えております。  このため、県ではまず組織の個々の構成員が集落営農組織のメリットや役割につきまして、十分に理解を深めてもらうことが重要なことから、地域での十分な話し合いを進めてもらうよう指導したいというふうに考えておりまして、さらには県で開催します研修会などを通じまして、その普及に努めていきたいと考えております。  また、生産の効率化や低コスト化を図るために、集落営農組織が使用する農業用機械の整備、さらには大豆不耕起播種技術など革新技術の導入等を進める国や県の事業なども大いに活用しながら、支援をしていきたいと考えております。  さらには、作業の共同化などで出てきた余剰労働力の活用と経営の安定を進めるために、研修会の開催やアドバイザーの派遣等によりまして、タマネギやブロッコリーなどの新規作物の導入、さらには新たな加工、販売への取り組みなど経営の多角化等を積極的に推進しているところでございます。  今後とも、関係機関・団体と連携しながら、組織の熟度や地域の実態に応じました効率的な生産体制づくりや新規品目の導入などによりまして、この集落営農組織の経営の強化に積極的に努めていきたいと、このように考えております。  以上、お答えさせていただきました。 6 ◎内川修治君(拍手)登壇=それでは、再質問をさせていただきます。  まず、吉野ヶ里ニューテクノパークからですが、実は神埼市の千代田町に、もともとから工業団地を誘致したいということで、町村合併以前から、あるいは当時から今日に至るまで、神埼市としてはこの千代田町の工業団地を造成したい、企業を誘致したいという動きがあり、当然、県、あるいは国を通じてその要望が出されていたんですが、九州農政局の答えは、神埼市にはテクノパークがあるでしょうと、それがある以上はそっちのほうを優先すべきだというような、そういった答弁が返ってきたと。要するに、テクノパークがあるばっかりに千代田町の工業団地化は図れないというようなネックになってしまっているんですね。  ですから、そういう意味においても、このテクノパークの対策は早急にしていただきたいという思いが一点、これについてどう考えておられるのか。  また二つ目は、吉野ヶ里公園にせっかく来たにもかかわらず、車をちょっと一、二分北上させてしまえば、もうそこは竹やぶ、あるいは瓦れきの山、そういう状況なんですね。だから、本当に今仲間からも声が上がっていましたように、せっかくの吉野ヶ里公園が泣いてしまっているような──景観上ですね、そういう状況をやはり何とか急いでほしいという思いです。そのことについても再度質問したいと思います。  それと、これはせんだって佐賀県の土地開発公社経営状況報告書、二十一年度の分を参考資料としていただいたんですけれども、この土地利用、土地活用という点において、もしどこかがこの土地を購入したいと、あるいは活用したいと申し出があった場合、私まだ素人でよくわからないんですが、この土地開発公社から出された報告書によれば、この吉野ヶ里ニューテクノパークの約二十五ヘクタールの期末簿価というんでしょうか、これが約三十三億円あるんですね。だから、これがもし本当に売買されたとき、果たしてどのくらいの価格になるのか。そして、そうした場合どれだけの差額が発生するのかですね。これは、土地開発公社の役員さんの名簿は副知事の坂井さんを先頭に、いわゆる県執行部の役員の方々が構成されていますので、その辺のことはよく御理解いただけているものと思います。土地開発公社のことについて追及した質問はもうこれ以上やりませんが、そのことだけ、もしよければ御答弁をお願いしたいと思います。  それから、今、年に一回の掃除をやっているという──清掃ですかね、おっしゃったんですけれども、やはりこれについても、もう少し丁寧な環境づくりというか、それをぜひやっていただきたいと思います。これは要望にとどめておきます。  それから、城原川のダムの問題でございますが、せんだっての「城原川ダム事業関係地方公共団体からなる検討の場」の準備会が開催されたわけでございますが、そのときは各自治体の、例えば佐賀市、あるいは神埼市の副市長さんが御出席なさったんですけれども、実際これが検討の場となりますと、その構成メンバーが古川知事、それから佐賀の市長さん、それから神埼の市長さんが構成員となることになっております。そして、検討主体が九州地方整備局長というふうになっていますけれども、これを念頭に置いて、先ほど牟田本部長のほうから、この検証の進め方についていろいろと御説明をいただきました。流れはよくわかります。  ただ、私が懸念するのは、この検証の進め方の中で、これは国土交通省が出していただいた参考資料四というペーパーがありますが、その中にこの検証の進め方で、まず最初に、一番目に1)として、「『関係地方公共団体からなる検討の場』を設置し、相互の立場を理解しつつ、検討内容の認識を深め検討を進める。」と。そして、二番目に2)として、「検討過程においては、『関係地方公共団体からなる検討の場』を公開するなど情報公開を行うとともに、主要な段階でパブリックコメントを行う」。そして三番目、3)として、「学識経験を有する者、関係住民、関係地方公共団体の長、関係利水者の意見を聴く」という、こういう順番になっております。  ここで質問したいことは、お聞きしたいことは、まずこの一つ目の、「地方公共団体からなる検討の場」、ここで「相互の立場を理解しつつ、検討内容の認識を深め検討を進める。」となっていますが、これは別に私は心配するわけでもないんですが、先ほど申し上げたように、この構成メンバー、古川知事さん、それから秀島市長さん、松本市長さんに対して、国からいろんなダムによらない治水対策案が出されて、それに対していろんな検証が図られると思いますが、私が本当に心配しているのは、この三人の方、それはもう優秀な首長さんであることは私も認めますが、このダムの問題について三人の皆さんで検討していて、本当の真実が追及できるだろうかと。果たして、学者ほどの知識なり、そういった見解なりを本当に持っておられるのか、私は非常に疑問なんです。  ここで決まったこと、そして、その検討の場を進める中で、確かにパブリックコメントを行うというふうに書いてはあるんですが、特に心配なのは、この1)と2)をした後に学識経験を有する者とか、関係住民、そういったものの意見を聴くとなっているんですけれども、私はこの順番が非常に間違っているような気がしてならないんです。むしろ、この検討の場、いわゆる構成員である知事さんとか市長さんたちのこの検討の場に、学識経験者や関係住民の皆さんの意見を取り入れることのほうがはるかに重要だと私は思っているんです。  振り返ってみますと、城原川の流域委員会がかつて開催されました。そして、その後に関係首長による会議も持たれました。しかし、本当にあれは一体何だったのかと。結論ありき、ダムありきのもとで基本的には進められたんじゃないかなという気がしてしようがないんです。しかし、今回はダムによらないというスタンスで検討したいということを国も一応うたってはいるんですけれども、やはり私が一番心配するのは、学識経験者、しかもダムありきの、いわゆる御用学者でなくして、本当にこの城原川に限らず、ダム問題について深い見識を持った、そういった学者とか、あるいはこのダムの問題を、城原川をしっかりと勉強してきた地域の住民の皆さん、そういった方たちの声をもっともっと早く、そして──早くというか、もっともっと最初の段階で取り入れるべきだと私は思うんですが、このことについて牟田本部長さん、どう考えておられるかお聞きしたいと思います。  それと、このダムの問題につきましては、私がもうこの三年半、古川知事さんや牟田本部長さんたちといつもやりとりさせていただいたわけですが、基本高水六百九十トンというこの数字がなかなか動かない、どうしても見直しがされない。私はこのことについて、いつも歯がゆい思いをしているんですけれども、これだけ客観的に検証してもらったり、客観的な地域住民の皆さんのいろんな声がこの県政に届いたにもかかわらず、それがなかなか見直しがされなかった。  そういった中で、去年、あるいはおととしのあの大洪水、このときも私は申し上げました。昭和二十八年のときの降水量以上の降水が一昨年ありました。にもかかわらず、城原川の流量は国土交通省が四百から四百五十トンだろうという、これはもうホームページにも載っていますから正式なコメントでいいと思いますが、そこまで事実がありながら、やはり六百九十トンという数字を見直そうとしない。これはもう県だけでは解決できない問題だとは思うんですが、このことについて多分県としても国に要望活動はされていると思いますが、私はこの城原川の問題については、やはり県庁で一番造詣の深い牟田本部長にお聞きしたいと思っております。  それともう一点ですけれども、河川工事というのは、私は通常、下流から上流のほうに拡幅なり、あるいは堤防の補強をやるべきだと思うんですけれども、いろんな事情があるにせよ、今の工事はどうも上流のほうからいろいろと対応されているように思うんですね。ですから、この辺の基本的な考え方も質問をさせていただきたいと思います。  以上でございます。(「そこは世界遺産候補だそうですよ。上流はあんまり手をつけないで。茂安公の治水を残してくださいよ。下流ば広ぐっぎよかじゃなかですか」と呼ぶ者あり) 7 ◎飛石農林水産商工本部長 登壇=吉野ヶ里ニューテクノパークの跡地利用に関連いたしまして、千代田町におきまして工業団地の計画があるけれども、これが吉野ヶ里ニュー・テクノの関係で、なかなか農政局との話が進まないと、それを踏まえてどのように考えているのかというような質問だったと思います。  神埼市の工業団地の開発につきましては、私どもも承知をしておりまして、ただいま御質疑をいただきまして、改めまして詳細な神埼市の整備スケジュールを確認しました上で、神埼市の工業団地整備スケジュール、こういったものに支障がないように、吉野ヶ里ニューテクノパークにつきましての九州農政局との協議というのもございますので、こういったものを進めるとともに、先ほど申しましたが、そのためにもこの跡地の利用をどうするかということで神埼市の意見も聞きながら、全庁的に広い視野でもって、この跡地利活用策の検討、こういったものを進めてまいりたいと、このように思っております。  私からは以上でございます。 8 ◎牟田県土づくり本部長 登壇=何点か再質問がございましたのでお答えを申し上げます。  まず、吉野ヶ里ニューテクノパークの環境の問題でございますが、だんだん悪くなっているというのは私たちも十分承知をいたしております。特に広うございますので、除草作業もそうですが、竹林というですか、竹林が非常に拡大して、しかも手入れがほとんどなされていないという状況であるということは私ども十分認識しております。  県としても、土地開発公社と十分また話をしまして、特に集落周辺のところについては、その住民の方々の意見も十分聞いて、もう少しきちんとした整備ができないかということについては早速手配をしたいというふうに考えております。  それから、この土地を売却する場合の価格をどう考えているかという御質問がございました。  簿価で今三十三億円というお話がございましたが、通常、それを、例えば土地開発公社がだれかに売却をするということになりますと、その簿価だけではなくて、やはり取引時点での周辺の実勢と申しますか、取引事例を参考に、改めてその価格を算定するということになります。現時点でその精査というか、そういう詳しい価格ははじいてはおりませんが、二十年十月時点で土地開発公社が、内々でございますが、どれくらいかなということで試算した経緯がございますが、この時点では土地開発公社によりますと、そう大きな変動はあっていないというようなことを聞いております。  それから、城原川の治水の問題でいろいろ御意見を賜りました。  確かに、検証の場に学識経験者、あるいは住民の意見を、どのように、どの時点で、どういう形で反映させるかということにつきましては、実はこの検証の場というのは準備会が開かれただけで、本当の検証の場としての第一回の会議もまだ開かれておりません。準備会の中では大まかなやり方といいますか、それが示されているだけでございまして、どういう検討を行って、この段階でパブリックコメントなり、住民の意見、学識経験者の意見を聞いて、さらに検討してまた聞くといったような、その具体的なスケジュールが示されておりませんので、議員からはそういう御心配の声があろうかというふうに思っております。  もちろん、県としても、この城原川ダムについてはさまざまな住民の方々の意見があるということは十分承知をいたしておりますので、当然その検証、検討の場ではそういうものも十分聞いていただいて検討を進めていく必要があるというふうに思っております。国に対して、具体的にどういう時期で、どういう形でというのは聞いていくことにしたいと思いますが、適切な時期に適切に意見が反映されるよう国にお願いをしてまいりたいというふうに思っております。  それから、基本高水流量の六百九十トンの検証の話もございました。  この件については、もうさきの議会でも私二度ほど御答弁を申し上げておりますが、二十年、二十一年に近年にないような大きな洪水がありまして、実測流量が実際に観測をされております。この六百九十トンというのは、あくまでもシミュレーションに基づいた流量でございますので、だから、その実測された流量と雨との関係とこの六百九十トンの関係をきちんと検証してくれということについては、一度二度ならず国のほうに要請をいたしております。その途中で、こういうふうにダムそのものの検証に入るということで、そこの明確な説明もまだあっていないんですが、そこはさらに聞いていきたいというふうに思っております。  それから、河川整備について、下流からすべきじゃないかというようなお話がございました。  それはもう、河川整備をするときには下流からというのは原則でございます。ただ、城原川については、そう言いながら実は局所的に非常に弱い箇所が次々に見つかっていると。それで、そこは決壊しないように、あるいは越水しないように、やはり緊急的にその場所場所について手当てをしていく必要があるというふうに私どもは考えておりまして、一定程度、破堤の危険がないという状況になって、河道の流下能力を全体的に広げていくという段階になりますと、下流からということが原則になろうかというふうに思っておりますので、今はまだ非常に弱い堤防の箇所を、とりあえず危険を回避するという意味で補強をしていただいている段階だというふうに理解をいたしております。  以上でございます。(「吉野ヶ里は週刊誌をにぎわせた宗教団体がねらっていたとうわさがありますよ。売らんで県が持っとっていただきたい」と呼ぶ者あり) 9 ◎内川修治君(拍手)登壇=それでは、再度質問させていただきます。これは知事のほうに二点お聞きしたいと思います。  多分、昨日だったですかね、吉野ヶ里公園近くに王仁神社というのがありますよね。この王仁神社というのは非常に歴史的にも大変重いものがありまして、多分これは古川知事も認識されていると思いますけれども、特にこれから海外のほうから吉野ヶ里等々について、いろいろ観光客とか、あるいは親善とかいう、そういったスタンスにおいても非常に私は大事なポジションだと思うんですね。  だから、こういうところはぜひ、先ほど私が申し上げたような草ぼうぼう、竹やぶぼうぼうとか、あるいは公共工事で出されているいろんな残土というか、そういうものに囲まれてしまっている状況なんですね、王仁神社が、極端に言えば。だから、何とかその辺を考えていただいて、対応していただきたいと思いますけれども、知事のお考えをお聞きしたいと思います。  それともう一つ、ダムの問題ですけれども、今、牟田本部長さんからよくわかるような説明をいただきました。ただ、一つだけ知事にお聞きしたいのは、城原川の基本高水流量六百九十というこの数字、いわゆるデータですね、国が一度出されたデータというのはなかなか修正はきかないような気がするんです。知事も当然、官僚であられましたから、その辺はよく御理解いただいていると思いますが、ただ、私は一度出されたデータであっても、検証を重ねることによって、データに、間違いとは言わないけれども、修正する必要性があると認識された場合、やはり国は、そのデータの修正を図るべきだと私は思うんですが、その辺について知事のお考えを聞かせていただきまして、私の質問とさせていただきます。(拍手) 10 ◎古川知事 登壇=内川議員の再々質問にお答えします。  まず、王仁神社の周辺の状況でございますが、私もあの王仁神社の持つ歴史や経緯からすれば、今の状態が望ましいものとは考えておりません。こうしたことを含めまして、吉野ヶ里公園、そしてニュー・テクノパーク、また神埼市の持つ歴史、文化的な価値というものを一体となってどのように考えていけばいいのかということについて、先ほど本部長が答弁申し上げましたように、なるべく早く構想を立てていきたいと考えているところでございます。  それと、城原川の治水対策についてのお尋ねでございますが、確かに国が一たん決めたものを見直すのは難しいというのは、一般論としてはそのとおりであろうと思います。ただ、今さまざまな公共事業というか、大型事業を一本一本見直すという取り組みが行われてきております。私どもは、その中に入って、前提が変わっていけば、いろんな過程が変わっていけば、その中で答えが変わってくるということも、もちろんあり得るだろうと思っております。  ただ、私どもは、かつて昭和二十八年の水量などについて国から説明を聞き、私どもも納得した上で住民の方々に御説明をこれまで申し上げてきたということがございます。仮に、その内容が変わっていくとするならば、前の前提はこうであったと、それがどういう考え方で変わっていったのかということをきちんと私どもにも示していただかないと、私どもは、じゃあ何をもって説明するのかということになるだろうと思っております。  これについては、これまでの経緯等もありますけれども、今回新たに検証の場が設けられたということで、そこにおける議論をしっかり聞いて対応してまいりたいと存じます。  以上でございます。
    11 ◎石井久起君(拍手)登壇=皆さんおはようございます。自由民主党の石井久起でございます。この四年間、議会にお世話になりまして、今期最後の質問となります。  先ほどから城原川ダムにつきます、また治水対策についての御議論があっておりますけれども、このダム事業の中で、私は思うんですけれども、なぜ、このダムが必要かということ、それは流域住民の命を守るためなんです。先ほど、六百九十トンが高過ぎるという話がありましたけれども、六百九十トンは我々の流域の命を守る最大の安全度なんです。それを下げるということは、安全を低下させるということでありますから、私は流域住民として、その命を守るための一つの指標として受けとめております。  これまでも議論をいろいろさせていただきました。ダムの反対、賛成、いろいろあるでしょう。しかし、ダムを反対する人たちの意見の中に、私が一つ疑問に思うのは、あちらこちらでいろんな事業のことについて命の話をいつもされますけれども、この城原川ダム流域の皆さんの命の話はされません。なぜなんですかね。環境のことは言われますけれども、ダム流域に一万人住んでいる、この命の話はない。私は、そこに疑問を持っております。  これぐらいにしまして、質問を始めさせていただきますけれども、城原川ダム事業にかかわる地域振興整備事業についてということで質問します。  城原川ダム事業につきましては、昨年の九月、国土交通大臣より検討主体となる九州地方整備局長への検証に係る検討が指示され、十二月二十一日、関係地方公共団体からなる検討の場が開催されたところであります。検討の具体的な進め方などについては議論されておらず、見通しが立たない状況にあります。  先ほど議論がありました城原川ダム堤防の弱体化、これは私も当日は見てまいりましたけれども、よく言うゴルフ場のバンカーですかね、あのような砂質で堤防がつくられておりました。そういった弱体化ですね。さらに、基本高水六百九十トンから五百四十トンへの安全度の低下など、城原川流域の住民を恐怖に陥れるような議論がなされるのではないかという不安がつきまとっております。  このように、検討の進め方もスケジュール等も議論されない中、正式な検討の場の開催も未定でありまして、結論に至るまでには相当の期間を要することは非常に危惧をするところであります。  地元住民は、ダム計画表明から四十年も翻弄されてきており、さらに長期化することで、これまで以上の憤りは隠せません。水没地区内は、これまでダム計画があるとのことで日常生活に直結するような身近な公共事業まで先送りされてきたため、通常の生活を営む上においても危険、不便を強いられ、さらに降雨時の土砂崩れなども心配され、安全・安心も脅かされるような状況下に置かれてきていること、それがさらに長期化することになる。地域は高齢化が進み、待ったなしの状況です。せめて人間らしい暮らしができる環境を整備していただきたい。  先日、この地域内の御婦人が坂道で滑られて、骨折をされました。もちろん本人の不注意もあるかもわかりませんけれども、こういった状況は、やはり地域の中のそういったインフラ整備ができていない、いわゆる行政責任も私は感じるものでありますので、ここで御紹介をしていきたいと思います。  私は、これまでも長期化していた城原川ダム事業について何度も質問をいたしまして、昨年の九月議会で、「水没予定地区の生活環境等の改善について」及び「県道三瀬神埼線の整備について」質問を行い、県からは、「地域の防災施設など、住民の安全・安心につながる必要不可欠な生活基盤については地元の意見を聞きながら、国や神埼市とも連携し対応をしていかなければならない」と答弁をいただいております。水没予定地区の改善について、前向きな対応を約束していただいたという考えを持っているところであります。  このような中で、水没予定地区住民団体は、土砂崩れなどから生命を守る砂防整備事業や急傾斜地崩壊対策事業、さらには日常生活に直結する道路整備や水路整備を初めとする十九項目にわたりました地域振興事業を取りまとめて、今月の十七日に古川知事あてに要望書を提出したところであります。  そこで、次の点についてお伺いしたいと思います。  県として、この地域振興に今後どのように対応していこうと考えているのかお尋ねいたします。  まず現状の認識であります。  到底、現代の人間が生活できるような環境ではないということを考えています。そこで、今回、十九項目の環境整備を要望しておりますけれども、その内容についてどう対処をしていくのか。  また、事業の進め方として、国、市との協議の場を急ぐべきと考えておりますけれども、いつごろになるのか。  最後に、予算の確保でありますけれども、ダム事業と切り離して、この地域の安心・安全を最優先にして、この四十年間の公共事業空白期間を埋めていただきたい。今回の要望は、地元の悲痛な叫びとして受けとめていただきたいと思います。御回答をお願いしたいと思います。  次に、本県の人口減少に係る問題について質問してまいります。  まず、日本の総人口は二〇一〇年の一億二千七百十八万人から二〇三〇年には一億一千五百二十二万人と、二十年間で約一千二百万人、九・四%が減少すると予測されております。一千二百万人という人口規模は、九州地方千三百十四万人の人口と同程度でありますから、わずか二十年で急激に人口が減少することがよくわかります。  佐賀県の人口についても、二〇一〇年の八十六万六千人から二〇三〇年には七十四万四千人と、二十年間で約十二万人が減少することが予測されておりますけれども、この数は、今の合併した唐津市の人口に非常に近いものであります。これが約一三%ですね、十二万人というのは。比率から見ると、県のほうが国の人口減少のスピードよりも速いスピードで減少していくということが言われます。  人口減少は、自治体の根幹を揺るがす大変重要な課題であります。将来を見据えた真剣な議論をしていただき、対策を講じることが必要だと考えますので、そういった問題に関連して質問をさせていただきたいと思います。  まず、少子化に係る子育て支援でありますけれども、労働力人口の減少、地域活力の低下、ひいては社会制度そのものが成立しなくなってしまうおそれのある人口減少、この問題の流れを食いとめることは喫緊の課題であります。  人口減少問題の根底には、少子化の問題があります。一人の女性が一生の間に産む子供の数の平均を示す合計特殊出生率は、全国平均では一・三七、佐賀県では全国平均よりも高い一・四九ということでありますけれども、人口を維持するためには二・〇七を維持しなければなりませんが、国も県のほうもその水準は大きく下回っております。  少子化の与える影響として、幼稚園の経営が厳しくなります。小学校では、学年一クラス三十五人以下の学級も増加する状況にあります。私の小学校、西郷小学校が近くにありますけれども、全学年、もう一クラスという状況です。十年前は三クラスありましたのが、もう本当に一クラス。今回、三十五人学級になりますけれども、それにも届きません。ことしの新しい新入学生が二十六名という状況です。それほど地域の中は子供たちが減っています。  子育て支援は、少子化であろうとなかろうと、行政の責任の範囲の中でやるものでありまして、将来の日本を支える大切な人材として育成支援をしていかなければなりません。これは当然のことでありますが、急激な人口減少が予測される中で、少子化の原因、まずこれを探りながら、少子化の進行をとめて、さらには出生数を上昇させていく。人口減少問題の解決を図り、活力のある社会基盤をつくっていかなければ、地域の自治体は壊滅してしまうというふうに思います。  県では、少子化の流れを変えるために、次世代育成支援対策推進法に基づきまして、佐賀県次世代育成支援地域行動計画を策定されております。「子育てにやさしい社会を創る」を目標に掲げ、「子育てと仕事の両立支援」、「地域における子育て支援」等の基本施策を実施されております。  県民の意識調査によりますと、理想の子供の数を産もうとしない理由に、子育てそのものに対する負担感、仕事と子育ての両立の負担感が多く挙がっております。やはり安心して産み育てる環境づくりのために、子育て支援が一番重要な課題であると考えております。  そしてまた、逆に、子供二人以上欲しいという夫婦が圧倒的に多い。これは非常に救いであります。これまで子育て支援等は、いろんな政策をやってきましたけれども、視点を変えた政策がこれから必要になってくるんじゃないでしょうか。今までの子育て支援の事業から、いろんな御意見を聞いて、将来の実情を見て、そういったものを加味して、新しい時代の子育て支援をつくっていく、これが大切だと思います。  私は、基本的には、三世代同居家族をふやす政策が一番だと思っておりますけれども、あるいは晩婚化が進む中での婚活支援、こういったものに積極的に自治体がかかわっていく。昔は、おせっかいおんじさんとか、おばっちゃんがおって、仲人役をしてくれて、いろいろ男女をひっつけてもらう人がおったんですけれども、そういったこともなく、地域がそういう状況じゃないということでありますから、やっぱり自治体やいろんな団体がこういった婚活の支援をやっていくことも、私は大変必要だと思います。そういった認識を持って、新しい時代の子育て支援といいますか、そういったものを考えていくべきだと思います。  それで、これまでの子育て支援の取り組みはどのようにやってきたかということをお伺いしたいと思います。実績や成果があればお伺いします。それから、これからの子育て支援についてどのような点に力を入れて取り組まれていくのか。  先ほど申したとおりでありますけれども、いわゆるこれまでの子育て支援で少子化を食いとめることができるのか。ここは、こども未来課が、まさにこの未来課という名のとおりに、未来を見据えた斬新な施策を、やっぱりこれから真剣に取り組んでもらいたいと思います。出生率二・〇七で維持される。しかし、今は一・四七。毎年、〇・〇一%ぐらいでもいいから、目標値を決めて、少子化からの反転を図っていただきたい。私は、こども未来課の健闘をお祈りしたいと思います。  それから、次に参ります。  人口減少社会における産業人材の確保ということで質問をいたします。  我が国は、急速な少子・高齢化による人口減少局面にあり、総人口の減少に伴い、十五歳から六十四歳までの、いわゆる生産人口も減少しております。国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、本県の人口は平成七年に八十八万四千人であったものが平成二十七年には八十二万九千人に減少し、生産人口についても平成七年の五十六万七千人から平成二十七年には四十九万人に減少すると予測をされております。  人口減少社会については、GDP──国内総生産を減少させ、国力を衰退させていくとの悲観的な見方もあれば、生産性を向上させるチャンス、豊かな生活を享受できる社会への転換のチャンスであるなどの期待を込めたものまで、多様な意見がありますけれども、この佐賀県においては、都市部への集中が進みまして、地方の過疎化や衰退化が進むのではないかと心配をしております。  このような中で、本県が今後とも持続的に発展していくためには、将来を見据えた戦略的な産業振興策とともに、それを支える人材の育成、確保が重要であると考えます。労働力の絶対的な不足が懸念される中で、県においては県民の就職支援と県内企業の人材確保の両面から対策を講じていく必要があると考えます。  具体的には、県民一人一人の職業能力の向上や、求職者と求人側とのミスマッチ解消に努めて人材を確保する必要がある。特に、社会進出が著しい女性労働力の活用を図るべきであると思います。ここは非常に大切なところだと思います。  女性、働く人が少子化については非常に真剣に取り組んで、子供をたくさん育てながら、自分も仕事をしたいというのが、何というんですか、データの中にあります。  また、特別な技術やノウハウを持つ高度産業人材やグローバル人材については、県内での育成はもとより、県外からのUJIターン者等の積極的な活用などによりまして、県内企業の人材確保を支援すべきであるというふうに考えます。  ちょっと一例を申し上げますけれども、こんなことがありました。ことしの高校の新卒者でありますけれども、男子生徒、県外に就職いたします。家族は母一人、子一人です。自分は県内に残って、このお母さんと一緒に暮らしたいという希望があって、県内に就職を希望しておりましたけれども、自分はどうしても電気の技術士になりたいんですね。ところが、その企業は佐賀県にないわけですよ。ですから、彼は中京方面の大きな大手の電気会社に入りましたけれども、彼が言うことには、将来、自分が一人前になったら、母親を呼びたいと、一緒に中京で暮らしたい。ここが今の佐賀の弱いところだろうと思います。  そういった状況の中で、県内の産業人口を確保していかなければなりませんが、私たちは何をするか、何をしなければならないか、この佐賀県の産業の層をもっともっと厚くしていって、高校や大学の新卒者が佐賀県にとどまってもらうような施策を私は打っていかなければならないと考えております。  そこで、現在までの県内における労働力の状況がどうなっているのかをお伺いしたいと思います。  それから、産業人材の確保に係る取り組み状況はどうなっているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか。さきに質問しましたことを踏まえまして、御答弁をお願いしたいと思います。  次に、企業誘致の推進についてであります。  二月二十一日に、内閣より公表された最新の月例経済報告によりますと、「景気は、持ち直しに向けた動きがみられ、足踏み状態を脱しつつある。」とされております。企業の業況判断は慎重さが見られるものの、企業収益は改善しており、設備投資は持ち直している。また、輸出、生産は持ち直しの動きが見られるとされていることから、企業の生産活動は厳しい中にも、やや明るさが見えてきたのではないかと認識をしております。  活力のある企業の生産活動は、地域経済を活性化させることから、優良な企業を県内に誘致することが必要であります。そのための企業誘致は、県内の景気浮揚に最も効果的な施策であると私は考えております。  一例を挙げれば、県内で企業集積が進む鳥栖市、国勢調査によりますと、最近五年間で人口が四千三百四十六人の増加が見られております。また、平成十九年度には企業からの税収により、普通交付税の不交付団体になっております。これらは、企業誘致のたまものだと認識をしているところであります。  企業誘致は、地域に雇用の機会を創設することで定住人口をふやし、また、経済波及効果により地域の活性化に資する有効な施策でありまして、リーマンショック以降の景気低迷と厳しい雇用情勢下にある今だからこそ、やっぱり積極的に、精力的に私は取り組むべきだと考えております。  そこで、次の点をお伺いしたいと思います。  企業誘致の戦略についてであります。  リーマンショック以降、厳しい経済情勢でありますが、より効果的な企業誘致活動を展開していくためには、本県が目指す姿、これを描き、どのような業種をターゲットに、どのような手法で臨むかなど、戦略、戦術が必要と考えます。ここをお伺いしたいと思います。  特に、対象業種としては、産業用ロボットや電子部材、または今、世界的に注目されている水ビジネスですね。いわゆる膜、スクリーンですか。そういったものに関連する産業などは有望ではないかと思います。  県として、どのような戦略、戦術で企業誘致の活動に取り組んでいるのかをお伺いしていきたいと思います。  次に、既にある立地企業の、いわゆるフォロー、後押しについてお伺いしたいと思います。  経済情勢が大変厳しい中で、企業誘致活動の効果を高めるには、県外企業に新規に立地勧奨を行うことに加えて、既に県内に立地している企業へのきめ細かいフォローアップも必要であると考えております。  例えば、事業拡張のために用地が必要になった企業に対して、用地確保の支援を行うことや、人材確保が必要な企業に人材育成に向けた支援を行う。また、企業が新たな分野への進出や技術革新のための資金調達等、そういったものをぜひお願いしたい。  先ほど言いましたが、高校生の新卒者が県外に出ていかなくても、この県内にとどまって仕事ができる、そして、家族と一緒に幸せに暮らせる、そういったことまで含めて、私はこの企業立地の大切さ、産業のいわゆる層の広がり、そういったものを思うわけでありますから、ぜひこういったフォローをやっていただきたい。そのフォローをこれからどのように取り組んでいくのかをお伺いしたいと思います。  それから、五問目ですかね。先ほど、内川議員のほうから吉野ヶ里ニューテクノパークの利活用についてとか、いろいろありましたけれども、私も、多分重複するかもわかりませんけれども、同じ質問をさせていただきたいと思います。  まず、利活用方針を早急に決定していただきたいということなんですが、それを知事さんに、どういう認識であるのかお伺いしたいと思います。  吉野ヶ里ニューテクノパークの構想が、事実上頓挫いたしまして二十年以上の長い年月が経過しました。昭和五十八年から、もう既に三十年近くなっているんですよね。先ほどありましたように、ここの簿価が三十三億円ということでありますけれども、この二十何年間の利息を計算したら、とんでもない数字になります。それを考えると、早急にこれは解決しなければならない問題であります。  この間、その利用のあり方について、いろいろと検討はなされてきたようでありますけれども、結局はきちんとした利活用の方針が決まっていない、それは認識しております。  先ほどお話がありましたように、吉野ヶ里歴史公園の景観とは全くそぐわない。そのほとんどが、いわば野ざらしの状態であります。そのことについては、先ほどもお話がありましたように、住環境の悪化を懸念する近隣住民の声を私も聞いております。たまに使うのは、九年庵のシャトルバスをここにとめて行くというぐらいの利用しか今されておりません。非常にもったいないところであります。  地域活性化のためや地域の雇用拡大のためにと土地を手放された地権者や、もとより地域の方々ですね。例えば、東山地区とか、あそこは竹原地区、そういった方々が、この地域をどのような目で見ているんでしょうか。私は、大変残念に思われると思います。すばらしい吉野ヶ里歴史公園の隣に、ああいったやぶがある。そういった状況では、非常に悲しい現状だと思います。  当地区は、農村地域工業等導入促進法、いわゆる農工法によって地区指定を受けて、農業振興地域の地区除外も受けております。利活用方針の決定がない中で、今日までその状況が続いているわけでありますが、先ほどもお話がありました。現在、神埼市において、県の支援や指導を受けながら、国道三八五号線沿いの一団の農地について、工業団地としての開発を計画しておりますが、農振除外について九州農政局との協議を行っていますが、不調です。吉野ヶ里ニューテクノパークが既に農振除外を受けておりまして、手つかずの状態になっていることが、今回の開発計画の支障になっております。なかなか先に進めない状況でありますので、私としては、この農工法の適用除外をお願いしたいと思います。  こういった状況を踏まえまして、県としてできるだけ早期に吉野ヶ里ニューテクノパークの利活用の方針を決定していただいて、吉野ヶ里ニューテクノパークの将来の姿を、市民はもとより県民に示すべきと考えておりますけれども、知事の所見をお伺いいたします。  それから、利活用の方針の決定に当たっては、早速といいますか、早期に検討組織を立ち上げていただいて、具体的な検討をお願いするものであります。いつまでに決定をするのか、私は決定の時期を明確に示してほしい。県として、これまで利活用方針の決定の目標時期を具体的に示さなかったことが、今日までずるずる来ているわけですから、ここはやはり県の責任としてやってほしいんです。  私は、昭和六十一年に神埼の町議会に当選いたしました。当然、ここに神埼工業団地ができるものと思っていたんですけれども、御存じのように、吉野ヶ里歴史公園に変わりました。それについては、別に何の異論もありません。ただ、そのときに買った工業団地六十四ヘクタールのうち約二十七ヘクタールが残っているわけでありますから、それがもう既に二十数年たっている。そのときに買収したのが、大体一反一千万円ぐらいじゃなかったんですかね。ですから、三十億円ぐらいの数字になっていると思うんですよ。それを二十年間塩漬けにしているわけでありますから、私は早急に解決していただきたい。神埼の言葉で言うと、「あそこにあがんしとっぎんた、みたんなか」わけですから、きれいな利活用をぜひお願いしたいというふうに思います。  それから、最後ですけれども、夢のような、実現できるような話じゃないかもしれませんけれども、私がこの四年間でいろんなところに視察に行って、地域の活性化とは何か、そういったものを総合して考えてまいりました。いろんなやり方がありますけれども、その一つとして、私は私鉄電車の導入ということで質問をさせていただきたいと思います。  本県でも、今後も人口減少が進んでいくことが予測されておりますけれども、福岡県のベッドタウンとして人口が集積している東部地域においても、現状のままでは人口減少が進みまして、地域の活力が失われていくことが懸念されます。  今回も、買い物難民の話や高齢者の話、いろんなものがありました。地域はどっちに向かっているかと、右肩上がりに上がっていないんですね。どちらかというと疲弊が進んでいるというふうに僕はとらえております。  また、これまで通勤や通学の移動手段として地域の発展を支えてきたJR長崎本線については、将来、九州新幹線西九州ルートが運行されるがために、地域の足として本当に役に立つJR長崎本線なのかという懸念も私自身がしております。  このために、人口の集積や産業の振興などにおいても、波及効果が極めて大きな、いわゆる私鉄電車といいますか、電車の導入をお願いしたいと私は思うんですよ。県東部地域に周回させる将来構想を描けないかと考えております。  幸い東部地域は、鉄道用地として利用することができる耕作放棄地などが多くありまして、また、ほかの地域と比較して、それほど今のところは人口は減少しておりませんので、一定の利用需要が見込めるんじゃないかと思います。  周回のルートとしては、例えば、西鉄大牟田線の小郡市あたりで分岐をしていただいて、鳥栖市、みやき町、そして吉野ヶ里町、神埼町、大和町。そして、大和町から真っすぐ南に下って佐賀駅、市役所、県庁前。そして川副、有明佐賀空港、もっと南下して再び西鉄大牟田線の蒲池駅あたりですか、あの辺に結ぶ環状線、いわゆる山手線のような雰囲気と考えてもらったらいいと思うんですけれども、そういった環状線を考えられないかと思っています。  このような構想は、広大で、実現が困難だということは、私も十分承知しておりますけれども、今これだけ閉塞感に包まれた現状の中で、将来を見据えた夢のある構想も、やはり考えるべきだと思っております。  私は、この話をしたのは、半年ぐらい前なんですけれども、今、佐賀の市会議員さんたちと一緒になって、この話をしております。佐賀市も定住人口がどんどんどんどん減っています。特に、やっぱり中心部の人たちが定住しなくなってしまっているということ、本当にもったいない土地がたくさん残っているわけですよ。それをこれから県、市とかが買うていかんばいかんわけですね。そういったリスクがこれからたくさん出てくるわけですよ。だから、彼らはそういうことも考えて、やはり佐賀市内にもこういった公共鉄道、こういったものを含めたものをぜひ誘致をしたいということを考えて、今考えが一致しております。  ですから、将来の佐賀県の東部地区に限らず、この佐賀全体にとっても、こういったいわゆる電車といいますか、そういった新しい公共交通機関を導入すべきだと私は思います。  鉄道は、環境にも優しい公共交通機関でありまして、その導入が実現すれば、東部地域の利便性、あるいは高齢者に対する利便性などが飛躍的に伸びると思います。  そして、福岡県と佐賀県の人、それから物や文化ですね、そういったものの交流が活発になりまして、さらに、大事な有明佐賀空港に結ぶことによりまして、福岡県の南西部の皆さん、それから、そういった利活用がもっとできるんじゃないかという考えを持っておりますので、知事の御所見をお伺いしたいと思います。  以上で六問質問をさせていただきましたが、皆様方の意のある回答をよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。(拍手)(「長崎新幹線の開通よりも必要よ。そっちのほうが重要性がある」と呼ぶ者あり) 12 ◎古川知事 登壇=石井久起議員の御質問にお答えします。  まず、吉野ヶ里ニューテクノパークについてでございます。  議員もよく御存じのように、当初、平成十五年度から十六年度にかけて、このニュー・テクノパークをどうしていくかということについて、公園化の基本構想の検討を行いましたが、この当時、緊急プログラムの策定期間中であったということや、公共工事型の公園化というものを今行っていく必要があるのかという議論を内部でいたしまして、この公園化基本構想については、私どもの認識としては、今もう県のものにはなっていないというふうに考えております。  したがいまして、吉野ヶ里ニューテクノパークをどのようにしていくのかということについては、新たに検討組織を立ち上げなければならないと考えております。  全庁横断的な組織を可能な限り早く立ち上げるということについては、先ほど内川議員にもお答え申し上げましたが、各本部の代表者が集まって行う会議をするというだけではいいアイデアは生まれてこないであろうと思っております。ぜひとも、県庁のいわば組織を挙げてといいますか、職員の一人一人が持っているネットワークやいろんな人たちの知恵をおかりして、このいい場所をどう使っていくのかということについて、いわば英知を集めていきたいと考えておりまして、ただ単に検討会議を設置してということではなくて、一人一人の職員がいわば自分のネットワークで、どがんしたらよかろうかねというふうな声を聞いてきたものも含めて、また、荒唐無稽のようなものも含めて、まずはいろんなものを集めて、その中で考えていくということをしていかなければ、なかなか私どもだけで知恵が出てくるというものではないんではないかなと思っているところでございます。  今議員からの御質問は、いつまでにまとめるのか、時期を示せということでございましたが、私の任期も今任期は四月二十二日まででございますし、これについては、また新しい任期の知事のもとでできるだけ早くということでお願いできればと思っているところでございます。もちろん、そうしたものをやっていく中で、地元神埼市や関係者の意見も聞きながらということになっていこうかと思っているところでございます。  確かに、この場所は非常に可能性のある、いい場所だと思っております。私個人的な思いとしては、やっぱり歴史、文化、教育、そういったものと何か関連あるものがないだろうかというふうな気持ちはありますものの、それについてはぜひ、もう全くゼロからの議論をお願いしたいと思っております。  次に、私鉄電車の導入についてでございます。  これも大変、これもというか、これについては夢のある御提案だと受けとめをさせていただきました。私も鉄道の重要性については非常に感じておりますし、私自身も移動する際には、なるべく鉄道を使うということを心がけて、公務の仕事をする際にもできるだけJRや電車を使うということを行っております。それだけに、これからの社会の変遷を考えたときに、さらに鉄道を整備していくということについての重要性は、私もよくわかっているつもりでございます。  構想案を拝見させていただきますと、例えば、鳥栖から大和を通り佐賀まで、JR長崎本線にいわば並行するような格好で新線というふうなところもございましたが、ずっと拝見していて思いますに、確かに、天神を出発した、昔の言い方だと急行電車と言っていたと思いますけれども、急行電車が佐賀県を全く通らずに久留米、大牟田まで行っているわけでありますけれども、そうしたものにうまく分岐をさせて、佐賀県内に入らせれば、福岡都市圏と佐賀県内の連携、特に天神に直結できるという点で非常に交流が増すんではないかというふうなところでありますとか、残念なことに国鉄佐賀線が廃止になっておりますけれども、もともとは、筑後地域と佐賀地域を結ぶ鉄道というものはあってもよいのではないかとか、また、いろんな方が議論されておられます有明佐賀空港と鹿児島ルートを結ぶ何らかの鉄道があってもよいのではないか。それは、例えばモノレールであってもよいし、場合によっては新幹線の筑後船小屋駅から新幹線の規格でつくっておけばよいのではないか、こうした議論というものもあると伺っております。  議員からいただきました、この私鉄の導入というものを私どもも参考といたしまして、これからの地域に必要な、また発展の役に立つ鉄道の利用というものについて研究を重ねさせていただきたいと思います。  あすから直ちにというわけにはいきませんけれども、まさに議員からの御指摘というものは非常に肯綮に当たっているといいますか、非常に御指摘については正しいと思っているところでございます。  私からは以上でございます。(発言する者あり) 13 ◎古谷くらし環境本部長 登壇=石井議員からの御質問のうち、私からは少子化に係る子育て支援について御答弁をさせていただきます。  まず、これまでの子育て支援の取り組みについてでございます。  少子化問題は、我が国の社会経済の持続可能性にかかわる課題でございます。これはもう御指摘のとおりだと思います。  子育て支援は、単に子供を産んで、育てやすい環境にするというだけではなく、やはり次代を担う子供たちを育てるという未来への投資として社会全体で取り組んでいかなければならないものだというふうに認識をいたしております。  県では、平成十七年に次世代育成支援地域行動計画を策定いたしまして、「子育てと仕事の両立支援」を第一とし、五つの基本施策に基づきまして、少子化対策として子供に関する「保育」、「福祉」、「医療」など、さまざまな施策の推進に取り組んできたところでございます。  その結果、平成十八年度から五年連続で、四月一日時点での待機児童ゼロを達成したことや、必要とされるすべての保育所での延長保育が実現したこと、あるいは放課後児童クラブを必要とされるすべての小学校区に設置した、そういったことなど、子育て支援について一定の成果を上げることができたというふうに考えております。
     次に、今後の子育て支援についてでございます。  議員からもお話ございましたように、佐賀県の合計特殊出生率は一・四九ということで、依然として低い水準となっておりまして、長期的な傾向といたしまして、少子化になかなか歯どめがかかっていない、そういった状況であるというふうに認識をいたしております。  今後の子育て支援策を充実するに当たりましては、夫婦共働き世帯の割合がほかの県と比べても高いという佐賀県の特徴ですとか、あるいは昨今の厳しい経済情勢を背景といたしまして、今後とも保護者の就労の増加が見込まれることを踏まえれば、特に子育てと仕事の両立支援策が大変重要だというふうに考えております。  このため、保育所、幼稚園、あるいは認定こども園など、保護者が希望する施設で多様なサービスが受けられますように、そういうふうにするための保育サービスの充実や就学後の児童の健全な育成を図るための放課後児童クラブの大規模クラブの解消など、質の向上に引き続き取り組むことといたしております。  また、子供を安心して産み育てることができる環境を整備していくことも不可欠だと考えておりまして、安心こども基金を活用して、公共施設や民間施設へのベビーベッドなどの設置を進め、子育て家庭が外出しやすい環境整備を図るなど、子育てに優しい社会づくりについても積極的に取り組んでいきたいと考えております。  議員からは、今後、新たな発想からの取り組みもぜひ期待したいとのお言葉をいただきましたが、昨年度末に策定をいたしました次世代育成支援地域行動計画の後期行動計画につきましては、計画期間中におきましても、その実績を踏まえまして、適宜見直しを行っていくというふうにしているところでございまして、従来の施策にとどまらず、新たな視点からの取り組みが必要と考えられるものがございましたら、そういったものも含めまして、子育て支援の施策の一層の充実を図ることによって、今日の少子化の背景にございます、やはり子育てに対する負担感、そういったものの解消に努めていきたいと思っております。  そういったことで、少子化傾向にぜひ歯どめがかけられるように、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。 14 ◎飛石農林水産商工本部長 登壇=私からは、大きく二項目お答えさせていただきます。  まず、人口減少社会における産業人材の確保についてということでございまして、まず、労働力の状況等についてということで、特に女性労働力の活用という視点でお答えをさせていただきます。  県内の労働力人口につきましては、平成十七年の国勢調査によりますと四十四万九千人となっておりまして、平成七年の四十五万九千人から一万人の減少となっております。特に、平成十九年からの十年間は毎年一万人を超える方々が順次六十歳に達することから、雇用労働者の大量退職が続くと考えられております。  また、少子化によりまして、県内の二十歳以下の人口は、各年齢で九千人程度にとどまっておりまして、今後ますます労働力人口の減少が続くと考えられます。  その中で、労働力人口に占めます女性の割合でございますが、平成七年の四三・六%から平成十七年には四四・六%となっております。ちなみに、全国は三九・七%から四一・五%となっておりまして、全国よりは佐賀県は高い割合となっておりますけれども、男性と比べると低い就労状況にあると、こういうことが言えるかと思います。  特に、二十歳代の後半から三十歳代後半におきましては、他の年代と比べまして就業割合が低くなっており、これは出産とか育児、そういったことのために退職した女性が多いからと考えております。  議員からも御指摘がございました、女性労働力を活用すべきということがあったわけでございますけれども、こういったことで二十歳代から三十歳代の後半は、非常に就業割合が低いということで、就労環境を整備すること等によりこの年代の就労を促進することは、労働力の確保を図る観点からも有効ではないかと、私はこのように考えております。  そして、次が産業人材の確保についてということで、現在の取り組み状況と、今後どう取り組むかということでお答えをさせていただきます。  まず、現在でございますが、県では、県内企業が求める人材の確保を支援するために、産業技術学院における技術者養成、あるいは離転職者のスキルアップをするための職業訓練、それから、県外人材の招致を図ります「“ネクストステージを佐賀県で”」という事業に取り組んでおります。  産業技術学院におきましては、民間の教育訓練機関では行われていない機械加工や電気、木工芸等の物づくり分野の技術者の養成を行っておりまして、最近三年間、平成十九年度から二十一年度でございますが、二百九十四名の技術者を養成しまして、そのうち二百七十七名が県内の企業に就職をしております。  それから、離転職者を対象に、再就職に必要なスキルを習得させる職業訓練につきましては、雇用情勢の悪化を踏まえまして、平成二十一年度から大幅に拡充して、平成二十一年度は企業のニーズが高い介護やIT分野を中心に三十コースの訓練を実施したところでございます。  委託訓練の受講者は大半が女性でございます。平成二十一年度は三百八十二名の女性が受講され、そのうち二百六十名が就職されるなど、女性の労働市場への進出に大きく寄与しているのではないかと考えております。  それから、「“ネクストステージを佐賀県で”」という事業につきましては、県内では得がたい人材を求める県内企業とUJIターン就職を希望する県外の人材とのマッチングを行っているわけでございますが、平成十八年度の事業開始以来、九十七名の方の就職あっせんを行っております。海外とのビジネスの実務経験がある方、あるいは自動車産業やIT関係など県内で成長している業種の技術者や生産管理業務の経験者など、県外の企業で技術や経験を積んだ有能な人材が県内企業にUターン就職をしていると、このように考えております。  それから、今後どのように取り組むのかということでお答えさせていただきますと、冒頭ございましたように、議員のほうから、労働力の不足が懸念される中で、本県が今後とも持続的に発展していくためには、将来を見据えた産業振興、そして、それを支える人材の育成、確保が重要であるという御指摘がございました。  この中で、特に人材育成、確保の観点ということでございますが、産業技術学院における学科再編、こういったものをいたします。これは企業ニーズを踏まえてということでございますけれども、それから、委託訓練の拡充による女性労働力の確保、UJIターンによる県外人材の確保対策など、これまでの取り組みをさらに充実強化をしていくこととしております。  このほか、県内企業のニーズを踏まえながら、貿易実務や語学等の研修を行いますとともに、留学生と県内企業とのマッチングなど、グローバル人材の育成、確保にも取り組んでいくこととしております。  さらに今後は、例えば、成長が見込まれる分野の人材や企業が求める人材を戦略的に育成、供給するといった視点から、そのための仕組みや体制などについて、学校教育サイドとも議論、検討していく必要があると、このように考えております。  それから次が、企業誘致の推進についてのお尋ねでございます。  これにつきましては二点ございまして、まず、企業誘致の戦略についてということでございます。  効果的な企業誘致活動を展開していくため、企業誘致の中長期的な戦略といたしまして、企業誘致戦略を平成十七年度に策定し、新エネルギー産業を初めとする重点誘致産業に対し、全国でもトップクラスの優遇制度によりまして、関連企業の誘致を推進しているところでございます。  この企業誘致戦略につきましては、策定後五年を経過し、その後の経済情勢や産業構造の変化に対応するため、現在、当本部では見直し作業を行っているところでございます。  見直す戦略の方向性といたしましては、環境・エネルギー分野など佐賀県の成長を牽引する次世代産業の創出と立地を目指して、一つには、誘致のターゲットとしては、今後、市場が拡大していく環境・エネルギー分野や、佐賀県に強みや素地がございます食・健康関連分野などの重点誘致産業の設定、それから、新産業集積エリアの大区画用地を活用した大型誘致の実現、さらには、既立地企業が安定的に操業できる環境の確保を柱に検討を進めているところでございます。  また、誘致戦術でございますが、業種や企業に応じて仕掛けを展開していく必要がありますことから、全国の自治体との比較でも優位性を保てる企業立地補助金や優遇税制などの創設とともに、ユニークな誘致施策の展開、さらには民間人材のノウハウや人的ネットワークを最大限に活用して、それぞれの企業が抱える課題解決型の提案を行っていくなど、積極的に誘致活動を展開してまいりたいと、このように考えております。  それから、既立地企業のフォローについてということで、何点かポイントを挙げながら御指摘をいただきました。  国内の製造拠点の再編・統合や、それから、自動車産業等の大手製造業に見られます海外への製造拠点の移転など、立地企業を取り巻く環境は厳しさを増しているところでありまして、県内の雇用維持の視点からも、既立地企業の安定的な操業環境を確保するために、企業が抱える課題を解決するきめ細やかなフォローが必要となっております。  これまで取り組んできた既立地企業へのフォローアップの方策といたしましては、誘致企業と県、市町の行政で構成いたします意見交換会を県内三カ所で実施するとともに、年末は県と市町が分担して、誘致企業の本社及び事業所等訪問を実施しているほか、農林水産商工本部としては年四回程度、企業訪問調査をいたしまして、誘致企業が抱える課題の掘り起こしや、企業間のコミュニケーションの向上、こういったものに努めているところでございます。  それから、立地企業製品の県内での、例えば愛用推進、製品を活用した観光PRとか、さらには製品技術を活用した農水産物生産の試験研究など、もともとは県外からの立地企業ではございますけれども、永続的に地元の企業として操業をしていただくためのコラボレーション企画と申しますか、そういったことについても積極的に取り組んでいきたいと考えております。  また、企業が必要とする人材養成のため、コールセンタースタッフ養成講座の実施、あるいは産業技術学院においては、産業界からもニーズが高い機械加工、電気、自動車関係等の物づくり分野の人材養成を行っているところでありまして、今後とも企業が求める産業人材の育成、確保対策には鋭意取り組んでまいりたいと、このように考えております。  いずれにいたしましても、既立地企業の安定操業を確保するため、企業が抱えております課題を解決するような、きめ細やかなフォローアップにしっかりと取り組んでまいりたいと、このように考えております。  私からは以上でございます。 15 ◎牟田県土づくり本部長 登壇=城原川ダム事業にかかわる地域振興整備についてお答えを申し上げます。  城原川ダム事業は、国の方針により検証対象ダムとなりましたことから、水没予定地の方々におかれましては、ダム計画の行方に大変な不安を抱えておられるということは、県としても十分認識をしているところでございます。  このため県といたしましては、昨年十二月に開催をされました検討の場の準備会におきまして、作業スケジュールなど、進め方の細部について国に早く提示してほしいということと、検討そのものを早期に進めていただきたいというふうなことを要望したところでございます。  このようなダムを取り巻く情勢下におきまして、県としても、水没予定地の防災対策や生活基盤などにつきましては、一定の整備は必要であるというふうに考えているところでございます。  こうした状況下、去る二月十七日、水没予定地の方々から、道路整備、土砂災害対策、集落の生活基盤整備など十九項目を内容とする地域振興事業について要望をお受けしたところでございます。  水没予定地の整備につきましては、これまでも県道の歩道整備や公民館の整備など取り組んできております。また、昨年の九月議会で御議論をいただいた県道三瀬神埼線につきましても、その後、早速現地調査を行い、測量を実施しておりまして、現在、具体的にどのような整備を行うか、検討をさせていただいております。  今回、地元から要望されました事業につきましては、同様の要望が市にも要望をされたというふうに聞き及んでおります。この内容につきましては、県だけですべて整備をするということは、ちょっと難しい内容も含んでおります。早速、県と市で協議を持ちまして、それぞれどのような役割分担でやるのかということについて、お話し合いをしていきたいというふうに思っております。  予算につきましては、国の補助事業とか交付金事業を活用できるものについては、できるだけ国の支援もお願いをしたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、この十九項目の中から一つでも二つでも多く、早期に整備にかかれるように、市と十分に連携をしながら、対応を協議していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 16 ◎議長(留守茂幸君) 暫時休憩します。     午前十一時四十九分 休憩 平成二十三年二月二十四日(木) 午後一時三十分  開議  出席議員    三十八名     一番  向 門 慶 人     一五番  指 山 清 範     三〇番  宮 崎 泰 茂     二番  藤 崎 輝 樹     一六番  峰   達 郎     三一番  武 藤 明 美     三番  徳 光 清 孝     一七番  土 井 敏 行     三二番  牛 嶋 博 明     四番  坂 口 祐 樹     一八番  桃 崎 峰 人     三三番  石 井 秀 夫     五番  宮 原 真 一     一九番  石 倉 秀 郷     三五番  篠 塚 周 城     六番  原 田 寿 雄     二〇番  伊 藤   豊     三六番  原 口 義 己     七番  岡 口 重 文     二二番  楢 崎   近     三七番  吉 田 欣 也     八番  田 崎 信 幸     二三番  岩 田 和 親     三九番  石 丸   博     九番  石 井 久 起     二四番  藤 木 卓一郎     四〇番  木 原 奉 文    一〇番  内 川 修 治     二五番  福 島 光 洋     四一番  伊 東 猛 彦    一一番  末 安 善 徳     二六番  中 倉 政 義    一二番  太 田 記代子     二七番  竹 内 和 教    一三番  大 場 芳 博     二八番  稲 富 正 敏    一四番  古 賀 善 行     二九番  稲 富 康 平 欠席議員    二名    三四番  留 守 茂 幸    三八番  堀 田 一 治 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   古  川     康          副   知   事    坂  井  浩  毅          統 括 本 部 長    城  野  正  則          くらし環境本部長     古  谷     宏          健康福祉本部長      平  子  哲  夫          農林水産商工本部長    飛  石     昇          県土づくり本部長     牟  田     香          経営支援本部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       鵜  池  常  範          交通政策部長       小  野  龍  太          会 計 管 理 者    山  口  和  之          公 安 委 員 長    山  口  久美子          警 察 本 部 長    鈴  木  三  男          教 育 委 員 長    安  永     宏          教   育   長    川  崎  俊  広          人 事 委 員 長    馬  場  昌  平          人事委員会事務局長    宮  地  茂  喜 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       荒  木  義  信          総  務  課  長   岩  瀬  茂  生          議事調査課長       蓮  把  邦  彦          政務調査室長       野  中  博  人          総務課副課長       向  井  久美男          議事調査課副課長     毛  利  明  彦          議事調査課議事担当係長  芦  村  耕  介
             同    議事担当主査  石  井  健  一         ○ 開     議 17 ◎副議長(稲富正敏君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。 18 ◎原田寿雄君(拍手)登壇=自由民主党の原田寿雄でございます。  通告に従いまして、四問質問をさせていただきます。  まず、有田焼四百年祭についてでございます。  私が言うまでもなく、有田焼は日本で初めて焼かれた磁器でありまして、豊臣秀吉による朝鮮出兵である文禄・慶長の役の折に日本に渡った陶工、李参平公が、有田の地において良質の陶石を発見し、窯を築き、磁器を焼いたことに始まりを見るわけです。それから営々と有田において磁器は焼き続けられ、近隣の反映、そして全国各地に伝わり、全国に磁器の産地が生まれていきました。  歳月は流れて、四百年の時を刻もうとしております。五年後の二〇一六年に、有田焼は創業四百年を迎えます。五十年前、百年前、それぞれ三百五十年祭、三百年祭が挙行されております。先人に感謝の意をあらわし、また、窯業界と地域の発展を願い数々の事業も行われてまいりました。  三百年祭には、陶祖李参平公を顕彰する碑を建立いたしました。重機もない百年前に、いかにして山の上に巨石を運んだのか、当時の人々の心意気を感じるところです。今では、五月四日に碑の前で、韓国からのお客様を迎えて陶祖祭を行っておりますし、韓国からの観光客も訪れております。  そして、三百五十年祭には、県立九州陶磁文化館構想をつくり、現在、有田、佐賀にとどまらず、九州一円の焼き物を展示する美術館として多くの人々が訪れております。  振り返って現実を見るとき、有田焼は長引く消費の低迷などもあり、売り上げは激減し、窯業界は過去にない厳しい状況にあります。しかし、創業四百年を目前にし、いま一度原点に戻り、何もないところから事をなした陶祖李参平公や百婆仙らの朝鮮陶工、そして有田の先人の功績に改めて感謝をし、後世へ有田焼をしっかりと受け継がせていかなければならないと考えます。  四百年の節目を大切にし、日本磁器発祥の地という誇りを取り戻し、疲弊した産地を再生していく契機とするべきと考えます。そのためには、国内はもとより、韓国、中国など海外にも、有田焼の再評価を目指した強力な情報発信が必要であろうと考えます。  地元有田では、窯業界を中心にした準備委員会を開催し協議がなされてまいりました。若い方々の中でも斬新なアイデアが出ているように聞いております。ただ、有田焼四百年祭、百年に一度の四百年祭は有田だけのものではないと考えます。有田の中だけで終わらせてはいけないという思いで、五年前を契機に有田町が事務局となり実行委員会を早期に立ち上げる動きがあります。これは、幅広い委員の選任を目指すものだと伺っております。もちろん、先人に感謝をし後世へという熱い思いを持って、有田が核となり、しっかりと汗をかくことは当然ではありますが、私も四百年祭が窯業界からすべての有田の町民へ、そして有田、伊万里、嬉野から佐賀県全県へ、そしてまた九州へ、韓国へと思いが大きく広がっていく四百年祭になることを期待するものであります。  「肥前陶磁史考」という本があります。そこに三百年祭のことが書かれておりました。「李参平紀念碑成る」、「大正六年には陶祖李参平の三百年祭を擧行すると共に」あと云々、「深川榮左衛門──これは香蘭社ですけれども──深川榮左衛門を委員長に推薦し、(中略)而して奮藩主鍋島侯等の賛助を得て、大隈重信侯を名譽總裁に推戴した」、こういう一文があります。百年前も三百年祭は有田だけのものではない、そういう思いがあったのだろうと想像するところであります。  有田にとっても、佐賀県にとっても、情報を発信していく好機になると思われます。炎博の成功も思い起こされますように、有田町が県と一体となって取り組んでいくことが、より大きな成果を生むのであろうと考えます。有田焼四百年祭を県はどのように考えておられるのか、知事にお伺いいたします。  次に、韓国からのプログラムチャーター便について質問をいたします。  有明佐賀空港では、昨年十二月二十九日からことし三月一日までの約二カ月間、韓国の旅行会社と格安航空会社であるジンエアによるプログラムチャーター便が仁川空港との間で運航されているところであります。  今回のプログラムチャーター便は、有明佐賀空港の利活用とともに、県内への経済効果を期待したものであり、県は経済効果を約三千八百万円と試算されております。実際には、このチャーター便を利用し多くの韓国人観光客が本県を訪れ、県内に宿泊されたり観光地に立ち寄られていると聞いており、継続していくならば、空港の利活用のみならず、本県観光振興にもつながっていく可能性を持っていると考えます。  しかし、立ち寄り先の一つとなっている有田町においては、先ほど申し上げました韓国人陶工李参平公を顕彰する碑がある陶山神社や、神社付近の通りを散策する韓国人観光客の姿はふえてはいるものの、周辺の商店等では観光客を呼び込むためのハングル文字が余り見られず、今回のプログラムチャーター便を意識しての受け入れの対応は十分とは言えず、経済効果もそれほど大きくなっていないのではないかと思うところであります。県内のほかの立ち寄り先にも同じようなことが言えるのではないかという危惧を持っているところです。  県は、韓国人の人気ブロガーを招聘し、佐賀の観光情報を韓国国内へ発信してもらうという事業を行ったと聞いております。同じように、佐賀を訪れた観光客に満足して帰国してもらうことは、口コミで佐賀のよさを広げ、新たな観光客をつくり出す。また、観光客の満足はツアーを企画した旅行会社の満足にもつながり、再企画や新商品の開発にも結びついていくのではないかと思っております。そのことが、将来の観光客の増加と、それに伴う経済効果を生み出していくと考えます。  今回のプログラムチャーター便を継続させていくためにも、あるいは定期便へと昇格させていくためにも、今後、観光客を満足させるような県内観光地の受け入れ体制の整備を強力に推し進めていくことが必要であると考えます。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず、利用状況についてであります。  今回のプログラムチャーター便の利用状況はどのようになっているのか。また、韓国人観光客は県内のどのような観光地に立ち寄り、そして、どこに宿泊されているのかお尋ねいたします。  次に、受け入れ体制の整備と経済効果の増大に向けた取り組みについてであります。  今回のプログラムチャーター便を一過性のものに終わらせず、継続的な運航やほかの格安航空会社の誘致につなげていくためには、県内観光地の受け入れ体制を整備していくことが重要であり、そのことが経済効果を増大させ、よい循環をつくっていくものと考えますが、県では韓国人を含めた外国人観光客の受け入れ体制の整備を進め、経済効果を増大させていくために、どのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。  続きまして、三問目の質問に移ります。  県道伊万里有田線の現状と今後の取り組みについてであります。  伊万里市と有田町を結ぶ県道伊万里有田線、通称「セラミックロード」と申しますが、この道は伊万里市及び有田町の産業や地域住民の生活を支える、また、JR伊万里駅とJR有田駅を結ぶ利便性が高い道路となり、かつ交通量が非常に多く、朝夕渋滞を見る国道二〇二号と並走することから、国道二〇二号を補完する役割を大いに期待される大変重要な道路であります。  昨年四月、伊万里市内の国道四百九十八号、国見道路と言いますけれども、この道路は有田を挟み、伊万里市と佐世保市を結ぶ道路でありますが、この四百九十八号において地すべり災害が発生し、現在も通行どめとなっており、この影響もあって、国道二〇二号は以前にも増して混雑している状況であります。住民は、国道二〇二号線の補完道路の必要性を改めて実感しているものと思います。  また、この県道伊万里有田線沿いには、伊万里市民病院と有田共立病院を統合する新病院が平成二十三年十二月の開院に向け建設中であり、この病院は両市町の救急医療を担う、また災害時に拠点として医療を担う県西部保健医療圏の中核病院として大変重要であり、地元住民からも大きな期待を寄せられております。このような大切な病院へのアクセス道路として、県道伊万里有田線は一日も早い全線開通が望まれるところであります。  現在、伊万里市新天町の約二百メートル区間と、新病院建設地付近の約一キロ区間につきましては道路整備が進められておりますが、調査検討区間である伊万里市二里町内や有田町内の区間につきましては、いまだに道路計画が明らかにされておらず、地元では道路計画がどのようになっているのか、不安に思う声が上がっております。「この道はできないのではないかといううわさを聞いた」と、そういった声も耳にいたします。  こうしたことから、事業中の区間の早期完成はもちろんのこと、調査検討中の区間につきましても早期にルートを決定し、着実に事業を進めていき、一日も早い供用開始を目指すべきと考えます。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  現在、事業中の箇所の進捗状況と今後の取り組みについてであります。  現在、事業中の伊万里市内の約二百メートル区間と、新病院建設地付近の約一キロ区間につきまして、現在の進捗状況と今後の取り組みはどのようになっているのかお尋ねいたします。  次に、調査検討中の区間の検討状況と今後の取り組みについてであります。  伊万里市二里町内や有田町内の区間については、以前から道路計画に関する調査検討が進められていると聞いておりますが、検討に非常に時間を要しております。現在の検討状況と、今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。  次に、九州国際重粒子線がん治療センターについての質問であります。  粒子線によるがん治療法があり、効果を上げているということ、佐賀県が県内に治療施設を誘致することを目指すということを聞いたのは、初めて県議会に籍を置きました四年前の六月定例会の勉強会でありました。通院治療ができる、また、体に対する負担が少ないため幅広い年齢層に対応できる、副作用が非常に少なく早期に通常の生活に復帰できるなど、このような夢のようながん治療法があるのかと驚いたことを思い出します。  また、県政報告会の折に、粒子線がん治療施設の話をするとき多くの方が興味を示し、期待をする声を聞いてまいりました。進捗状況を聞いてこられる方も多数いらっしゃいます。  そういう中にあって、平成二十五年春、九州国際重粒子線がん治療センターが九州新幹線新鳥栖駅前での開設を目指し進められておりますが、昨年九月にセンターの医療運営を行う公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団において治療装置の発注を済ませているほか、建屋についても整備主体である九州重粒子線施設管理株式会社が発注者となって、今月十五日に建設工事に着工するなど、開設に向けた準備が順調に進んでいるという印象を受けております。  こうした施設面の整備を今後も着実に進めていくためにも、また、開設後の安定的な経営のためにも、資金調達に一層の努力が求められることはもちろん、センター開設が二年後と近づく中、センターの運営を見据えて患者の確保や医療スタッフの確保に向けた取り組みが特に重要になってくるものと考えます。  また一方で、経営面を、また運営面を不安視する向きもあります。そうした不安を払拭するためにも、開設までのこの二年間の取り組みが非常に大切になってくると思われます。  そこで、次の点についてお尋ねいたします。  まず、資金調達に向けた取り組みについてであります。  センター開設に必要な初期投資額約百五十億円のうち、平成二十二年一月末の時点で示された資金調達見込み額は百十七億円でありましたが、ことしの一月二十八日の時点では約三億円の増となっていると聞いております。目標額の百五十億円を達成するためには、単純計算いたしますと、あと二年余り、毎月一億円の寄附、あるいは出資を受けなければならないことになります。  県は資金調達のため、専任職員を首都圏営業本部に配置するなど取り組みを強化されていることは承知しておりますが、現在の経済情勢を考えればかなり難しいのではないかと考えます。  今後、目標達成に向けてどのように取り組んでいくのか、これまでの取り組みに加え、新たな取り組みも考えていかなければならないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。  次に、広報活動についてお尋ねいたします。  県内のがん患者、家族の方々に、がん治療の有力な選択肢として重粒子線がん治療を考えていただけるように、早い時期から重粒子線がん治療の特徴や治療の体験談を伝えるなど、県民向けのセミナーを開催するなどプロジェクトの広報に力を入れていくべきと考えます。また、県内の医師の皆様方に理解していただき、後押しをしていただく必要もあろうと思います。  そして、安定的に患者を確保していくことを考えたときには、広く県外への広報、あるいは県外団体からの支援を求めていくことが重要であろうと思います。今後どのようにして広報を行っていくのかお尋ねいたします。  次に、医療従事者の確保についてであります。  治療装置や建屋の整備を着実に進めること、安定的に患者を確保するためにも、幅広く広報活動を行っていくとともに、実際に高度な治療を行う医療従事者を確保することは必須の条件であります。  現在、重粒子線がん治療施設は国内に三カ所しかなく、医療従事者の確保は特に重要であり、早い段階から研修、実践を積むなど計画的に進めていく必要があろうと考えます。  人材の確保は現在どのように進めておられるのか、また今後どのように行っていくのかお尋ねいたします。(拍手) 19 ◎古川知事 登壇=原田寿雄議員の御質問にお答えします。  私からは、有田焼四百年祭についてのお尋ねでございます。  有田焼四百年祭は、当然のことでございますが四百年に一度しか行われないものでございます。一六一六年に陶祖李参平(イサムピョン)らによって泉山に大変質のいい陶石が発見され、我が国で初めて磁器の焼成に成功したということが起源だと理解をしておりまして、ぜひともこの二〇一六年という機会を、大変長い間にわたって低迷が続いているこの有田の窯業界の再生と発展と振興につなげていかなければならないという強い意志を持っております。  既に、地元では有田町を事務局とする実行委員会の立ち上げ準備が進行中であると伺っております。私どもも、この議論に非常に注目をしております。ただ、まだ現時点において具体的な案が詰まりつつあるというふうには聞いておりません。逆に、これからあと四年ぐらいということになっていくわけでありますけれども、過去の、今から五十年前の三百五十年祭のときも、五、六年かけて県と一緒になって準備をしていったということを考えますと、むしろ時間が大丈夫なのかなということが気になっているぐらいでございます。  私どもも、また新しい年度が始まれば、改めて地元のほうともよく協議をしていきたいと思っておりますが、何より、この四百年に向けて何をしたいのかということについては、一個の案に絞っていただく必要はないと思うんですけれども、こうしたものが必要ではないかということについての御提案をぜひ地元のほうからいただきたいと思っております。まとまった一つの決まった案ではなく、こういったものもあるんじゃないか、こういったものもあるんではないかということでも結構なので、ぜひともそういったものを出していただければと思っております。  十数年前に世界炎博というものが行われました。こうしたイベント的なものを行うという考え方もありましょうし、もっと技術を高めていくための何らかの記念の取り組みしてほしいという声もあれば、例えば今の窯業大学校について、これを四百年を機にして改組し、充実するようなことが考えられないのだろうかとか、さまざまな声も私自身としても耳にするところでございますが、ぜひともこうした声を地元のほうで議論をし、かつまとめていただければ大変ありがたいなと思っているところでございます。  この有田焼四百年祭を、ぜひとも再生のきっかけにしていきたいという強い決意を持って、これからもこのことに対して取り組みをしてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 20 ◎平子健康福祉本部長 登壇=私のほうからは、九州国際重粒子線がん治療センターについてお答え申し上げます。  まず、資金調達に向けた取り組みについてですが、これまでの取り組みに加え、新たなものといたしましては、財団と特別目的会社が共同してこのプロジェクトを積極的に応援していただける事業所や団体、個人をサガハイマット・サポーターズとして募集し、店頭でのポスターの掲示などプロジェクトのPRへの協力や募金箱の設置などに取り組んでいただくという事業も始められており、こうした応援の広がりが今後の資金協力にもつながっていくということを期待しております。  また、最近では、チャリティーの講演会やコンサートなど、さまざまな形での協力の輪がセンター開設に向けて確実に広がっていると実感しているものでもあります。  さらに財団では、佐賀県医師会はもちろんのこと、福岡県医師会を初めとする九州各県の医師会に対する寄附を含めた事業への協力要請活動も始められ、寄附の実績も着実に積み上がっていると伺っており、こうした動きを九州全体に広げていきたいと考えております。  いずれにいたしましても、今後も開設委員会のメンバーに御協力や御尽力をいただきつつ、県といたしましても寄附の協力要請や新たに活用できる国の制度はないかなど、あらゆる機会を通じて目標額の確保に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、広報活動についてお答え申し上げます。  当プロジェクトの広報について、県では財団と連携し保険会社などの協力もいただきながら、県内外において広報活動に取り組んでおります。  具体的には、今年度は県と協力協定を締結している放医研や民間保険会社などが開催する講演会、セミナーなどにおいて、重粒子線がん治療の特徴や、この最先端のがん治療を提供する施設が鳥栖市にできることを紹介しており、県内で十四回、県外で三十三回、総参加人数が約五千人となっております。さらには、県民だよりや地元テレビ番組、九州全域を対象とした経済誌などを活用した広報活動にも積極的に取り組んできているところであります。  今後も、講演会やさまざまな広報媒体などを活用した効果的な広報活動に努めていくとともに、九州各県の医師会に対し、寄附の要請活動とあわせて、重粒子線がん治療への医師の方々の認識を深めていただくセミナーなどの開催といった取り組みについても協力していただけるよう、財団と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、医療従事者の確保についてでございます。  議員御指摘いただきましたとおり、重粒子線がん治療の経験がある医師、医学物理士、診療放射線技師及び看護師は非常に限られており、重要な課題と認識しております。  昨年三月には、放射線医学総合研究所と財団との間で、人材育成・交流の促進を掲げた協力協定を締結しており、放医研には医療従事者の確保、育成に関して全面的に協力していただけることとなっております。それを踏まえ、財団において昨年七月、九州大学に重粒子線がん治療に携わる医師の育成などを目的とする寄附講座が開設されたところであり、佐賀大学及び久留米大学においても寄附講座の開設に向けた手続が進められております。  医師については、開設時に五名の配置を想定しておりますが、既に九州大学等が放医研へ研修派遣している三名も含め、今後も寄附講座により計画的に育成されることとなっております。  また、医学物理士、診療放射線技師、看護師についても今後、九州、山口地域の各大学や放医研などの支援、協力をいただきながら、新規採用も視野に入れつつ、計画的に確保、育成されることとなっております。  このようなことから、当センターの運営に必要な医療従事者を確保できるものと考えております。  私のほうからは以上でございます。 21 ◎飛石農林水産商工本部長 登壇=私のほうからは、韓国からのプログラムチャーター便について二点お答えをさせていただきます。  まず、利用状況と利用客の宿泊先、それから立ち寄り先ということのお尋ねでございます。  今回のプログラムチャーター便につきましては、昨年十二月二十九日から三月一日までの運航期間中、有明佐賀空港と韓国仁川(インチョン)空港との間を十九往復することとなっておりまして、空港部局によりますと二月二十三日現在までの平均の搭乗率でございますが、定員百八十六人に対し約九七%と、大変好調であると聞いております。  利用客につきましては、旅行会社が決めた行程で観光する団体旅行客が中心でございまして、ただ自分で行程を決めて観光する個人旅行客も、日によって異なりますけれども、おおむね四十人程度おられまして、全体の約二割を占めております。  団体旅行につきましては、幾つかのコースに分かれておりまして、県内だけではなく、広く九州内を周遊されておりますが、ほとんどのコースで県内に宿泊されておりまして、宿泊地は嬉野温泉、武雄温泉、唐津市、佐賀市などとなっております。  また、県内での立ち寄り観光地といたしましては、唐津市では虹の松原等でございます。それから、先ほどございました有田町の陶山神社やその周辺、鹿島市は祐徳稲荷、佐賀市では佐賀城本丸歴史館などとなっております。  それから、個人旅行客につきましては、すべては把握できておりませんけれども、観光客から聞き取ったところによりますと、県内での宿泊地としては、佐賀市、鳥栖市、嬉野温泉、武雄温泉などとなっておりまして、立ち寄り観光地としましては有田、嬉野、武雄、佐賀などとなっております。  二点目の受け入れ体制の整備と経済効果の増大に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。  今回のプログラムチャーター便の例から、先ほど御指摘があったわけでございますけれども、外国人観光客の方々が訪れる県内観光地の中には、施設や店舗内での外国語表記による案内などの受け入れ体制が十分でないところもあると認識しておりまして、今後、本県への外国人観光客をふやし、県内への経済効果をより大きなものとするためには、そうした県内観光地の受け入れ体制の整備を進めていくことが極めて重要なことと考えております。  このため、まずは観光地の地元におきまして、外国人観光客の受け入れ意識を高めていただく必要がありますことから、県の観光連盟におきまして、おもてなし研修を引き続き開催しますとともに、市町や市町観光協会などに対しまして、観光施設や商店等を対象とした研修の開催というものも働きかけまして、外国人観光客の好みやニーズ、おもてなしなどに関する情報を提供してまいりたいと、このように考えております。  さらに、今回のプログラムチャーター便のように事前に県内の宿泊地や立ち寄り観光地がわかる場合には、県から地元市町等へ情報を提供しますとともに、それにより地元での受け入れの準備が十分できるようにしてまいりたいと、このように考えております。  また、外国人観光客によります県内への経済効果を増大させるためには、県内宿泊者を一人でもふやし、さらに県内での滞在時間を延ばして一つでも多くの観光地をめぐってもらい、お土産の一つでも購入し、また食事もとっていただく、こういったことが非常に重要だろうと考えております。  このために、市町、市町観光協会、観光施設などから情報収集を行いまして、また観光客の方々の声を参考にしながら、外国人観光客に好まれます観光資源をピックアップいたしまして、現地旅行会社への売り込みといったことも強化していきたいと、このように考えております。  特に、今後増加する傾向にございます個人旅行客に対しましては、観光情報に加えまして宿泊情報や交通情報、こういったものをきめ細かに提供していく必要があると考えておりまして、韓国や中国などで普及しているネット環境を生かしまして、外国語版のホームページの充実、あるいは人気ブロガーなどを活用いたしましたPRを積極的に実施しまして、一人でも多くの方に佐賀県内を観光し、宿泊してもらえるように努めてまいりたいと考えております。  このような取り組みなどを通じまして、空港部局と一体となりまして、今回のようなプログラムチャーター便の再運航や、他の格安航空会社の誘致につなげていきたいと、このように考えております。  私からは以上でございます。 22 ◎小野交通政策部長 登壇=私からは、県道伊万里有田線の現状と今後の取り組みについて、二点お答えしたいと思います。  まず、現在事業中の箇所の進捗状況と今後の取り組みについてでございます。
     県道伊万里有田線の伊万里市内におきましては、国道二〇二号の交差点を含む約二百メートルの区間について事業を行っております。  この区間におきましては、本年度用地買収が完了しておりまして、今後、早期供用に向けて工事を進めていくこととしております。  それから、伊万里市と有田町の境付近に現在新病院が建設中でございますが、これに関連する必要な道路として約一キロメートル区間を事業を行っております。  この区間につきましては、用地につきましては面積ベースで約九七%の買収が完了しておりまして、今後、平成二十三年十二月予定と聞いております新病院の開院までに供用できるように取り組んでいくこととしております。  続きまして、調査検討中の区間の検討状況と今後の取り組みについてでございます。  まず、伊万里市側の検討区間についてでございますが、松浦鉄道東側の山すそを通るルートや、中腹にございます市道を活用したルートなどが考えられます。しかし、両案とも地すべり地帯を通過するということから、ルート決定をするまでには多くの調査が必要になるものと考えております。  そうしたことから、今後の調査を効率的に進めるために、本年度は航空機によります地形、形状の計測と、今後必要となります調査項目の抽出を行いまして、あわせてそれらの調査の進め方について整理を行っているところでございます。  平成二十三年度からは、この調査の進め方に沿いまして順次調査を進め、できるだけ早い時期にルートが決定できるよう引き続き努めてまいりたいと考えております。  次に、有田町側のルート検討区間についてでございますが、これまでにおおむねのルート案が固まっているところでございまして、現在、地形測量を実施しているところでございます。  この区間におきましては、唐船城公園の区域と重複する箇所がございますので、公園管理者でございます有田町とも調整を行いながら、今後、道路の詳細設計等を実施し、事業化に向けた準備を進めていきたいと考えているところでございます。  以上、お答えいたします。 23 ◎原田寿雄君 登壇=有田焼四百年祭の件ですけれども、本当に知事がおっしゃるように、三百五十年祭と比べても少しスタートがおくれていることは事実でありますが、さまざまな組合といろいろな団体の中で、着実に四百年祭に向けた話は起きております。そこを、実行委員会をつくることによって集約していこうという作業がスタートするということであります。  有田単独だけでは広がりを見せる限界もありますので、知事の先ほどの言葉どおり、ぜひとも県と一体となった取り組みができるようにお願いをしたいと思います。  質問は一点ですけれども、県道伊万里有田線についてであります。  先ほど申し上げましたように、県道沿いに建設中の新統合病院、これは地域の救急医療、これを高度化し、しかも安定的に救急医療を守っていくという、そういう強い思いで二つの公的病院が統合するという、そういう高いハードルを越えて生まれる病院であります。  高齢人口がふえていったり核家族化が進む中にあって、地域の救急医療に対する要求はさらに強くなっていくということは確実であります。伊万里市長や有田町長は、この道を称して「命の道」というふうに呼んでおります。新病院へのアクセス道路の一日も早い全線供用を多くの住民が切望をしております。  現在、有田側は検討作業がかなり進んでいるようであります。早期の事業化を望むところでありますが、伊万里側については、先ほど調査を進めていくということでありましたけれども、とにかく一日でも早い事業化に向けたルートを決定する必要があるというふうに思っております。ルート決定、これを具体的にどういうふうに進めていくのか、目標となる設定する日にちがあるのかどうか、そこをぜひとも再度お聞きしたいと思います。  以上で質問を終わります。 24 ◎小野交通政策部長 登壇=今、伊万里有田線の、伊万里側のルート検討を急いでいただきたいという御質問だったと思います。  伊万里市のルート検討区間につきましては、延長が約四キロほどございます。先ほども申しましたけれども、地すべり地帯を通過するということもございまして、ルートを決定するには、やっぱり多くの調査が必要であるということで、現時点でルートの決定時期等を具体的にお示しすることはちょっとできない状況にございます。  ただ、新病院の関係者を初め、伊万里市なり有田町の皆様方から、この伊万里有田線について早期整備を強く望んでおられるということについては、十分承知をしているところでございます。  そうしたことも踏まえまして、まずはルートをできるだけ早くお示しできるように調査を急いでまいりたいと考えております。  以上、お答えいたします。 25 ◎末安善徳君(拍手)登壇=本会議一般質問の三日目、本日四番目の質問をいたします。県議会では県民ネットワークに所属しています、民主党の末安善徳であります。  この三日間、質問を聞いていました。民主党政権への批判、政策、意見がたくさん出ていました。古川知事の答弁を聞いておりまして、感心して聞いておりました。また、私個人の感想としては、議員同士の意見交換もあってよいのではないかと思って聞いておりました。そしてまた、私自身は政府の二十三年度予算は必ずよいものであろうと確信しております。  例えば、地方重視という観点から、交付税を含んだ地方に来るお金は十六・八兆円とふえることになっています。また、デフレ脱却のための重点的な予算、法人税の下げなどがあります。社会保障費二十八・七兆円、五%増でありますが、こういう予算になっております。  TPPについても一言言わせていただけば、これに参加するかどうかの協議に入るということで、六月までに参加することを決めるのではありません。参加するかどうか、六月に入って協議するということでございます。私としては、米だけは除くべきではないかというふうに思っています。  さて、先日、有明佐賀空港の午前十時の便で東京に行ってまいりました。空港を飛び立ってすぐに有明海が眼下に広がり、そこにはノリ網も見え、はるか右斜め後ろには普賢岳も見えました。少し進むと、久留米市の先に耳納連山の美しい山並みがあり、遠くの山々の頂には白い雪が見え、まさしく天然の絵巻に見入るばかりでした。  何とはなしにふと日本に生まれてよかった、日本人でよかったと思うとともに、この自然を後世に残し、引き継ぐのが私たちの使命であると改めて思ったところであります。  こういう思いを込めながら質問に入ります。  まず初めに、道州制についてお尋ねします。  今の日本を見ますと、さまざまな問題が指摘されながらも、その解決のためのきっかけを見つけることが難しくなっている、そのような閉塞感に覆われていると感じることもあります。  例えば、財政問題をとっても、国と地方の長期債務残高は平成二十三年度末で八百九十二兆円程度に上る見込みであり、この解消のめどは立っていません。  また現在、社会保障と税のあり方について国政で議論がなされていますが、この行方も不透明であり、国民に対して将来の安心を与えるまでには至っておりません。  さらに東京に、政治、行政、経済、社会、文化のありとあらゆる拠点が集中していますが、地震大国日本において首都圏直下型の地震が起きた場合、このままでは日本全体の機能が麻痺してしまうことも懸念されます。  こうした課題は十年も二十年も前から指摘されていますが、一向に解決の糸口が見えてきません。こうした閉塞感を打ち破るためにも、国と地方の政治、行政の制度を抜本的に変えることが必要であり、私はこの問題意識から道州制について積極的に取り組むべきと考えております。  しかし、道州制議論が一筋縄ではいかないことも承知しております。現に市町村合併を経験した市町村においても、経験していない市町村においても、合併に対する評価はさまざまであり、これが道州制議論に影響を与えていることも事実であります。  九州議長会においても、「九州・沖縄未来創造会議」を設置し、議会の立場から九州の将来や道州制に関する議論を深めようと考えていましたが、現実には市町村合併の検証や評価という問題が取り上げられ、思ったより議論を深めることができなかったところであります。  しかし、そのように難しい課題があるからこそ、道州制について政治の責任においてきちんと向き合うことが重要であります。九州がアジアの活力を呼び込み、また、世界に打って出るためにも、九州各県がそれぞれの考え方で対応するのではなく、一定のまとまりをもって対応することが求められています。道州制はその意味でも有効な選択肢と考えています。  道州制に向けて九州全体というのが難しければ、まず、福岡、佐賀、長崎の北部三県が先行して都道府県合併を進めるなど、さまざまな取り組みや検討があっていいと思っています。  ついては、道州制に対する知事の認識を伺います。  次に、交通安全の推進に当たっての決意についてお伺いします。  自分のことで大変恐縮でありますが、私は、一年のうちその半分の百八十日以上は地域の子供たちが安全に安心して登校できるよう、付近の交差点で交通安全の指導や誘導を行っています。けさも行ってまいりました。  子供たちに「おはよう」とあいさつすれば、「おはようございます」とあいさつが返ってまいります。また、「行ってらっしゃい。前をきちんと見て行かんばいかんよ」と声をかけると、「はい、行ってきます」と元気のよい声が返ってまいります。かえって私のほうが活力をもらっています。この活動は、自分ができることをやろうと思って八年近く続けていますが、できるだけ長く取り組んでいきたいと思っています。  また地域では、交通指導員や民生委員の方も子供たちの交通安全指導に取り組んでおられます。このように県内の各地域では悲惨な交通事故を一件でも防ごうと、関係機関や団体はもちろんのこと、一般のボランティアが一緒になって交通安全に取り組まれております。  しかしながら、昨年中の県内の交通事故については、一昨年と比較して事故件数、死者数、負傷者数ともに増加しているということですが、特に死者数については大幅に増加し、その増加率は全国ワーストという大変厳しい結果であったと聞いております。  そうした中で、佐賀県交通安全対策会議では、現在、「第九次佐賀県交通安全計画」を作成しているというふうに聞いております。作成中の交通安全計画については、昨年の交通事故など本県の実態を十分に踏まえて佐賀県交通安全対策会議でしっかりと検討、協議をした上で、悲惨な交通事故が一件でも少なくなるよう、本当に魂の入った生きた計画をつくり上げてもらいたいと思います。  また、私はこれまでに県議会を含め何度となく交通安全に関する質問や署に直接問い合わせをし、警察や行政の取り組みについて確認してまいりましたが、交通安全はもはや警察や行政の取り組みだけでは限界があります。だからこそ我々も交通安全に取り組んでいますが、交通安全計画が絵にかいたもちにならないためにも、交通安全への取り組みは行政や関係機関・団体を含め、一般県民ともしっかりと連携、協働して、一緒になって取り組む必要があり、そうしないと、交通事故は減りません。  ついては、全県民一体となった取り組みが必要と考えますが、本県の交通安全を推進するに当たっての決意を知事に伺います。  次に、交通事故統計に係る不適正事案について伺います。  先ほども申し上げましたが、私は八年近く、地元の県道交差点において、朝の交通立番をしております。一見、平穏そうな地区でありますが、主要国道や県道が東西に走り、朝夕は通勤ラッシュのため交通量が物すごいです。特に朝の時間帯は出勤を急ぐ自動車が子供たちのすぐそばを通過しており、油断すると大きな事故が発生することが大いに危惧されます。  事実、数年前、地元で国道を走っていた自転車の高校生が交通事故に遭い、現在も植物人間状態になっておられることや、昨年、私のよく知る方が、私が交通立番をしている交差点の近くで道路横断中に車にはねられて亡くなっておられます。ほかにもおられます。これらのことから、交通事故の恐ろしさや悲惨さを身をもって感じています。  私は県民の一人として、また地域の一人として、地域の安全・安心を確保するために、交通事故や犯罪被害の防止に少しでも役に立つならという思いで、子供たちが登校する朝はよほどの理由がない限り交通立番を行っています。しかし、私たち県民の力には限界があります。地域の安全・安心を確保するためには、警察との連携協力がなくてはならないのであります。  例えば、一昨年、県民と警察が協力して暴力団事務所のみやき町進出を阻止した例があります。一方、警察にあっても、警察だけの力で交通事故や犯罪を防止できるものではなく、警察が県民の安全・安心を確保するためには、当然、警察活動に対する県民の理解と協力がなくてはならないものと考えています。  一昨年、佐賀県では五十八年ぶりに交通事故死者が三十人台まで減少しましたが、昨年は五十八人と増加したということであり、交通死亡事故の減少傾向を定着させるための道のりはまだ遠いと言えます。交通事故は身近にある大きな危険であることを県民一人一人が心に刻み、安全な行動を心がけることこそが、悲惨な交通事故を減らしていくために大変重要なことであります。そのためには、今後とも警察と県民が協力して、さらなる交通事故防止対策を進めていく必要があります。  そのような中で、もう皆様御存じのとおり、交通事故統計の改ざん問題がありました。これは交通事故防止対策の根幹をなす交通事故統計に対する県民の信頼を、ひいては警察行政全般に対する信頼をも損なうことになった極めて重大かつ憂慮すべき問題であります。  この問題は、警察と協力して交通事故や犯罪被害防止活動に従事している地域のボランティアや、昼夜を分かたず現場で最前線で活動をする警察官へも影響を与えるものであります。そして、この問題の背景には、県警察内の職場環境や意思の疎通の問題があるのではないかと思われます。  警察にあっては、今回の事案を真摯に反省し、みずから再発防止対策を進めて、県民の信頼を回復し、県民全体の願いである交通事故のない社会の実現に向けて、関係機関・団体との連携を強化して、より一層の奮起を期待したいと思っております。  そこで、次の点について伺います。  まず、今回の不適正事案について、どのように考えておられるのか、警察本部長に伺います。  次に、信頼回復に向けた取り組みへの決意についてであります。  失った県民の信頼を取り戻すために、今後どのような覚悟で取り組んでいかれるのか、警察本部長に伺います。  次に、県立病院好生館について伺います。  県立病院は、昨年四月から運営形態を地方独立行政法人に移行しました。この独法化は、病院の運営を県の条例や規則の適用範囲から外し、病院現場の判断で人員の確保や予算の執行など、日常の業務を効率的、機動的に行うことができるようにするものであるとの説明を受けてまいりました。つまるところ、その究極の目的は、良質な医療を提供できる体制の整備を通して、県民に対するサービスを向上させることだったはずであります。  しかしながら、実際のところ、新しい理事長のもと運営されている県立病院好生館の経営方針は、経営至上主義になって、結果的に県民に負担を強いているところがあるのではないかとの懸念を抱いているところであります。  例えば、平成二十二年度は、二十一年度に比べて入院、外来とも患者数が伸びており、収益は大きく伸びる見込みとのことでありますが、独法化した後は、前年度に比べて、なぜこれほどの患者数が伸び、収益が上がるかと思っていましたが、その要因は昨日の伊東猛彦議員への答弁で、この部分はある程度はわかりました。しかし、先ほども申し上げましたように、もうけ主義に陥っているのではないかという危惧は持っております。  また、患者サービスの一環として、入院患者のテレビシステムを導入したといいますが、これに参入した業者は二千万円以上の工事費、設備投資を行っているといいます。業者はこの分を回収する必要があります。結果的に患者の負担がふえることになるのではないでしょうか。  私としては、こうした懸念材料が、結果として独法化の県立病院好生館の評価にクエスチョンマークをつけることになると思います。  そこで、次の点について伺います。  一点目は、独法化の目的についてであります。  県立病院好生館を独法化した目的は何だったのか、改めて明らかにしていただきたい。  二点目は、県立病院の経営方針についてであります。  独法化の本来の目的を達成する上で、独法はどのような経営方針を持っているのか。  三点目は、独法運営に対するチェックについてであります。  これもきのう質問と答弁がありましたが、今後、県は独法の運営をどのようにチェックし、どのように助言を行っていくのか。  以上、三点について健康福祉本部長にお伺いします。  次に、発達障害者の支援について伺います。  発達障害のある子供は、多動であったり、さまざまな不器用な面があるために、変わった子と誤解される場合もあり、家庭や教育現場では大変な苦労をされていると聞いております。  先日、発達障害のある子供の御家族の方から相談を受けました。発達障害の特性に対する周囲の理解や、どこに行けば相談に乗ってくれるのか、あるいはどこでどのような支援が受けられるのかといった、支援や相談に関する情報が十分に周知されていないように感じております。  発達障害については、これまで既存の障害福祉制度の谷間に置かれ、障害に対する気づきや対応がおくれがちであったのですが、平成十七年四月に発達障害者支援法が施行され、障害を早期に発見し、発達支援を行うことに関する国及び地方公共団体の責務が明らかにされるとともに、学校教育においても支援を図ることとされました。  また、昨年十二月には、障害者自立支援法が改正され、障害者の定義に発達障害者を含むことが明確化されましたが、まだ他の障害者と比べて、発達障害者に対する理解や支援体制の周知が十分でないと思います。発達障害も障害の一つとして認識され、早急に必要な支援が受けられるようにすることが重要であると考えます。  まず、健康福祉本部長に伺いますが、一つは、発達障害者支援に対する県の取り組みについてであります。  本県では発達障害の理解や支援のために、どのような取り組みを行ってきたのでしょうか。また、今後、県民への周知を含め、どのように取り組んでいかれるおつもりか。  二点目に、教育委員会における取り組みについてです。  学校教育については、平成十九年四月に施行された改正学校教育法において、障害のある子供の教育は、特殊教育から特別支援教育に改められたところであります。  この改正において発達障害も特別支援教育の対象になりましたが、教育委員会としてどのように取り組んできたのでしょうか。また、今後どのように取り組んでいくのでしょうか。教育長に伺います。  次に、産業人材育成と職業観・勤労観の育成について伺います。  グローバル化や国内市場の縮小化など、経済環境が大きく変化している中で、県内の産業が持続的に発展していくためには、その礎となる産業人材の育成が重要であります。また、我が国は深刻な財政状況にあり、国や県においては、徹底した無駄の排除や二重行政の解消を進め、行政の効率化を図っていくことが求められています。  産業技術学院は県立で唯一の職業能力開発校として、本県産業を支える人材の育成において極めて重要な役割を担っています。しかしながら、現状では訓練生の大半が離転職者で、就職意欲の低い訓練生が散見されるなど、若年技能者の育成という本来の姿にはほど遠い状況にあります。また、国のポリテクセンターとの二重行政と言われても仕方がない実態にあり、私はこれまで県議会の中で何度となく取り上げ、改善を求めてまいりました。  このような中で、県においては今回、産業技術学院の学科再編案を取りまとめられ、平成二十四年度から実施するとの説明があったところであります。  再編案は、訓練対象者を二十代以下の若者に限定して、産業界が求める即戦力の若年技能者を育成することや、ポリテクセンターとの役割分担を明確にするなど、これまで私が主張してまいりました内容に沿ったものとなっており、評価するとともに、産業技術学院の今後の人材育成に期待できるものと考えています。  一方、次代を担う若者がしっかりとした職業観を持ち、やりがいと生きがいを持って仕事に打ち込むことなくして、我が国の成長や社会の安定は図れません。そのために、職業観や勤労観を養うための教育を、義務教育の段階から体系的に施していくことが必要であると考えます。  そこで、次の点について伺います。  まず、産業技術学院の役割についてであります。  産業技術学院は、県内産業界の人材ニーズに即した訓練を実施し、優秀な若年技能者を県内企業に供給していくことこそが本来の果たすべき役割であります。  今回の再編案が確実に実行され、県内企業から信頼されるよう生まれ変わることが必要と考えますが、再編に向けた取り組みについて、知事の決意をお伺いいたします。  次に、職業観、勤労観の育成についてであります。  平成二十三年度から、小学校より順次全面実施される学習指導要領では、「生きる力」を身につけることを目標として掲げています。また、産業人材の育成という観点からも、子供たちの一人一人が確かな職業観、勤労観を持つことが必要と考えます。  ここで一つ紹介します。鳥栖市に更生訓練施設があります。九千部学園ですけど、ここの卒園生を雇用していただいている企業主の方から褒めていただくことがございます。それはまず、朝遅刻しない、早く来て掃除をしてくれる、あいさつをきちんとすることなどです。要するに日常の生活の、朝六時に起きて、顔を洗って、ラジオ体操をして、御飯を食べて実習をする。夜は就寝時間までにきちんと自分のことをやって就寝すると、そういう自分の生活の確立ができているからでございます。  また、別の企業に行きますと、人事担当の部長さんから、やっぱり親からきちんと考えてしていただかないといけないと。朝、平気で遅刻してくると、新規に採用した人が遅刻して、自分の持ち場につけないということも聞いております。
     そこで、職業観、勤労観をはぐくむための取り組みはどうなっているのか。そして、今後どのようにして職業観、勤労観をはぐくんでいくかについて、教育長に伺います。  次に、佐賀商工共済問題についてお伺いします。  平成十五年八月二十七日に、佐賀商工共済協同組合が佐賀地方裁判所に自己破産の申し立てを行い、総額五十九億円もの負債を抱えて突然破産しました。途中経緯をはしょりますけれども、佐賀商工共済協同組合においては、平成三年ごろに有価証券の暴落や共済事業での大量満期到来の影響によって、約七千万円もの損失が発生し、当時の経理担当職員がこれを粉飾経理で隠ぺいし、その後、この粉飾経理が組合内部で発覚したにもかかわらず、粉飾経理が続けられました。  この問題は、組合経営陣の粉飾経理という違法行為があったこともさることながら、県が平成八年八月当時、組合が粉飾経理を続けていたことを知ったにもかかわらず、業務改善命令などを適切に行使しなかった県の責任が厳しく問われたものであり、結果として、県は平成十九年六月二十二日の、いわゆる佐賀商工共済第一陣訴訟の判決を受け入れることによって、県の法的責任を認め、損害賠償等に多額の公費を投入することになりました。  私もかつては県職員でありましたし、そういう責任も感じ、経済産業省等に行って、いろいろ調査をして、これはきちんととらえて真相究明をしなければならないと思い、債権者説明、報告集会などにも参りまして、自分なりに一生懸命取り組んでまいりました。  私たちは、この問題で大きな教訓を得たと考えています。問題は、大事に至る前に危険を察知し手を打つこと、大事に至ってから処理する体質をなくすことであり、ばんそうこうを張って先送りする体質を改善しなければならないということであります。  私は、改めて、佐賀商工共済問題に向き合ったときに、なぜこのようなことが起きたのかを考え、二度とこういう事件を起こしてはいけないという強い意志を県庁組織全体が持たなければいけないと思っています。  そこで、これまでの佐賀商工共済問題に対する県の対応並びにこの教訓をどう生かそうとしているのか、改めて次の点について伺います。  一点目は、佐賀商工共済問題の被害者に対する救済についてであります。  佐賀商工共済の破産により、多くの県民の方が被害を受けられました。まず、これらの被害者の方に対し、これまで県がどのような救済を行ってきたのか、農林水産商工本部長に伺います。  次に二点目は、旧経営陣に対する求償についてであります。  県においては、元組合役員五名に対し、第一陣訴訟判決で県が支払った四億九千万円について求償請求訴訟を提起されていますが、この訴訟の現在の状況はどうなっているのか、農林水産商工本部長に伺います。  続いて三点目は、前知事に対する求償についてであります。  県においては、前知事に対しても、元組合役員五名と同じく、求償請求訴訟を提起されていますが、この訴訟についても現在どのような状況になっているのか、本部長に伺います。  最後に四点目は、商工共済問題で得られた教訓についてであります。  平成八年八月当時に、県は、県民、つまり被害者の側に立った判断、対応ができず、大いに反省すべきでありましたが、商工共済問題への対応について、改めてどこに問題があって、どう整理し、どう今後の教訓としたのか、知事に伺います。  次に、組織運営のあり方について伺います。  今回、佐賀県職員定数条例の一部を改正する条例案が提案されており、知事部局においては、職員定数が三千六百五十人から三千四十人へと六百十人削減されようとしています。これについては、佐賀県行財政改革緊急プログラムにより、平成十六年度から平成二十二年度までの七年間において、目標としていた職員五百人の削減が達成される見込みが立ったためとの説明がなされております。  こうした削減は、総務事務のアウトソーシングや福祉施設の民間移譲によるものなど、業務自体をなくすことによって実現してこられたものと認識しています。  しかしながら、行政改革を急速に進める余り、また、IT化の急速な進歩や新型インフルエンザ対策などのような新たな行政課題への対応など、仕事のやり方そのものが大きく変化していく中で、職員に過度の負担がかかっているのではないか、その一端が職員の健康にも影響を及ぼしているのではないかと考えていますし、また、近年の不祥事、あってはならないことなどを見ていると、職員が孤立し、職場内のコミュニケーションが不足しているのではないかと危惧しているところであります。  論語に、「子路、政を問う。子曰く、これに先んじ、これを労す。益を謂う。曰く、倦むこと無かれ」という言葉があります。これは政治家というものは何よりまず民衆の先頭に立って骨を折らなければならない。そして、彼らをねぎらうことを忘れてはいけない。さらにはそれを飽きることなく続けることが大事だという意味であり、今の県庁の組織運営に通ずるものではないかと考えます。  管理職は、職員の健康状態は大丈夫かとか、職場内で孤立していないかということに目を配ったり、日ごろの業務に労をねぎらうなど、職員を大切にすることを忘れてはならないと考えます。  行政改革を進める中でも、県民サービスをできるだけ落とさず、県民の満足度を上げていくことが求められており、そのためにはまず職員一人一人が生き生きとして、個人のだれがということではなく、グループとして、チームとして、組織全体としての総合力を高め、成果を上げていくという意識が重要と考えています。  そこで、次の点について伺います。  まず一点目に、職員の健康管理についてであります。  精神疾患である心の病による病気休職者は年々増加傾向にあると認識しています。心の病については職員のわずかな変化を見落とさず、できるだけ早期に対応していくことが何よりも重要と考えます。どのような取り組みを行っているのか、経営支援本部長に伺います。  次に二点目は、職員のやる気創出についてであります。  県民サービスを維持向上させていくためには、何より職員同士がコミュニケーションを深め、理解し合い、何事も相談できるような職場づくりが大切と考えています。  そこで、現在、職員のやる気創出のためにどのような取り組みを行っているのか、本部長に伺います。  最後に三点目は、組織運営に対する考え方についてであります。  県という組織が常に最大限の力を発揮し、より質の高い県民サービスを提供するためには、職員一人一人が健康で生き生きと働ける職場であるとともに、職員同士が支え合う職場づくりが何より重要であると考えます。このことについて、組織のトップである知事としてどのように考えておられるのか伺います。  最後に、戦没者名簿の一元化についてであります。  昨年の九月定例県議会において、「戦没者の遺骨収集について」の質問を行いましたが、再質問の途中で時間になってしまいました。再度このことを取り上げたいと思いますが、九月議会の再質問の際に、知事は最後の官選知事となりました沖縄県の島田叡知事、戦前には佐賀県警察部長を務められた方であり、任地の沖縄県に赴く際に、「葉隠」と「西郷南洲遺訓」の二冊を携えて行かれたという記録も残っており、まさに佐賀県とも縁の深い方であると理解しているなどと答弁され、知事の思いが伝わってまいりました。  しかし、葉隠については太平洋戦争に行った兵士の皆さんに、何か潔く命を捨てることが美学というような教育があって、誤った使われ方をしたことが残念であります。  ところで、昨年十二月には、菅直人総理大臣が戦没者遺骨収集現場である硫黄島を訪問され、「御遺骨を御家族の待つ地にお返ししなければならない。これは国の責務である。硫黄島以外の地域でまだ残されている遺骨についても取り組みをしっかり強めたい」と述べられています。  国における戦没者遺骨収集についても、平成二十二年度から予算が増額され、遺骨帰還等事業の推進が図られております。これについてはこの県議会で意見書を採択していただきました。  昨年の九月議会で、塩川正隆さん、NPO法人の代表理事、この方を紹介しました。今、NPO法人の代表理事として、戦没者の遺骨や遺留品を御遺族の方々へ返還するなどの活動に熱心に取り組まれております。  最近、「戦没者追悼と平和の会」には、高齢になった元アメリカ兵が戦地から持ち帰った、お土産とアメリカ兵は言っていたそうですけど、いわゆる戦利品ですね、軍旗、あるいは日本兵の日記、あるいはヘルメットの中の家族の写真とか、子供の写真、白黒の写真を入れていたものをお土産と称してアメリカに持って帰ったと。しかし、そのアメリカ兵が高齢になって、遺留品をその日本兵の遺族に返したいという方がふえているといいます。それで、塩川さんとかのところにそういう話が来たときに国に問い合わせても、国が戦没者名簿を一元化していないため、元の所有者やその遺族の調査がなかなかうまくいっていなくて、お土産といいますか、戦利品が思うように返還できない状況にあります。陸軍のほうがほとんどできていないということでございます。  また、先般新聞に、「戦没者追悼と平和の会」が、軍事郵便の差出人について、厚生労働省に照会した際には、二年がかりの調査後に「該当者なし」と回答されたため、あて先に記載された前橋市の群馬県に問い合わせたところ、その日のうちに差出人の弟がおられるということが判明したという記事が載っておりました。  このように、国への照会では該当者なしと回答されたケースであっても、自治体に問い合わせるとすぐに該当者が判明する場合があるとの報道があっています。私自身の経験からしても、そういうことがあるだろうと推察できます。  そこで、次の点について伺います。  まず、戦没者遺骨収集事業の推進についてであります。  平子健康福祉本部長が戦没者遺骨収集事業の所管庁である厚生労働省に出向かれたと聞いておりますが、どのようなことを話されたのか、どのようなことを感想として持たれたかお伺いします。  次に、戦没者名簿の一元化についてであります。  今後、遺骨や遺留品について、遺族調査や返還等に支障を来さないよう、戦没者名簿は国において一元管理することは必要であると考えますが、県では戦没者名簿の一元化についてどのように考えているのか、本部長に伺います。  以上でございます。ありがとうございました。(拍手) 26 ◎副議長(稲富正敏君) 暫時休憩します。     午後二時五十九分 休憩 平成二十三年二月二十四日(木) 午後三時三十分 開議  出席議員    四十名     一番  向 門 慶 人     一五番  指 山 清 範     三〇番  宮 崎 泰 茂     二番  藤 崎 輝 樹     一六番  峰   達 郎     三一番  武 藤 明 美     三番  徳 光 清 孝     一七番  土 井 敏 行     三二番  牛 嶋 博 明     四番  坂 口 祐 樹     一八番  桃 崎 峰 人     三三番  石 井 秀 夫     五番  宮 原 真 一     一九番  石 倉 秀 郷     三四番  留 守 茂 幸     六番  原 田 寿 雄     二〇番  伊 藤   豊     三五番  篠 塚 周 城     七番  岡 口 重 文     二二番  楢 崎   近     三六番  原 口 義 己     八番  田 崎 信 幸     二三番  岩 田 和 親     三七番  吉 田 欣 也     九番  石 井 久 起     二四番  藤 木 卓一郎     三八番  堀 田 一 治    一〇番  内 川 修 治     二五番  福 島 光 洋     三九番  石 丸   博    一一番  末 安 善 徳     二六番  中 倉 政 義     四〇番  木 原 奉 文    一二番  太 田 記代子     二七番  竹 内 和 教     四一番  伊 東 猛 彦    一三番  大 場 芳 博     二八番  稲 富 正 敏    一四番  古 賀 善 行     二九番  稲 富 康 平 欠席議員    なし 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   古  川     康          副   知   事    坂  井  浩  毅          統 括 本 部 長    城  野  正  則          くらし環境本部長     古  谷     宏          健康福祉本部長      平  子  哲  夫          農林水産商工本部長    飛  石     昇          県土づくり本部長     牟  田     香          経営支援本部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       鵜  池  常  範          交通政策部長       小  野  龍  太          会 計 管 理 者    山  口  和  之          公 安 委 員 長    山  口  久美子          警 察 本 部 長    鈴  木  三  男          教 育 委 員 長    安  永     宏          教   育   長    川  崎  俊  広          人 事 委 員 長    馬  場  昌  平          人事委員会事務局長    宮  地  茂  喜 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       荒  木  義  信          総  務  課  長   岩  瀬  茂  生          議事調査課長       蓮  把  邦  彦          政務調査室長       野  中  博  人          総務課副課長       向  井  久美男          議事調査課副課長     毛  利  明  彦          議事調査課議事担当係長  芦  村  耕  介          同    議事担当主査  石  井  健  一         ○ 開     議 27 ◎議長(留守茂幸君) これより会議を開きます。
     休憩前に引き続き一般質問を行います。  末安善徳君の質問に対する答弁から開始いたします。 28 ◎古川知事 登壇=末安善徳議員の御質問にお答えします。  まず、道州制についてでございます。  これからの日本は、中央政府が外交や安全保障、地球規模の環境問題、こうしたものに特化をして、逆に強化をしていき、地方政府が内政の多くの機能を担っていくということが、国家の発展や成熟期に達した国民生活の向上にとって必要だと考えております。  地方においても、基礎的な自治体が福祉や教育といった、いわば地域のきずなを守る役割を中心に対人サービスを担い、広域自治体は産業、高等教育、社会資本整備など、いわば成長の基盤を生む役割を中心に担っていくなど、中央政府、広域地方政府、基礎地方政府の徹底した役割の分離が必要であり、この役割を担う広域地方政府として道州制は検討に値すると考えております。  しかしながら、道州制といいましても、単なる都道府県合併のようなものから連邦制に近いものまで、さまざまでございます。イメージ自体が固まっておりませんので、まずは道州制とはどのようなものかということを固めていくことが大事だと思っております。  私は、道州制は単なる都道府県合併のような横の再編ではなく、中央政府と地方政府の解体や再編を伴う縦の再編だと認識をしております。佐賀県独自の道州制モデルを提示しまして、それをベースに平成二十年十月に九州地域戦略会議で九州モデルとして取りまとめられたところでございます。  この九州モデルは、いわば試作品でございます。この試作品をもとにこれからも九州地域戦略会議を中心に、このモデルを活用したシンポジウムを開催していくなど、多くの方に考えていただくことが必要であると考えております。  また、国の出先機関の受け皿として、九州広域行政機構の設立を目指しておりますが、九州という単位で行政組織をつくることや九州のことは九州で決めるという考え方は、道州制と広域行政機構で相通ずるものがあると考えております。その意味で、機構が道州制のいわばトレーニングに、道州制議論や関心の誘発になるということはあり得ると考えております。  私は、現在の都道府県制度が未来永劫続く制度だとは考えておりません。国と地方の財政状況、社会保障の立て直し、国民の政府に対する信頼感などを考えますと、政府の規模という点にも着目することが重要でございまして、その意味でも道州制については大いに議論をし、推進すべきであると考えておりまして、今後とも、そのような認識のもと取り組んでまいりたいと存じます。  次に、交通安全の推進に当たっての決意でございます。  現在、県として第八次交通安全計画に基づき対策を推進してきておりますが、残念なことにその中にありましても、県内では昨年中五十八人の方が交通事故により、とうとい命を落とされております。これは一昨年よりも二十一人もふえております。増加率、全国ワーストという極めて残念な結果でございました。  昨年だと思いますが、県庁の県民ホールで命のメッセージ展というものを行いました。そこには、自分で望まずに命を失わざるを得なかった子供たちを含むたくさんの人たちの遺品が飾られておりましたけれども、特に子供の多くは交通事故でございました。「行ってきます」と言ったまま帰らなかった、そういったものを家族の側から見たいろんなメッセージや遺品を見ますと、改めて人生に対して別れを告げるという決意ができないままに、いわば暴力的に命を失われてしまったという、この交通事故の悲惨さ、あわせてこうしたことを起こさないために交通安全というものを推進していくことがいかに必要であるかということを私自身改めて感じたところでございました。  我が県の交通死亡事故をいろんな分類で見てみますと、日常的な生活範囲の身近なところで起こってきているという印象を受けます。まず、全死者の六割が高齢者でございます。そして、歩行中と自転車に乗っておられるときで約七割を占めております。この全死者中で見ても、歩いているとき、または自転車に乗っているときの死者が約半分でございます。そして、自宅近くの道路で亡くなられたというケースが最近特にふえてきております。  こうしたことを考えますと、どこか遠くに行ったときに車同士がぶつかってというのではなく、交通事故というのは自分の身近なところでいつ起きてもおかしくないものだということを多くの県民の方々、とりわけ高齢者や子供さんたちに認識をしていただくことが必要になっていくと思っております。  現在作成中であります、平成二十三年度からスタート予定の第九次交通安全計画におきましては、こうした佐賀県における交通事故の現状というものを踏まえて、さまざまな取り組みを実施していくことにしておりますし、議員にも役割を果たしていただいておりますが、交通安全などを見守るボランティア団体の活動強化や連携、こうしたものを支援していくことが必要だと考えまして、地域見守りコーディネート事業を現在実施しておりますが、こうしたことも引き続き取り組むことといたしております。  交通安全は、議員からも御指摘がありますように、ひとり行政だけがやっておけばいいというものではございません。まさに社会を挙げてやっていく必要があるものだと強く思っております。交通事故、とりわけそれによる死亡というものが少しでも少なくなっていくように、これからも、私自身としても責任を持ってこの交通事故の撲滅に向けて取り組んでまいる所存でございます。  次に、産業人材育成と職業観の質問の中で、産業技術学院の役割についてのお尋ねでございます。  産業技術学院は、これまでの県議会での議論等も踏まえまして、平成二十一年の六月に産業界や学識経験者などで構成します「産業技術学院のあり方検討会」を設置いたしました。そして、昨年の三月に今後の方向性や検討課題についての御提言をいただきました。  県では、あり方検討会で示されました方向性や検討課題を参考として、また、人材ニーズ調査や業界団体からの意見聴取も行いまして、学科再編などの見直しを行うこととしました。  具体的には、「一年間の訓練では基礎的な技術の習得さえ難しい」でありますとか、「即戦力となる若年技能者を養成してほしい」といった産業界の声に対応するために、訓練期間一年の短期課程を廃止することとします。そして、二年間の普通課程に再編をいたします。これに伴いまして、現在の普通課程四科、短期課程四科を普通課程五科に再編をいたします。  また、三十歳以下や三十九歳以下、年齢制限なしなど、学科ごとにまちまちでございました入校資格を二十九歳以下に統一をいたします。  また、ポリテクセンターとの役割分担の明確化を図っていきますために、短期の離転職者訓練については、すべてポリテクセンターに一元化することといたしました。  学科再編については、平成二十四年度から実施することとなりますが、私は今回の再編後の学科が長期間にわたり固定化されることがあってはならないとも考えております。常に産業界のニーズをきちんと把握した上で、就職率などの指標を基準として、どういった職業訓練が求められているのか不断に見直しをしていく必要があると考えております。  産業技術学院は、県内企業が求める優秀な産業人材の育成と輩出のための施設でございます。これからも魅力のある施設として信頼を引き続きかち得ていくよう、機能の充実強化に努めてまいりたいと存じます。  次に、佐賀商工共済問題のうち、商工共済問題で得られた教訓についてのお尋ねでございます。  佐賀商工共済問題は、破産の原因をつくった組合役員が経営者としての責任を問われ、また一方、組合の粉飾経理を知っていた県に対しても監督する行政庁としての責任が問われました。  県では、第一陣訴訟判決、これを受け入れた際に、この商工共済問題を教訓に、学ぶべきことは何かということについて、私から全職員に対しメールを発信いたしました。その中でコンプライアンス、情報公開、県民の立場に立った判断、こうしたものの必要性があること。また、今実際に自分がやっている仕事で、こうした観点に照らして必要なことがあれば直ちに実行するように、そうしたことを職員へ伝えました。  また、この問題におきましては、引き継ぎが十分でなかったということも問題を大きくした原因とされました。そこで、平成十五年度末に事務引き継ぎに関する取扱要領(佐賀県懸案事項整理要領)というものを策定いたしまして、自分の担当がかわるときに次の担当に伝えていかなければならないことは何かということについての徹底を図っているところでございます。  また、第一陣の訴訟判決においては、県の調査報告書そのものについても裁判所から言及がございました。それは、すなわち調査に加わった顧問の公認会計士が、県が行った調査の中立性に疑問を述べていることが示されました。こうしたことから、反省点として、今後同じような調査を行う場合には、中立性に疑問を抱かせるような方法をとるべきではなく、内部の職員は含めずに、調査員全員を外部委員にするなどの改善を図り、例えば、食糧費の調査のときには、そういったことを実行しました。  こうしたことを行っておりまして、この商工共済のような事件が二度と起こっていかないように、そしてまた、県政に対する県民の信頼が得られていくように、今後とも、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  次に、組織運営のあり方についてのお尋ねでございます。  組織は職員一人一人が健康で生き生きと働ける職場でなければならない、また、職員同士が支え合う職場づくりでなければならないという議員の御指摘については、私もそのとおりであると思っております。  最近、コミュニケーションが足りなくなってきているという視点については、これは県庁だけでなく、世の中のあらゆる組織において共通の課題だと思っております。  去年かおととし、「不機嫌な職場」という本が発行されて、随分売れました。私も読みました。これは民間企業の例でございましたけれども、社員の数が減っていく一方で、一人当たりの担任する仕事がふえ、そしてそれをITで処理していくということになっていくがために、まず会話が減り、そして社員そのものが少しいらいらするようになってきている、一見非常に不機嫌な職場のように見える、こうした点についての御本でございました。これは民間企業だけでなく、我々の県庁においても同じような状況というものがあるのではないかということは私も認識しております。  先般、「SMILE(スマイル)プロジェクト」という仕事のやり方の改善についてのプロジェクトを始めたときに、実際にやっているモデル職場の職員のアンケート結果を見たときに、一番多かった答えは、これをやることによって職員同士の会話がふえたという回答でございました。そのように、みんなが忙しくなっているということとあわせて会話が、言葉が減っているということについては、ちょっと語弊があるかもしれませんけれども、雑談でもいいからしていくということをやっていくことが、みんなが安心して働ける職場ということにつながっていくのではないかと私も思っているところでございます。  先日来申し上げておりますように、県として行政改革を進めなければならない、そしてまた、国全体としても公務員の数を減らしていくという大きな流れの中で、ある一定の数の職員削減というものを実行していかなければなりませんでしたけれども、職員の協力、また県民の理解もありまして、これについては既に一定の成果というか、一定の結果を見ております。これからしばらくは、この人数そのものについてはもっと減らしていくという目標を立てずに、まずは我々の仲間でどのようにして県民の満足度を上げていくのかということを考えていきたいと私は考えております。  また一方で、ワーク・ライフ・バランスを強化していくということも働きやすい職場を実現するために必要だと考えております。もちろん時間外の勤務を縮減していかなければなりませんし、また、子育てをする職員を支援していくということもやっていかなければならないと思っております。こうした育児支援などについては、県庁はほかの県内企業ではなかなかできないようなことについても、いわばラビット役になって、先頭に立ってやっていくということも私は求められると考えておりまして、育児休業、部分休業、育児短時間勤務などの子育て支援対策はもちろんのことでございますが、例えば、希望する職員に、休んでいながらも県庁のイントラの環境を使うことができるようにするとか、育休や産休で休んでいる職員に一日出てきていただいて、そこでお互いに同じような状況にある者同士で意見交換をしたり、また、最近の県庁の状況について情報提供していくなどといった、こうした育児や出産をするという職員を支援していくというメッセージを届けることなども私は極めて意味のある重要なことだと考えております。  これからも、職員一人一人が力を発揮できる職場づくりに取り組んでいきたいと思いますし、あわせて職員一人一人も自分たちのこの給料というものは、まさに民の汗、民のあぶらによって成り立っているものでございますので、その県民の期待にしっかりこたえていただくようにしていただきたいと思うものでございます。  私からは以上でございます。 29 ◎平子健康福祉本部長 登壇=私のほうからは、大きく三点お答え申し上げます。  まず初めに、県立病院好生館についてです。  県立病院好生館を独法化した目的につきましては、県立病院好生館が公的医療機関として果たすべき役割を担保しながら、医師不足など医療を取り巻く環境が厳しさを増す中にあって、病院現場に権限を与え、自立的な経営ができるようにし、法令等の制約を最小限にすることにより、人員の採用や配置、予算執行の弾力化など、柔軟で機動的な運営ができるようにすることであります。  したがいまして、そういったことをすることによりまして、より良質な医療を県民に提供する体制が整備されるものと考えております。  続きまして、県立病院の経営方針についてですが、県として独法に指示いたしました中期目標に対して、独法が策定いたしました中期計画が、いわゆる独法の経営方針に当たるものと考えております。  中期計画では、「地方独立行政法人化後も県民のために、佐賀県における中核的医療機関として、他の高度機能病院や地域の医療機関との連携・役割分担のもと、県民に必要とされる良質で高度な医療を着実に提供し続ける」との意思が表明されており、独法が県立病院としてこれまで果たしてきた使命、役割を従来どおり果たしていくことに変わりはございません。  その一方で、今後も引き続き県立病院として、県民が安心して診療を受けられる体制を維持していくためには、病院の安定的な経営の確立が不可欠であります。  そのためには独法の柔軟性、機動性を生かして診療報酬制度の変化に迅速に対応できる人的体制を整え、加算を取得したり、民間的手法を導入して経費の縮減を図るなどして、経営体質の強化を図ることは重要であり、そうした認識のもとに独法においては、現在コストを意識した経営に取り組んでいると考えております。  経営改善を図る目的は、救急医療や高度専門医療、政策医療などの提供を初めとする、県立病院として求められる役割を将来にわたって安定的、継続的に果たしていくことにあります。  また、議員から御指摘いただきましたテレビシステムの件ですが、これは公募発注をされておりますけれども、七年間の継続契約を提示されており、現在の病院では二年間となりますが、移転後の新病院でも五年間契約継続をすることを前提に設備投資を行ってもらっているとのことであります。  テレビについては、確かに利用料金が従前より高くなっているとお聞きしております。以前は一時間五十円ということでしたが、新システムを導入された後は百円に変更されているということです。ただ、以前から充実してほしいとの要望が多く、県内の他の公的医療機関における料金設定と比較しても特に高額なものと言えないこと、また、設備がよくなったことに比例した適正な料金設定の範囲内であると考えております。  続きまして、独法の運営に対するチェックについてですが、独法が行う業務の実施状況については、県が示した中期目標に基づいて、独法が策定いたしました中期計画の実施状況について、県に設置した独立行政法人評価委員会により、毎年度総合的に評価することとなっております。  法律で、この評価の結果は独法に通知するとともに、公表することや議会に御報告することが定められており、また、評価委員会が必要と認めれば、独法に対し業務運営の改善等に関する勧告を行うこともできることとなっております。  一方で、独立行政法人制度の趣旨は、本来、条例、規則等に基づく病院運営への事前関与等をできるだけ少なくし、事業結果に対する事後チェックに重点を移すことによって弾力的、効率的な運営を確保することにあり、通常の業務執行については、独法の自主性、自立性を尊重すべきであると考えております。  県は、中期目標において「患者、家族、医療人誰からも信頼され、人が集まる病院を目指していく」ことや、「県立病院として担うべき医療の提供及び医療水準の向上」とあわせ、「社会的責任の遂行」などについても独法に求めており、評価委員会による評価を通して、こうした点についてもチェックを行ってまいりたいと考えております。  続きまして、発達障害者の支援についてのうち、発達障害者支援に対する県の取り組みについてお答え申し上げます。  本県では、平成十五年度に支援拠点として佐賀県発達障害者支援センター「結」を鳥栖市に設置し、発達障害に関する相談や検査、療育などの支援を行うとともに、県内五保健福祉圏域ごとに専門相談窓口を設置し、各地域における発達障害に関する相談支援に努めてまいりました。  具体的な支援策としては、乳幼児期においては、平成十七年度から市町の乳幼児健診の際にスクリーニングを開始し、発達障害児の早期発見に努めるとともに、発達障害の疑いのある児童の親に対するカウンセリング──これは「すくすく相談会」と呼んでいます。──や、発達障害児やその疑いのある児童に対する療育指導教室のわくわくキッズを実施しております。  また、学齢期においては、小中学校での支援が困難な児童に対し、教育委員会との緊密な連携による「フリースクールSAGA」の佐賀総合庁舎への設置、成人期においては、就労支援、生活支援のための「チャレンジド・ワークステーション」の県庁舎内への開設などに取り組み、各ライフステージに応じた支援体制の整備に努めてきたところであります。  今後とも、教育委員会とも連携しながら、高校生等を対象とした障害者理解に関する「課外授業─みんなちがって みんないい─」の場で、発達障害に関する項目をふやしたり、療育機関の職員や保護者だけでなく、一般県民を対象とした発達障害に関する講演会の開催などを通じて発達障害の理解を進め、あわせて市町の総合相談窓口との連携による相談機能の強化や、療育支援に当たる人材の育成など、各種支援策の充実を図りながら、支援を必要としている方々に必要な情報がきちんと届くよう普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、戦没者名簿の一元化についてお答え申し上げます。  まず、戦没者遺骨収集事業の推進についてですが、昨年十月二十七日に厚生労働省の担当部署を訪問いたしまして、本県議会での一般質問及び平成二十一年十二月に県議会から御提出いただきました「戦没者の早期調査・収容を求める意見書」について、その経緯と内容を説明したところであります。  また、平成二十一年に県内のNPO法人「戦没者追悼と平和の会」から本県に提供されましたアメリカ国立公文書館保管の「日本兵捕虜死亡者リスト」に記載されている五千九百七十八人について、本県保管の「戦没者台帳」、「死亡公報」などの約三万四千人との照合調査を実施したところ、氏名や死亡日が一致するものがありました。  その内訳は、氏名、死亡日、死亡場所のすべてが一致したものが十人、氏名、死亡場所のみが一致したものが四十六人、氏名のみが一致したものが二百二十一人、合計二百七十七人となっております。  このため、厚生労働省を訪問した際に、照合調査の結果をもとに、戦没者の遺骨の収集及び送還状況について記録の確認を依頼したところであります。現在、厚生労働省においてその確認作業が行われております。  続きまして、戦没者名簿の一元化についてですが、戦友の方々やNPO法人などから戦没者の御遺骨や遺留品に関する情報提供、調査依頼などは厚生労働省が受付窓口となっております。  戦没者の御遺骨や遺留品に関する情報提供などを受けた厚生労働省では、まず保管資料により身元調査等を行い、該当見込み者を抽出後、関係都道府県に戦没者の確認や遺族調査の依頼等を行っておられます。  県では、国からの依頼により、戦没者の確認や関係遺族の調査業務及び身元の判明した御遺骨や遺留品を御遺族のもとに伝達する業務を担っています。  戦没者名簿の一元化については、国によれば、各都道府県が保管している戦没者情報は、データベース化の有無や内容、管理形態などがおのおので異なっており、これらの戦没者情報を国が取りまとめ一元化するには膨大な予算と作業が予想されるなどの課題があるとお聞きしております。  しかしながら、戦没者の御遺骨や遺留品の返還については、国の責務として国が全力を挙げて取り組むべきことであり、御遺族の方々が高齢化していることから、可能な限り早期に返還されることが重要と考えております。  県といたしましても、国やNPO法人等から有力な情報が寄せられた場合には、本県保管の戦没者名簿と照合調査を行うことで県内戦没者の御遺骨等が早期に返還されることも期待されることから、今後とも、県としてできることを通じてその役割を果たしてまいりたいと考えております。  私のほうからは以上です。 30 ◎飛石農林水産商工本部長 登壇=私のほうからは佐賀商工共済問題について、三点お答えさせていただきます。  まず、被害者の方々に対し、どのような救済を行ってきたのかという点でございます。  佐賀商工共済の破産によりまして、約三千七百名という多くの方が被害を受けられ、このうち四百一名の方から県及び元組合役員に対して、損害賠償を求める訴訟が提起されました。  県としては、粉飾経理を行っていた組合に対して、監督権限を行使しなかった当時の県の対応に問題はあったものの、法律上の責任があったとまでは言えないと考え、第一陣、第二陣訴訟の中で、その旨の主張を行ったところでございますが、平成十九年六月二十二日に言い渡された第一陣訴訟の判決は、県の主張が退けられたものとなりました。  県の法的責任を認める判断が示されたこと自体、県として重く受けとめなければならないと考え、司法の判断を尊重し、早期の問題解決と被害者救済を行うという観点から判決を受け入れることとし、第二陣訴訟につきましても、第一陣訴訟判決に沿った内容の和解を行いました。  その結果、訴訟を提起した被害者四百一名に対しましては、平成二十年八月二十二日までに総額約十一億四千万円の損害賠償金等を支払いました。  また、被害者全体の約九割を占めます訴訟を提起されていない被害者の方々に対しましても、県として何らかの救済策を講じることが必要であるという考え方のもと、外部有識者によります第三者委員会を設置いたしまして、救済のあり方について検討を行いました。  この委員会では、第一陣訴訟の判決で、県の責任と認定された額の四分の一を支払い額の基準とされたところでございまして、これによれば、組合破産によります配当金とあわせて、被害額に対する回復率がおおむね五割程度になることから、この基準に基づき、訴訟を提起されていない被害者の方々に対しまして給付金の支給を行うことといたしました。  この給付金につきましては、平成二十年十月七日から平成二十一年十月六日までの一年間に二千二百二十名の方から申請がございまして、総額約三億五千万円の支給を行ったところでございます。  以上により、商工共済の被害者救済といたしましては、被害者の方二千六百二十一名に対しまして、総額約十四億九千万円の支払いを行ったところでございます。  次に、旧経営陣に対する求償請求訴訟の状況でございます。  県といたしましては、組合破綻の原因そのものは、組合の経営者にあると考えておりまして、元組合役員五名に対しまして、県がこれまでに支払った訴訟に基づく損害賠償金及び和解金の総額約十一億四千万円の請求文書を発出いたしまして、そのうち、第一陣訴訟の一審判決に基づき支払った約四億九千万円につきまして、求償請求訴訟を提起したところでございます。  この結果、旧経営陣のうち、訴訟で争わなかった元理事長一名及び元副理事長に対しては、平成二十年三月七日に両名が連帯して約四億九千万円を支払うこととする内容の分離判決が言い渡され、この判決が確定したことから、県は両名に対して回収に努めているところでございます。  また、元副理事長が所有する土地建物につきまして、商工共済の被害者の方が強制競売を申し立てたことから、県といたしましても当該分離判決に基づき、配当要求を行い、平成二十年十一月二十日に佐賀地方裁判所から配当表が示されました。  しかし、競売申し立てを行った被害者の方が県への配当を不服とし、県を相手取り、平成二十年十一月二十七日に配当異議訴訟が提起され、昨年八月二十七日に佐賀地方裁判所におきまして、県への配当額が減額される判決が言い渡されました。  県は、この判決を不服として、平成二十二年九月十日に控訴したところでございまして、県としては少しでも多くの回収が図られるよう、高裁において主張すべきを主張しているところでございます。  その他の元組合役員三名との間では、県から元組合役員に対する求償請求が認められるか否かについて、現在も地裁で訴訟が継続中でございます。  次に、前知事に対する求償請求訴訟の状況でございます。  前知事への求償につきましては、前知事の責任を問う県民の声や県議会での決議を踏まえまして、改めて虚心坦懐に判断することとし、平成十九年八月に求償の可否について、行政法、国家賠償法の二人の専門家に意見を求めました。そのうちのお一人から、重過失があったと認定されてもやむを得ないとの意見をいただいたことから、公費による負担をできる限り抑えるためにも、求償できる可能性があるのであれば求償すべきと判断するに至ったところでございます。  平成二十年八月二十七日に、前知事に対し国家賠償法に基づく求償請求訴訟を提起し、昨年七月十六日に佐賀地方裁判所におきまして、前知事の重過失を認め、約四億九千万円の賠償金の支払いを命じる判決が言い渡されたものでございます。  前知事側は、この判決を不服として控訴したため、現在、福岡高裁で係争中でございます。  これまで県は、国家賠償法一条第二項に基づき、求償ができるか、前知事が業務改善命令などの監督権限を行使しなかったことについて、故意または重過失が認められるかの二点を主な争点として口頭弁論が二回行われたところでございます。  私からは以上でございます。 31 ◎黒岩経営支援本部長 登壇=私のほうからは組織運営のあり方について、二点お答えいたします。  まず、職員の健康管理についてお答えいたします。  心の病につきましては、一般的に仕事や家庭など、個々の複雑な事情もあり、原因を特定することは難しいところがございますが、全国的に心の病にかかる人がふえてきており、佐賀県庁におきましても、近年、心の病で休職する職員が増加傾向にあるところでございます。  議員御指摘のように、心の病は早期に発見し、早期に対応することが重要であると考えておりまして、本県では各所属におきまして、日ごろから上司が部下に声かけを行い、気軽に相談できるような環境づくりを目指すとともに、精神科医による健康相談や長時間勤務者の面接指導、ストレスチェックシートによる自己診断などを行っているところでございます。
     また、所属長などを対象に、メンタルヘルスに関する正しい知識や精神疾患を患った職員への具体的な対応方法など、わかりやすく事例を交えた研修を行い、心の病への対応の仕方を高める取り組みも行っているところでございます。  県民サービスを担うのは、職員一人一人であり、心の健康を含む職員の健康管理については、今後もしっかりと取り組んでいきたいと考えております。  次に、職員のやる気創出についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、職場内でのコミュニケーションが円滑にでき、職員がやる気を持って生き生きと仕事ができる、そういった職場づくりが何より大切と考えています。  このため、コミュニケーション能力の向上や、やる気創出の取り組みとして、これまで上司と職員が一対一で面接する育成面談の実施や、意見を出しやすい職場づくりを学ぶ所属長研修などを実施してきたところでございます。  今年度は、これまでの育成面談やコミュニケーション能力向上等の研修会に加えまして、新たに、例えば、ベストセラーとなりました「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者の坂本光司氏や、世界で初めてサンゴの養殖に成功した金城浩二氏などを直接お呼びいたしまして話を伺うといった職員のやる気が出てくるような研修会を実施しているところでございます。  また、昨年度から取り組んでおります「SMILE(スマイル)プロジェクト」、これは職員がみずからの業務について、質の向上や効率化などの業務改善に取り組んでいるものですが、先ほど知事も答弁の中で触れられましたが、職場で議論や意見交換を行いながら進めていく、その過程の中で職場単位でのコミュニケーションの活性化にもつながっているといったことが出てきております。  そういったことから、今年度は業務改善という観点だけでなく、何でも話ができる、働きやすい職場風土、組織風土づくりの面も意識して、今、この「SMILE(スマイル)プロジェクト」に全所属で取り組んでいるところでございます。  今後とも、こうした取り組みを重ねながら、風通しのよい、生き生きした職場づくりを目指していきたいと思っております。  以上、お答えいたします。 32 ◎川崎教育長 登壇=発達障害者の支援についてのうち、県教育委員会におけます取り組みについてお答えをいたします。  発達障害児につきましては、御指摘がありましたように平成十九年四月に施行されました学校教育法の一部改正によりまして、小中学校等におけます支援が法律的に位置づけられましたが、私ども佐賀県では、発達障害児への支援を喫緊の課題としてとらえておりました。  そういったことで、法改正に先立ちまして、平成十六年度から、教職員の専門性向上のための研修や、専門家の小中学校等への派遣に取り組んできました。  そして、平成二十年四月には、佐賀県特別支援教育推進プランを策定し、以降、このプランに基づきまして支援の充実を図っているところでございます。  この間、発達障害児を対象といたしました個別の指導を行う通級指導教室の設置数は、平成十八年度の四教室から平成二十二年度には二十八教室へと大きく増加しております。  発達障害児につきましては、早期発見、早期支援が大切でありますことから、幼稚園や保育所への支援を強化いたしまして、就学前から高等学校まで支援を継続していくことが重要であると考えております。このため、幼稚園を含みますすべての学校におきまして、すべての発達障害児を対象に個別の教育支援計画を策定し、継続的支援ができる体制づくりを進めております。  また、こうした取り組みを推進していく上で、保護者の理解が不可欠でありますことから、理解促進のための啓発を行いますとともに、相談体制の充実に努めております。このほか、教員の専門性の向上を図るため、発達障害児の支援に関する研修の充実に努めております。  いずれにいたしましても、発達障害児への支援に当たりましては、特別支援学校や医療、福祉などの関係機関との連携協力が何よりも重要であると考えられます。これら関係機関と協働しながら、発達障害児の自立と社会参加に向けて、しっかりと支援してまいる所存でございます。  次に、産業人材育成と職業観・勤労観の育成についてのうち、職業観、勤労観の育成についてお答えをいたします。  去る一月三十一日に中央教育審議会が出しました「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」の答申の中で、若者の現状について触れております。それは、「『学校から社会・職業への移行』が円滑に行われていない。」、「『社会的・職業的自立』に向けて様々な課題が見られる。」、このように指摘した上で、「若者個人のみの問題ではなく、社会を構成する各界が互いに役割を認識し、一体となり対応することが必要。」といたしております。また、「その中で、学校教育は、重要な役割を果たすものであり、キャリア教育・職業教育を充実していかなければならない。」とうたっているところでございます。  現在、学校におきましては、学習指導要領に基づきまして、児童生徒一人一人の発達段階に応じて、社会的、職業的自立に必要な基盤となります能力や態度を養成しますとともに、こうした能力と態度の育成を通じて、職業観、勤労観を形成し確立させる教育に取り組んでおるところでございます。  中学校段階では、実際の職場で働くことで、職業や仕事を体験したり、働く人と接したりする職場体験を実施することで、働くことの意識づけを行っております。  また、高等学校段階では、各教科・科目の学習を将来の生活と結びつけたり、インターンシップ──職業体験を通じて、社会や職業を理解させる取り組みを行っております。  とりわけ、就職を間近に控えました高校三年生に対しましては、企業の採用担当者や卒業生などを学校に招きまして、企業が求める人材がどういうものであるのか、働く上でどのような姿勢、心構えが必要であるのかなどにつきまして、学ぶ機会を設けておるところでございます。  今回、新しく中央教育審議会の答申があったことから、改めて現在の取り組みを点検、検証し、児童生徒の一人一人が確かな職業観、勤労観を持ち、しっかりと社会的、職業的自立ができますよう、キャリア教育、職業教育に努めてまいる所存でございます。 33 ◎鈴木警察本部長 登壇=交通事故統計に係る不適正事案についてお答えをいたします。  初めに、不適正事案に対する認識についてであります。  今回の不適正事案につきましては、県民の交通事故統計に対する信頼のみならず、警察行政全般に対する信頼を損なうものであり、改めて深くおわびを申し上げます。  私としても重く受けとめているところでありますが、これまでも答弁申し上げましたとおり、今回の事案につきましては、まず、交通事故統計は、交通安全対策の指標として用いられるなど、県民に重要な意義を有しているものでありますが、その重要性に対する認識の不足という問題があったと考えております。  そして、今回の事案につきましては、幹部が不適切な判断、指示をしたことによるものであり、幹部としてのあり方に問題があり、また、現場の意見が反映されなかったといった組織内での意思疎通の問題、これはすなわち組織のあり方の問題でありますけれども、そういう問題があったというふうに考えております。  幹部には幹部としての見識と判断力、指導力が求められますが、このことを自覚して、みずから研さんに努めるとともに、そのあり方を自省自戒していかなければ、独善に陥るおそれがあると考えているところであります。  また、警察は治安維持の任に当たる法執行機関として、事案に対処するときには、厳正な規律と高い士気を持って、組織的な統制のもとに活動しなければならないという側面を持っておりますし、現下のように変化が激しい時代には、トップダウンで物事を進めていくことも、ある面では重要であると考えております。しかしながら、組織内部で意思の疎通を欠くようなことや、意見が言えない、また意見を聞かないというようなことがあるとすれば、士気の低下を招き、組織運営は停滞することとなりますし、適切でない結果を生じさせることにもなりかねないと考えております。  このようなことから考えますと、今回の事案につきましては、幹部としてのあり方に問題があり、また、組織内部の意思疎通が十分でなかったと認識をしているところであり、これらのことを真摯に反省して、今後再発防止を図り、県民のために諸活動を推進して、信頼回復に努めなければならないと考えております。  次に、信頼回復に向けた取り組みへの決意についてであります。  社会の安全・安心を支える警察活動には、何よりも県民の方々の理解と信頼が必要不可欠であると考えております。  すべての警察職員が、とりわけ私を含めまして幹部が、県民のために、その安全・安心を確保するという警察に求められている責務を改めてしっかりと胸に刻み、県民の期待にこたえていくことが重要であると考えております。そして、そのためには一人一人が職責を自覚して、そこから生まれる緊張感を持ちながら、真摯に職務に当たる必要があるというふうに考えております。  一たび損なわれました信頼を回復することは、容易なことではないと承知をいたしておりますけれども、今後、私自身を含めまして幹部それぞれが、みずからの幹部としてのあり方を省み、見識、資質の向上に努め、業務の進め方や、部下職員との関係のあり方をも考えながら、率先垂範してこの困難を克服し、再発防止策に魂を入れるとともに、県民の信頼回復に向けて、最大限の努力を傾注していく決意でございます。 34 ◎末安善徳君(拍手)登壇=再質問をさせていただきます。  先ほど、一番大事なことを忘れて言い損なったような気がいたしますので申し上げます。  最後の質問の、戦没者名簿の一元化についてでありますが、その中でるる申し上げましたけれども、私が入手しました資料ですが、あの太平洋戦争の末期、硫黄島とかで多くのアメリカ人がお土産、形見を家に持って帰ったと。これは硫黄島だけではなくて、どんな戦争の部隊でもありふれたことだったと。一度虐殺が終われば、勝った兵士は敵の体から遺留品を取って、特に貴重なのは、日本兵の腰に巻きつけられた軍旗だったと。日本人兵士の日記、給与支給帳、そして幾つかの白黒写真を持ち去ったと。日本人が、アメリカ人もするように、彼らの妻や子供たちの写真をヘルメットにしのばせたことなどです。それは戦争だった。そして、戦争の中でも、だれでもがそれをお土産と主張して持って帰ったということでございます。  そこで、こういう状況を踏まえ、海外や硫黄島などで収集された戦没者の遺骨や遺留品を早期に、かつ確実に御遺族のもとへ返還するためには、国において戦没者名簿の一元化をすることは不可欠であると考えます。国が徴兵して、国のために戦地に赴き亡くなられたのですから、国はこれらの遺族に対し最善を尽くすことが必要であると考えますので、この一元化について、どうぞよろしくお願いいたします。  それから、平子健康福祉本部長に再度質問ですが、テレビですね。七年でペイするということですが、入院しておられる患者さんに七年間だけ負担をさせることと思いますけれども、先ほどの答弁を聞きましたら、五十円を百円にするということですが、どこでもあっているということで、比較して決して高いものじゃないということですけど、新館になってから、その工事をしてもよかったのではないかと私は思っております。  何で今、もう一年か二年かしかない旧館の今の県病院に、これをしなければならなかったのかという疑念を持っておりますので、再度、これはお尋ねです。答弁をお願いいたします。  私、最後ですけれども、県議会関係の方々、執行部、議員の皆様の御苦労に対して敬意を表しまして、皆様の御活躍、御健康を祈念いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)(「戦争の教訓を生かしたら、プルサーマルは再開しないでください。犠牲者が出ます」と呼ぶ者あり) 35 ◎平子健康福祉本部長 登壇=テレビシステムについて再質問がございましたのでお答え申し上げます。  ここで問題の補足をいたしますと、これまでの問題点というのが、今ついているテレビは、各階のデイルームに一台設置しておりますが、なかなか体調がすぐれない方はデイルームまで行って見られないとか、あるいは十インチまでのテレビの持ち込みは可としているようですけれども、各病室にはテレビの受信設備がなく、別途アンテナを設置してからでないとテレビを見ることができないなど、多くの方々から、こういった施設について充実をしてほしいという要望が多かったということでもあり、また、他の公的病院や国立病院、大学病院と比較しても、同規模のものであれば、こうした設備というのが充実されておりまして、療養環境の充実には、好生館のような高度医療機関にとっては、既に必要不可欠な状況になっていると考えられることから、こういったテレビシステムについて、新病院の移転の前であったとしても、なるべく早く要望にこたえられるようにということで導入されたということでございます。  私のほうからは以上でございます。 36 ◎原口義己君(拍手)登壇=(「最後だ、頑張れ」「余り頑張らんでよかばい」と呼ぶ者あり)平成二十三年度当初予算を審議する二月定例県議会も一般質問最後の場になりました。その最後も、私にとっては格別のものがあります。  と申しますのも、私は、実は二十三歳で社会人になりました。その二十三歳で社会人になったときに、最初に入ったのは自由民主党本部の職員でありました。国会対策委員会、政調会等の職員として二年足らず働き、党佐賀県連本部の駐在員として帰ってまいりました。駐在員というのは、当時オルグでございました。  そして、代議士の秘書を経て、県会議員に当選させていただきまして、今日まで皆さん方の御支援と御交誼を仰ぎながらやってまいりまして二十八年でございます。気がつきましたら古希を迎えておりました。ですから、私は今回をもって、この政治の表舞台から退くことを決意いたしております。そういう意味では、本当に私の最後の舞台ということで、お疲れでしょうが、少々時間をいただき、皆さん方にお耳を傾けていただきますことをお願いいたしまして、まず質問に入らせていただきたいと思います。  通告どおりにはいたしませんので、あしからず。(笑声)順番ですよ。  まず、子ども・子育て新システムについての質問をさせていただきたいと思う次第であります。  実は、民主党の政権になりまして、昨年六月二十九日に政府において少子化社会対策会議というのが行われました。そして、新システムの基本制度要綱なるものが決定されまして、菅政権は、これを平成二十五年度から導入することとされておられますが、このことは児童福祉法第二条及び第二十四条に定められている、国や市町村による保育の実施が明確に義務づけられているのに、その根底から大きく覆すことをやろうとしているのではないかということであります。  つまり、市町村の保育義務をなくして、保育園入所を保護者と保育所との公的契約にすることは、保護者の自己責任となり、保護者は市町村に認定された範囲内で利用し、これを超えた利用については利用者の応益負担となり、保護者の負担は増大していくことになるのは明らかであります。  保育料は現在、保護者の所得に応じて段階的に定められており、経済的な弱者に温かい配慮がある。しかし、新システムが採用されるとなると、それが崩れて、経済的に恵まれない家庭の中には保育所に入れないところが出現し、経済的弱者の子供は排除されるのではないかと心配される家庭が出てくることは、断じて許されるものではありませんし、そのような意味において、子育てのための生きた政策とは決して言えないことを強く申し上げておきたいと思うのです。  そういう中で、知事、子ども手当、民主党のマニフェストに書いてありますとおりですが、昨年は一万三千円でしたが、いよいよ平成二十三年度から、昨年の一万三千円から二十三年度には一万六千円と二万円の二段階に分けて引き上げるという政府に対して、改革派知事の筆頭の一人として名前が挙がる古川知事、これだけは先頭に立って、地方分権推進とともに反対してほしいことを強く、政府に対してですよ、反対してもいいから、強く申し上げていただきたいと思うのであります。  もちろん、大都会では特に、本県でも大して変わりませんが、大体待機児童はそんなに問題ありません。しかし、少子化で幼稚園入園者は減少して定員割れする中で、保育所の待機児童が増加するという不均衡を、こども園として一体化し是正する、それによって待機児童を減らしていくという趣旨はよく理解するものでありますが、今回施行されようとしている新システムは、保育所への民間企業を含む多様な事業主体の参入を促進し、保育の産業化を招くことになるという傾向が既にあらわれていることを懸念し、保育内容の質の低下を招くと言わざるを得ないのであるからであります。  その意味で、保育所のつくっている保育推進連盟という政治結社があります。私は、その保育推進連盟の発足当初からかかわってまいりました一人であります。しかし、この議場で、三十年近くありましたが、私がこういう立場で保育所を保護するような、弁護するような発言はきょうまで一回もしてまいりませんでしたが、もうここに至っては発言せざるを得ないということなんであります。  なぜなら、昨年から民主党政権になって、子ども手当の議案が本会議に付託されましたね。私たちは、もっと効果的な、保育所の整備や子供の学校給食の無料化、あるいは材料費の補てんなどをする、生きた子育てに対する国民の税金投入であることを、国民は既にそのとき発表されていたようであります。  また、そうわかっていたから、私たちもそれには反対したかったんであります。しかし、最大会派の自民党は、ここで四分の三を持っているわけですから、反対いたしますと、やはり佐賀県内には子ども手当が欲しいという方々もいらっしゃるわけですから、その方に支給できない事態を招来することを考えれば、賛成という立場に立たざるを得なかったんであります。  ですから、今、私たちは、国会であれだけ対立している野党の側にありながら、地方の二元制民主政治の中において、地方議会は、やっぱり知事が提案されれば賛成せざるを得ないのが実態ではないですか。そういうことを強く申し上げる。  だから私は、今まで保育園、こども園の問題があったときにも、財源不足の折でありますから、いかにして最少の金で最大の効果を上げるかということでは、こども園に対しては一切の発言も異論も唱えてまいりませんでした。しかし、やっぱり知事はそういう姿勢でございましたから、本県では十万人当たりで全国二位という認定こども園の設置数になりましたよ。しかし、そのことについては、私は一切触れませんでしたことを重ねて申し上げます。  だが、今回のシステム施行については、政府は今、通常国会に三月に上程すると明言されておりながら、またしても、延び菅と言われるように延ばす、先送り菅と言われるように延ばされてきちゃった。この時期に、児童福祉法第二条、第二十四条により保育に欠ける子を国及び市町村の保育の実施が義務づけられる制度の実施を強く望み、公的責任の後退は決してさせない。その上で無駄な財政をなくす子育てを推進されることを、知事に対して、これからの姿勢について、どのように取り組んでいただけるのか、特にお尋ねし、提言するものであります。  ちょうど、この原稿を書いているときに、二月十九日の土曜日の佐賀新聞の──記事を読んで質問するのは国会では一番愚かな質問だと言われておりますから、このことについて言いませんが、実は論説の中に、「公的責任後退させるな 子ども・子育て新システム」という佐賀新聞の論説に書かれたんです。このことをひとつ世論はどう考えているか。論説者がここまで書いてくださったことですから、特にこのことだけは強く知事にお願いし、提言させていただきたいと思います。  二つ目、昨年十一月、この県議会において提案され、地方自治法施行六十周年記念貨幣の発行に伴い、佐賀県は大隈重信さんの記念硬貨が発行されましたね。その地方自治法施行六十周年記念貨幣の発行に伴う地方分権振興交付金というのが佐賀県に参った。それを活用した佐賀県海外使節団派遣事業について、私は、知事のこの英断に大変敬意を表するものであります。  恐らく、この交付金を活用して、こんな政策をしたのは、実施されるのは、四十七都道府県で佐賀県だけだと私は思っております。さすがは改革派知事だと、この先駆的な事業を、全国でただ一県だけ実施されるだろうことに、もろ手を挙げて賛成し、選ばれて間もなく出発するであろう高校生や大学生の使節団の将来に大変頼もしく期待し、送り出していただきたいと思うものであります。  しかし、この事業は今回の一回だけということでありますけれども、こういうことこそ、次の時代のために、せめて十年と言いたいところでありますが、知事の任期はあと四年でありますから、当選されてもね。(笑声)十年続けてほしいところですが、四年後のことまで言えといったって無理でしょうから、せめてあなたの、三期目当選されるであろうことは間違いないと信じておりますから、共産党だけしか出ませんから。十年続けてほしいということですが、せめて四年でもこのことを続けてほしいということが私の今回の質問の大きな趣旨であります。  なぜなら、今、中国、韓国、インド、香港などの東アジアの若い人たちが倍々ゲームのごとく、アメリカを初め、欧州や日本などにも若い人たちが海外に留学し、研修、研究するために行っている人たちがふえていると言っても言い過ぎでないこのときに、何と日本の若者は逆に半減しているということであります。  一つ例を挙げてみましょう。調べました。アメリカのハーバード大学では、日本の留学生は、一九九九年には百五十一人を数えておったそうです。しかし、現在ではハーバード大学にわずか五人しか在籍していない。また、二〇一〇年秋時点で、アメリカ全体に留学している日本人留学生の数は二万四千人で、対前年比マイナス三五%と大きく減少して、ピーク時の四万七千人と比べると半減した計算となっております。また、海外で研修している日本の大学・研究機関のスタッフも三千七百三十九人で、二〇〇〇年のピーク時の七千三百七十四人からほぼ半減しているということであります。  このことについて、二〇一〇年、昨年ノーベル化学賞を受賞された根岸英一さん、自分の出た小学校や中学校、神奈川の湘南高校を回りながら、根岸さんは日本の若者が海外に飛び出す勇気を失えば、研究水準が下降するばかりか、技術主導の日本製造業にとっても大きなリスクになると懸念を表明されております。それが今、日本の大きな社会問題として、政府も取り組む状況になっている。それは、根岸ノーベル化学賞受賞者が、日本の科学力が二流になると危機感をあらわしたことがその発端となったようであります。  やはり、そういうきっかけをつくる人間を佐賀から生み出していくことになり、知事、あなたの後々まで語り継がれる、この先見的事業は、歴史に残るものだと信じます。それは、ソフトの未来、夢のかけ橋、百年かかる人材を今から育てることは、道路の橋をかけるインフラ整備と一緒だと私は思います。ハードな面じゃないけれども、これほど意義あるものはないと信じるからであります。  なぜ私がこのようなことを申し上げるかというと、昭和三十四年、今上陛下の、皇太子殿下の御成婚が成りました。その御成婚記念事業として、当時としては海外へ青年等が出かけていくことは考えられもしない、とても青年の力で行くなどということはできなかった。そのときに、時の総理大臣岸信介さんが日本の将来を考え、感受性の高いときがいいということで、二十五歳以下の青年を海外に派遣する事業を思い立たれ、全国から百名選んで、公式旅券を発行していただいて、そのもとに日本青年海外派遣事業ということで創設されました。  その第七回の昭和四十年に、私は佐賀県代表として幸いにも選ばれました。二十五歳でした。  そのとき、私たちは御殿場の国立青年の家で十日間にわたる研修を受け、約三カ月余りにわたって海外への初めての旅をさせていただきました。そのときの感動は、今もって一番印象に残る、私にとっては大きな学びと知識を与えるものでした。それ以来、私は幸いにも、六十カ国を超える海外へ出かける機会を得ましたが、一番の思い出は、古希を迎えた今なお、第一回目の旅のことであり、一番自分自身に自信を得ることになったのであります。  ですから、今では気軽に一人でも気楽に海外旅行に行けるようになりました。その有意義だったことを体験した一人として、これからの佐賀県を担う、いや、日本を担っていけるような人を育成するためにも、大変意義のある事業だと思うのであります。  私は第七回でしたが、一回早かった人に、同じ県議になられた、鳥栖市議会議長を過去なされた宮原久さんが私より一年先輩でした。そして、私の後の後が宮原岩政元議長でした。  そういうようなことで、私は大変有意義だった。それをきっかけにして、時の池田知事が、こんな効果があるものはない。全国で百人、佐賀県は小さいから一人、福岡県は二人、東京都は五人、神奈川県は三人ということで百人の枠が決まったわけですから、それを聞いて、よし、国の事業に佐賀県から委託しようということで、実は四十二年に、一人に百万円でした、そのとき。二人分の二百万円を国の総理府の青年海外派遣事業に委託して、佐賀県から三人出ることになりました。富山の知事もそうでした。静岡県もそうでした。そういうことがずっと出てきて、百人が最後は百三十人ぐらいになりました。  そういうことで、本当に有意義な、やっぱり私は意義だと思います。どうぞ、若い知事さん、今、だれもがこういうことに反対するものではないと思っております。  なぜなら、戦後の復興期にアメリカに留学する金などなかったとき、アメリカ上院議員のフルブライトさんが、日本の優秀な子供たちだけといって、フルブライト奨学金が創設され、アメリカに留学された中で、宮澤喜一元総理大臣が第一回です。そして、下村治という人は佐賀県に関係あります。佐賀県出身ですよ。池田勇人の所得倍増のブレーンだった。大前研一経済学者。そして、下河辺淳さん、この人は田中角栄の日本列島改造論のブレーンであります。それから、もう一つ、有名な、このごろテレビでありました。若泉敬さんですよ。佐藤栄作さんの沖縄返還交渉の裏舞台をした人です。キッシンジャーとハーバードで一緒だったんだから。  こういうように、日本の復興へのブレーンとして日本をつくり上げたことを見れば、根岸博士が嘆かれるのも御理解いただけると思います。また、根岸博士自身もフルブライト奨学生なんであります。その言葉はみずからの経験から出たものであり、大変重いと言わざるを得ません。  こうしたことから、私はこれからの佐賀、ひいては日本の将来を担う人材を佐賀から育てるために、また、早いうちから国際感覚を身につけていくために、感受性の強い高校生たちを中心に派遣する必要があると考えます。大学生は、次からは省いてよろしい。ぜひとも、この海外使節団派遣事業をもっと規模を拡大して、これからも継続していただきたいと強く思う次第であり、国際的人材の育成についての知事の御所見をお伺いしますが、私の提言は、ぜひこのことを次の三期目に向かうマニフェストに堂々と表に書いていてくださいと申し上げたいのであります。  私は、高校生を中心としたと言いますが、優秀な者、そんな者ばかり出すのがすべてじゃないですよ。国もやるでしょう。しかし、たった二十市町しかなくなったんですから、二人ずつだったら四十人。じゃあ、せめて二人ずつぐらいは、地元に残る、技術を継承するような人たちを、近くてもいいから、学ばせてあげたいと思います。  また、先ほど末安議員さんから、戦没者の名簿の一元化の話もありました。私自身、率直に申し上げて、この海外派遣で、当時はビルマと言いました。初めてビルマというところに行きまして、まだ戦後二十年でしたから、マンダレイの丘というところに、何と、しかばねが累々として横たわっているのを見ました。サイパンに行けば、あのバンザイ岬に、今、厚生省がつくったつい立てのところに行きました。やはり、そういうものをみんなわかって、平和というものがどんなに大切か、戦争というものを再び繰り返してはいけないということを、百聞は一見にしかず、そういうことも見せるだけでもいいと私は信じているからであります。どうか、そのことを切にお願いしたいと思います。  だから、いいところはいい、佐賀県からラ・サールや附設に行っている人たちもいいじゃないですか。そういう人と、また違う人と二通り分けてもいいから、私は百人ぐらい出したっていいと思う。これは大きな投資だと私は思う。ソフトの投資だと思います。  さて、三番目、九州新幹線西九州ルートについてであります。  この中に、少々意見が違う方があられると思いますが、それはそれ、今まで私たちも黙って聞いてきたんですから、今回は私の話も聞いてください。  西九州ルートについては、既に、この議論が始まって以来、たくさんの議員さんがこの本会議場からさまざまな議論が行われました。既に着工から四年目を迎えようとしている、二十三年度は四年目になるんですよ。その前に、今議会でも二人の議員さんが新幹線西九州ルートの関連について質問されました。  一人の方は在来線のことですから、それも当然です。だけれども、なぜ新幹線西九州ルートだけ、こういう費用対効果などというものが起こってくるか、私は疑問にさいなまれるのであります。今なお、こういう論議が行われるということは、しかし、いいことでありますよ。しかしその多くは、費用対効果とか無駄な公共事業だというような意見で大体多く論議されたような気がいたします。  私は、私の知人、友人に、「新幹線はあったほうがいいかい、なかったほうがいいかい」と言うたら、「あったほうがよかさい」と言う。「しかし、福岡まで五分、長崎まで二十分、それに、県費つぎ込むとは反対ですよ」と、こういう人がほとんどですね、大体。  そういうことが確かにある。私はそういう方が多いのも知っているんでありますが、そこで私は説得するのであります。これは、社会基盤の整備なんです。現在に必要なものだけでなく、十年、いや、五十年、百年後に、つくっていてよかったと思われるようなのが先行投資といって、インフラ投資だと思います。  そのような意味では、西九州新幹線の決定した一番の根幹は、なぜこれができたか、なぜ佐賀だけこっちに、長崎まで行くのをできたか、それはなぜか。その一番の原因は、実は原子力船「むつ」、青森県のむつの港でつくられた原子力船が放射能漏れで仕方なかった。横須賀沖にとうとう留置された。寄港がない。そのときの政府が、アメリカの原子力潜水艦や空母が既に佐世保港には寄港しておりました。アメリカの原子力潜水艦、原子力空母が寄港しているんだから、どうかこの原子力船「むつ」を佐世保に受けてくれと。そのかわり、何かあったら聞いてやるというところで、長崎県知事が出したのは、佐世保経由の長崎までの新幹線建設という要望が出た。そのときに、時の政府、自民党三役、江崎さんが政調会長かな、中曽根さんが会長かな。その三役と長崎県知事の覚書が交わされた。そこで、実は、「むつ」が行く予定だったんですが、どうにもならなくて、再び建造地のむつに帰って、廃船になって、佐世保に寄港しなくて済んだんです。しなかったんです。  だから、そのときの覚書が、長崎県と政府の相当激しいつばぜり合いがあった。結果、佐賀県知事が政府と長崎県の中間に立って、最短距離で最少の費用の現在のルートを、当時の佐賀県知事が仲介案として提案し、それが今の長崎新幹線のルートに決定したことを皆さん御存じであろうと思います。  しかし、その後、JR九州としては、博多から大阪、東京へ、現在の博多までの新幹線にどれだけ乗車されても、JR九州の収入にはならないのであります。何が入るかというと、JTBや西鉄旅行というようなのの発券手数料だけなんですよ。全くならないから、JR九州はどうしても早く札幌から鹿児島までという、頭から背骨を通すという、札幌から鹿児島までの背骨論の新幹線整備計画の中に西九州ルートも入ったんです。それから、JR九州は独立採算ですから、急いで貫きたいということで、鹿児島ルートはでき、来月十二日にはいよいよ開業する運びとなりました。  西九州ルートは、鹿児島ルートの着工からおくれること四年、平成十七年に初めて予算化されましたが、在来線の経営分離の地元同意という条件がどうしてもクリアできませんでした。だから、三年間は着工できませんでした。しかし、そういう苦労があったゆえに、今回、長崎ルートというのは全く全国でも例を見ない、JRからの在来線の経営分離を行わないで新幹線が開通して、特急十本を含む運行をJRがするということになったんであります。  新幹線が通っても、二十年間、あの運行はJRが責任持つ。これは全国に本当に例を見ない。鹿島の反対の方々にも顔を立てる、しかも、経営分離の第三セクターをまだつくらなくていいという、こういう考えられもしないことが佐賀県でできたということは、知事、私は誇りに思っていいと思うのであります。  そういう意味から、なお今、佐賀県に他県から、執行部はもちろん、県議会からたくさん来ている。なぜ来ているかと。うらやましがって、どうしてそれができたということで来ているんじゃないかと思いますが、最後に質問しますが、どこから何件ぐらい来ているのか、何を聞きに来たか、それがわかったら最後に答えてください。         ○ 時 間 延 長 37 ◎議長(留守茂幸君) 時間を延長します。 38 ◎原口義己君(続) もう一つ、県民の皆さんに知らせなきゃいけないから申し上げます。きょうは、私の支援者も、最後ですから来ていいですかと、今までも傍聴に来てはいかんと言うとった。しかし、来ていいですかと言っていただいたから、ありがたいと、来ていただきたい、私は説明しますと言った。  西九州ルートをつくらなかった場合は、これが佐賀県に金が来るかというと、来ない。なぜかというと、北海道新幹線や北陸新幹線にすべて充てられるのであります。確かに、県の負担は一八・三%でありますから、この一八・三%の西九州新幹線の負担が重いと思われますか。今まで、一級国道、一号から九十九号までの一級国道は国の直轄事業負担金、その直轄事業をする、それに対する県の負担する割合は、かつてあった直轄事業負担金はもうありませんけれども、その当時は三六%だった。半分ですよ、一級国道つくるのに負担するのより、はるかに軽い。
     私は、そういう意味で、二十年、三十年先の日本の将来、どのようになるだろうかと考えると、二酸化炭素の削減がキーワードとなって、環境に優しい列車が必ず必要になる時代が来ると思うのであります。  現にもう既に、二酸化炭素排出規制という言葉の中で、大型トラックは百キロ以上のスピードが出ないようにつくられているんです。絶対、百キロ以上出ませんよ、あの大型トレーラーなんか。化石燃料はこれから絶対安くならない。だから、水素や電気自動車、ハイブリッドというものの努力をされている。  だから、そのようなことで、これからはいよいよヨーロッパなどのように、やはり貨物が、JRの線路に乗ってくるんじゃないかと私は考える。なぜなら、もう既にあらわれている。昔の郵政省のゆうパックというのは、全部直接やっていた。民間会社になったんですから、JR貨物にほとんど乗せている。もう佐川急便などの宅配はしませんけれども、そこでは東海道新幹線の在来線を、客車が通る率が少なかったんですから、在来線をずっと通るようになってきたことを考えると、在来線は皆さん、ひょっとしたら、二十年、五十年先は、私は貨物になるんじゃないかという気がいたします。  それはなぜか、アメリカ大陸横断鉄道を見てください。客車は五本に一本も通っていませんよ。ほとんど貨物列車じゃないですか。いや、私自身がシベリアのイルクーツク、シベリアの州都です。その川端に行って、朝散歩しながら、座って見ていたら、貨物列車が通り過ぎるのに延々四十分かかりました。いや、そればかりじゃない。ドイツに行ってごらんなさい。シュットガルトから運び出す、ベンツなどの自動車は港まで行くのは全部貨物です。  こういうことを考えていくと、私は将来は本当にスピード中心の西九州ルートなどというのがあってよかったと。在来線はどうなる。そういう意味では、鳥栖は賢明な選択をしたと思います。なぜなら、久留米にあった貨物ヤードを鳥栖に持ってきたことは、三十年後は鳥栖は大きい収穫になると私は思いますよ。これは原口義己の予想、ひとりよがりでございます。ひとりよがりの見通しでありますから、間違っていたらごめんなさい。しかし、そういう感覚を持っている。  ということで、自動車中心だったアメリカは、鉄道も発達していないんですよ。しかし、もう新幹線をアメリカがつくると言い出したじゃないですか、日本の技術を持ってきて。反対派もあるようです。しかし、そうなってきているじゃないですか。  そういう意味で、私は、佐賀県にとって、今度の西九州ルートは、やはり東九州ルートのように何もなかとよいあったがよかさい、やっぱい。そう思うでしょうもん。見てんですか、宮崎から鹿児島まで行ってんですか。汽車で行く者は一人でんおりゃせんですよ。そういうことを考えてみると、まあ、大きなメリットがある。やはり、そこは執行部はこういうことをもっとみんなにわかりやすく、知事、一丸となって、一般大衆に、きょう来とんさあごたっ人たちにわかっごと説明、広報ばせんばということを私は申し上げます。  また、この金はどこから出てきたか。独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構というとがあります。この支援機構は、昨年の民主党の仕分けには上がらんじゃった。上がらんじゃったでしょうが。ところが、何十億円て出るていうて、出んじゃったもんじゃ、ことしはいよいよせんばらんとわかりながら、一兆二千億円、埋蔵金はここからも出したとよ、鉄道・運輸施設整備支援機構から。  剰余金の中から一兆二千億円出した。だから、今度は逆に、取られたけん、運輸機構はどんどん使うごとなった。その辺の仕組みは、私はわからんのですから、あとは知事さん、あなたが、どうなったか説明してくださいよ。みんなに説明してください。  大変失礼いたしましたが、こういうことで、あなたがオープン、現場主義、県民協働を掲げていたということを忘れないで、この解決が県民にいかにすばらしいかを広報させないとおかしいです。また、この件に関して、佐賀県でない国会議員までお力添えいただいた人に対して顔向けできませんよ。  視察は何件ぐらい来たのか、その質問は何だったのかということも、どうぞ。  それから、新幹線西九州ルートでもう一つ佐賀県には大きな課題がある。それは何か、武雄-肥前山口の単線路線であります。この単線路線を、やっぱりどうやって早くつくるのか、そこらあたりをどうぞ。自民党政権時は新幹線スキームでやると決まっておった。民主党政権になってどうなったのか。私は、そこはわかりませんので、その辺を詳しく、みんなにわかるように説明をお願いします。それが知事さん、この新幹線の効果を一層高めることであります。  さて、最後に、あと十一分しかなくなりました。四番目は、佐賀県競馬組合のことでございます。  私は、二十幾つ年、三十年近く県会議員をさせていただきましたが、今まで競馬組合の議員は一回もしたことがありません。競馬場に一回も行ったこともありません。ばくちのことは余りわからん。だから、全く競馬に関しては無知な議員であります。しかし、本当に一番不向きな議員であっただけに、議長になったからには、これでいいのかと思うようなことがたくさんありましたから、その立場について、真剣にこの任期中勉強させていただきました。だから、皆さんに申し上げます。  ちょうど、これと同じことを四年前の本会議で、実は、本山大先輩が引き際の最後の質問で、ちょうど私と同じ質問で、ちょっと趣旨までこんな深くは踏み込んでいらっしゃいませんが、競馬組合はこれでいいのかと、みんなに、この議会にオープンにして、あなた方、議員さん方の判断も仰ぎたい、競馬組合の議長としてということで、やはり皆さんに訴えて、そして判断をしていただいたほうがよくはないかというふうに思っておると。もう今回やめるわけですからと、私と同じ立場で。ですから、このことで質問をされていますが、もう時間がありませんので言いませんが。  公営競技は時代の流れと低迷する景気とレジャーの多様化により、大変な時期を迎えておるということで、愕然といたしました。もちろん、公営競技の危機は、何も競馬だけではありません。県内にある、武雄市がやっている競輪も、唐津市がやっている競艇場も、同じ目に遭っていると思います。しかし、武雄市がやっている競輪と唐津市がやられている競艇と、佐賀県が鳥栖市と一緒になって施行している競馬とは、全然趣が違う。  なぜならば、競輪選手は自転車を抱えてくればいい。競艇選手は、モーターのプロペラ、船のプロペラだけ提げてくればいい。それだから、さあどうするかというときは簡単に済むんです。しかし、競馬はそうはいかん。生き物を抱えておる。馬ですよ。それには馬主がおる。飼育しなきゃいけない、厩舎がある。調教師がおる。乗り回す、走り回す騎手がいる。その関係、何と六百人近くいるんですよ。これを、さあどうするかといって、その場でさっとしようったって、とてもできるものじゃない。  売り上げは、実は一番多か平成三年度の三百六十億円の売り上げのピークから、平成二十一年度はその三一%の百十億円しか売り上げていない状況にある。  しかし、現在の、その現場監督に行かれた前議会事務局長の本山さんは、やはり大変な努力をされて、管理者である坂井副知事も御承知のとおり、売り上げ増を図って、格段の努力をしておられることは事実でありますが、時代の流れに抗し切れない現状にあります。  この職を辞するに当たり、このことだけは知事並びに管理者である坂井副知事に提言したいのでございます。  環境が悪くなった。競馬場から千メートル離れていないでしょう、競艇の場外舟券売場。何メートルぐらいですか。中原、いや、パチンコ屋の跡にあっじゃっかい。夜間もやっている競艇の場外舟券売場が競馬場の入り口から佐賀寄りに千メートルぐらい離れないでできたんですよ。それは夜もやっているから、久留米からのお客さんが非常に多い。こういう環境、条件がだんだん悪くなってきた。  ですから、今、組合には五十万七千四百六平方メートルの土地資産はありますけれども、これからの状況を考えると、私は経常赤字は続くものと考えざるを得ません。もうあと六分しかありませんから言いますが。  だから、実は三十五億円からあった積立金が十年間でなくなったんです。何と、赤字が一番多いときが、五億三千四百万円、二億四千万円、八億三千万円、五億九千万円、一億三千万円、五億百万円、二億円、二億円と、平成十八年度まではずっと何億円。ただ一回だけ、平成十四年に八千八百万円という黒字を出しただけ。こんなにずっと続いているんですよ。  ですから、ただ、十九年に本山さんが行ってから、実は十九年に二千五百万円の赤字で済んでおる。そして、二十年には三千五百万円黒字とったから、今までの五千万円の赤字が千五百万円で済んだ。そして、二十一年度は四千九百万円の赤字で済んでいるんですが、既に二十二年度の年度末になると、一億五千万円ぐらいを予想しなきゃいけないだろうという赤字になるんです。  こういうことを考えますと、あれだけの人がいますから、皆さん、この競馬場はどうするかということを真剣に、県議会の皆さん方も県政に携わる者として、佐賀県と鳥栖市が施行者ですから、考えていただきたいと思います。  そのためには、さあ、きょうあす論議して結論が出るかというと出ません。助走期間が大変長く必要であります。助走期間が必要だからこそ、セーフティーラインをどこでつくるか、ここまで踏み込まなきゃ、だんだんだんだん陥ってしまって、さあ、土地はあるから買ってくれといったって、今土地をどこが買うかという問題も出てきます。今の佐賀県に買う余力はありませんと私は断った。  どうか、そういう意味で、皆さん、真剣にこのことだけは考えてほしいということでまず知事の考えをお伺いします。  しかし、もう一つわからないのは、管理者の副知事にお尋ねしますが、前回、本山さんの質問した中で、実は、経営改善委員会というのがあって、報告を受けて、田野町がいいなどと言っておられたが、結局、場外馬券場が全部足を食ってる。(発言する者あり)宮崎の場外馬券場なんて、毎年何千万円と赤字……(発言する者あり)だから、そればかりじゃない。最初の、飯塚の場外馬券場も間違いだ。しかし、そんなことを今言っても始まりません。  しかし、どうか、そういうものを背負いながら、どう軽くしていくか、どこまでがセーフティーラインかという、助走期間を長くとってやっていただくように、知事並びに管理者の、これからの決意を皆さん方の前で、今回は大きく見開いていただいて、だれが競馬議員になっていただいても結構ですから、私はやめるに当たって、このことだけは黙って責任を逃れていくわけにいきません。そういうことでお願いしました。  最後になって、時間ぎりぎりまで皆さん方に私の主張を聞いていただきましたことを感謝し、きょうまで二十八年間、至らぬ身でありながら、皆さん方の御協力を得て、こうして私も務まりましたことを感謝し、また、これからの議会議員は、道州制まではいかなくても、九州広域行政機構はできるでしょう。そういう意味では、本当に県議会だけでなくて、九州広域行政機構の議員となって、この中からどのようにして選ばれていくか、それがどういう形で論議していくかを地方分権と同時に考えていかなきゃならない。大変貴重な、重大な、やりがいのある仕事が待っている議員さんでありますから、皆さん方、必ず選挙に当選されるよう心から祈念して、また県勢の発展のために皆さん方の切なる努力を期待して、私のお礼といたします。  ありがとうございました。(拍手) 39 ◎古川知事 登壇=原口義己議員の御質問にお答えします。  まず、子ども・子育て新システムについてのお尋ねでございました。  今検討されているこの新しいシステムについては、いい点、微妙な点、問題点、この三つがあると思っております。  先ほど議員からも御紹介がございましたが、この検討されている子ども・子育て新システムの主な柱としては、幼稚園と保育所を一体化するこども園をつくることや、保護者が保育施設を自分たちで選んで、直接利用を持ち込む直接契約制、今、保育料はそれぞれの保護者の所得に応じて負担をしていただいていますが、これをいわば利用に応じて負担する応益負担へ転換をしていくこと、このほか多様な事業者が参入することを促進していく、こうした内容になっております。  このうち、一定の評価ができるというものについては、私どもは前々から幼稚園と保育所が一体化されるものにあってもよいのではないかということを常々申しておりました。それが認定こども園という形で佐賀県では展開をされております。これは以前から佐賀県が国に提案したものでございますので、県民がそれぞれのニーズに合った形で保育のサービスを選べる環境づくりが期待できるという意味で、一定の評価をしております。  また、微妙な点について言えば、多様な事業主体の参入といいますと、細やかな福祉サービスが拡充していくのかなという意味では、例えばNPOですとか、地域のグループですとか、そういうさまざまな担い手があってもよいのではないかという考え方もあると思います一方で、小さな子供をお預けするとしたときに、やはり保育の質の低下を招いてしまうのではないかという意見もあることも伺っておりまして、これについては、さらに議論を深めていく必要があると考えております。  一方で、直接契約制や応益負担については、議員からもお話がありましたように、もともと保育というものはセーフティーネットというものがスタートでありますので、そのセーフティーネットがスタートであるということの基本を忘れてはならないと考えております。  現段階で明らかにされている資料だけでは、どのような形になるのか明確でございませんが、保育の基本を損なわない形でなければならないと考えておりますし、例えば、真に子供を預かっていただきたいというニーズがありながらも、逆に施設側の都合で預かれなくなるといったことはあってはならないと考えております。  また、最も問題点だと思っておりますのは、この新しい子ども・子育て新システムについて、財源を国、地方がどのように負担していくのかということについて全く書かれておりません。この新しいシステムの意図するところに理解できるところもいろいろございます一方で、この財源をどうするのかということについて整理がされていないということも大きな課題だと考えております。  一部においては、今、県や市町がやっているものについても、この子ども・子育て新システムを通してやることになるということで、拠出金を求められるようになるというふうにも伺っております。そうだとしますと、それは今の分権改革や地域主権の流れとは違うものになってしまうのではないかと考えておりまして、全国知事会としても、この子ども・子育て新システムのワーキングチームにおいて、必要な財源の確保を初めとするさまざまな課題について意見を述べているところでございます。  佐賀新聞の論説にもありましたように、子育てを社会全体で支援していくとしても、行政がその責任をしっかりと果たしていかなければならないということについて、私も全く同じように考えます。  さまざまな課題を今まで申し述べてまいりましたが、こうしたことに対して国はどのように対応していくのか、ぜひとも明らかにしていただきたいと考えておりますし、国と地方の協議の場や全国知事会、九州地方知事会、こうした場を通じて、国に対し求めていきたいと考えております。  一方、県としては、保育所に通う児童がふえている状況や、年度途中には待機児童が発生しているという状況がございますので、こうしたことを踏まえて、保護者が必要としている多様な保育のニーズにきちんとこたえられるような保育サービスの充実に向けてしっかりと取り組んでまいります。  次に、佐賀県海外使節団派遣事業についてでございます。  議員からは、この事業に対する大変高い評価をいただきまして、御礼を申し上げます。その議員の評価にふさわしい、しっかりとしたいい事業にするよう、これからも取り組んでまいります。  議員御指摘のとおり、この事業は、感受性の豊かな青少年のうちに海外経験をしていただきたい、そして、そのことはその後の人生の可能性を大きく広げることになる、そういう思いから実施することとしたものでございます。  そしてまた、社会経済のグローバル化がかつてないスピードで進展してまいります。そういう中で、国際的に活躍できる人材を佐賀県として育成していくことは何より重要な問題の一つだと考えています。  今回、地方自治法施行六十周年記念貨幣発行に伴い交付される交付金を活用して、この事業を行うことといたしました。この記念貨幣の図柄となりました大隈重信侯が活躍された幕末・維新期に、かつて佐賀藩の有志がメンバーとなって派遣された遣欧──ヨーロッパに派遣された遣欧、遣米──米国に派遣された遣米、この遣欧・遣米使節団をいわば現代に再現したいと考えたものでございました。  今回の派遣事業には、高校生、大学生合わせて四百二十六名もの応募がございました。そのうち、高校生は百六十四名の応募者の中から選抜された十名が三十日間で世界を一周することにしております。  高校生たちはこの旅を通じて、世界各国の歴史、文化、政治経済、生活習慣などなどを現場で実地で触れることになります。事前の学習もしてもらいますし、今の時代は行った先ででもインターネットなどを通じていろんな情報を把握することもできます。現場で生で知ることと、またネットなどを通じて知っていくこと、勉強していくこと、そうしたものをあわせもって高校生たち自身にしっかりと学びをしていただきたいと考えておりますし、また現地からの情報発信もお願いしたいと考えております。このことが将来の糧になることは私も間違いないと思っておりますし、ぜひともいいものにしていかなければならないと強く思っているところでございます。  これからということになりますが、議員からはこれからも高校生を対象にしたものをぜひ続けていくようにという激励の言葉をいただきました。まずは今回の派遣事業をいい実績のものにしていかなければならないと強く考えておりますし、今回の実績をもとにしてどのような事業をやっていけばいいのかということをしっかりと検討してまいりたいと存じます。  マニフェストにしっかりと書いておくようにということを言われましたが、これからマニフェストについては書いていきますが、議員からそういう指摘をいただいたということを大変うれしく、ありがたく思っているところでございます。  議員が行かれたこの日本青年海外派遣事業、その第七回の派遣団で議員が行かれて我が国に帰ってこられたその後に、母校の神埼高校でその当時の神高の生徒に対してお話をされたと伺っております。そして、そのお話は非常に印象的なものだったと当時の生徒からも伺っております。そのときにお話を伺った生徒の一人は今こっちのほうに、執行部の一員としております。こうしたやはり先輩方がいろんな経験をされたことがその後の人生において大いに役に立っているということを目の当たりにする思いでございます。(発言する者あり)  生徒たちは現役の高校生でございますので、当然のこととして、自分たちの学校に帰っていって、自分たちの経験をしっかりと仲間に伝えていく、後輩に伝えていくことを求めていきたいと考えております。  次に、九州新幹線西九州ルートについてでございます。  これについてもさまざまな議論のある中、議員からは自信を持ってしっかりと説明をするようにという、いわば背中を押していただきました。  議員からお話がありましたように、この新幹線の整備スキームというものは、既設新幹線譲渡収入という、鉄道に由来をする財源を整備に充てることで、ほかの国事業の地方負担に比べて有利なものとなっております。  例えば、高規格道路などに比べても、この新幹線の負担は大体半分ぐらいで済んでいる、まさに議員が御指摘になったとおりでございます。  そして、今回私どもが使わない部分については、佐賀県で好きに使っていいよということにはならず、この新幹線の整備スキームの中で、ほかの地域の新幹線のスキームに使われることになるというのもそのとおりでございます。  私どもは、鹿児島ルートもしかり、西九州ルートもしかりでございますけれども、それぞれのルートが、ルート全体として効果のある、意味のあるものであるならば、その地域の一端を構成する我が県としても積極的にその一メンバーとして必要な役割を果たしていくべきだと考えておりますし、そして、つくるからにはぜひともこれを大いに生かすようにしていかなければならないと考えておりまして、私は鹿児島ルートも西九州ルートも考え方は同じだと考えております。  思い出しますのは、かつて高速道路が整備され始めかけていたころのことでございますが、当時は佐賀県内には高速道路もほとんどなく、高速道路について御理解をお願いすると、自分たちが簡単に使えないような、すなわち一般道と違って、インターのあるところでしか使いにくい、こうした高速道路について、これをつくって何になるのか、何でこのために優良農地をつぶさなければならないのかといった大変に厳しい御意見をいただいていたと伺っております。  しかしながら、実際に高速道路ができてみますと、それによって大きく地域が発展している、たくさんの方々が来られるようになった、また企業の立地も進むようになった、そうしたことがあって理解が進んでいったとも伺っております。  社会資本整備は、身近なものと先々を見据えたものとがございます。この先々を見据えるものについては、あしたどうなるかということについてきちんとした説明がなかなか難しいという部分がございますけれども、ただいま議員からお話をしていただいたようなことをしっかりと私どもも受けとめまして、県民に対して力強い説明を行っていきたいと考えております。  その中でも言及のございました、平成に入ってつくられているほかの新幹線は、すべて並行在来線というものを第三セクターで受け入れなければならないということになっておりますが、この西九州ルートだけは並行在来線という整理をすることなく、引き続きJR九州が長崎本線を開業した後二十年間運行するという約束をしていただいているという全国にも例のないスキームで解決をされ、着工しているものでございます。これは、並行在来線になれば鉄道がなくなってしまうのではないかという並行在来線が予定されておりました地域の沿線の方々の切なる思いが通じてこのようなことになったのだと私は考えておりますし、二十年たった後もそういう思いにしっかりとこたえていくことが求められると私は思っております。  また、議員から御指摘のありましたこの鉄道・運輸機構の利益剰余金、これはこれからの話になってまいりますが、現在一兆二千億円ございます。これを一般会計に返納することになりまして、そして、どのように使うかということについて一定の方針が示されております。  このうち、数千億円は、いわば国民の税金をもとに使われたものでございますので、それはお返しするのが筋としても、残りの数千億円については鉄道事業を通じて積み立てられた剰余金でございます。私どもはこれらの数千億円についてはぜひとも鉄道事業に充てていただきたいということを政府・民主党に対して要望をしておりましたけれども、結果的にはすべて一般会計へ返納されるということで法案がつくられていると理解をしております。残念とは思いますけれども、それは政府の方針ということでありますので、ある意味やむを得ないことと思っております。  ただ一方で、その中でよく中身を見てみますと、高崎-長野間の北陸新幹線の債務一千五百億円の償還にこの利益剰余金を充てるということも書いてございます。これはある意味、私どもにとっては朗報でございまして、といいますのも、この高崎から長野間の北陸新幹線の債務の償還には、ほかの整備新幹線の貸付料もあわせて充てられておりましたが、これが剰余金で償還されることになりますので、貸付料が西九州ルートを含めた、既に着工された区間に充てられることになるという可能性がありまして、そうなれば佐賀県の負担が少なくなることも、ひょっとしたらあり得るかもしれないと考えているところでございます。  県としては、着工に至るまでさまざまな議論がございました。その分、西九州ルートが開業した暁には、その効果を最大限に生かすことが求められていると考えております。県民の皆様にこの西九州ルートのメリットをきちんと説明をし、あわせて新幹線を活用しようという地域の取り組みにきちんとした支援を行いながら、将来の佐賀県民の皆様に、ああ、やっぱり整備しておいてよかったと言っていただけるように頑張ってまいりたいと存じます。  この新幹線の整備、そして三者合意に当たりましては、それまで以上に議会の皆様には大変お世話になったことを今改めて思い出しているところでございます。かつては執行部だけがこの新幹線の問題について取り組んでいた時代もございましたけれども、原口議長の時代、本当に県議会と一緒になって、この事業の着工に向けて取り組みをさせていただいた結果が、ほかに例を見ない形になって現実に着工となっているということについて、改めて感を深くするところでございます。こうした県議会の皆様方の努力の結果ということもしっかりと自分で受けとめながら、これからも新幹線についての理解の促進に努めていきたいと思います。  次に、佐賀県の競馬組合について、私からの答弁をさせていただきます。  佐賀県の競馬組合は、佐賀県と鳥栖市が一部事務組合をつくりまして、副知事が管理者になっております。  佐賀県の競馬組合によりますと、運営状況については、御指摘ありましたように、平成二十一年度の決算では単年度の収支で約四千九百万円の赤字、また累計では約六千八百万円の赤字となっておりまして、大変厳しいと言わざるを得ないと考えております。  これまで組合におかれては、さまざまなコスト削減の努力、収入増の努力をされておられると伺っておりますし、県としてもこの佐賀競馬の魅力を高めていくために、例えば、最近ふえておりますインターネットユーザーを対象にした新たな投票方式、こうしたことができるようにするための構造改革特区の申請なども行っております。  私の認識としても、このままのことを続けていったのでは、この競馬組合はやっていけないのではないかという強い危機感を持っております。そうであればこそ、これから伸びていくであろうインターネットであるとか、そういう新しい分野に取り組んでいかなければならない、そして、それは中央競馬も取り組むというものではなく、地方競馬だけでなければならないし、ましてやほかの地方競馬も取り組むのではなく佐賀競馬だけが取り組むといったことをやることによって、佐賀競馬の売り上げを上げることができるのではないかとも考えているところでございます。  この競馬については、ほかの国で行われている投票方式などを見てみますといろんなことがあります。そうしたことを考えたときに、現在のこの競馬法や関連の法律がネックになってできないところもございますけれども、これを何としてでも一般会計に迷惑をかけない形で続けていくためには、今まではだめだ、できないと言っていたことについても私は取り組まなければならないのではないかと強く思っているところでございます。  本来は収益を上げて、それを一般財源に繰り出すために設けられているこの競馬の事業というものを存続させていくために、逆に県の一般財源を支出するようなことはあってはならないと私は考えております。今後の競馬組合のあり方などについては、議員から御提言がありましたように、有識者などの幅広い意見も必要に応じて聞くなどしながら、しっかりと検討してまいりたいと存じます。  最後に、二十八年にわたります本当に長い間の政治生活に対して、心から敬意と感謝を申し上げ、私の答弁とさせていただきます。 40 ◎坂井副知事 登壇=原口議員の佐賀県競馬組合についての質問にお答えさせていただきます。  佐賀県競馬組合は、最近十年間で見ますと、平成十四年度と平成二十年度に黒字になったものの、基本的には赤字基調で推移しており、大変厳しい経営状況になってございます。  収支の改善に向けました取り組み、努力を行っているところでございますが、議員から御指摘のあったように、その成果は十分出ていないというのが現状だというふうに認識いたしております。  そうしたことで、現在、これまでのいわば競馬場への来場者のみをメーンのファンとするというやり方だけでは、やはり現在では限界があろうというふうに考えております。  そういう意味で、今後は、先ほど知事の答弁の中にもございましたが、インターネット等を活用して、全国にファンを広く獲得していく、そうした方向での展開が必要だというふうに認識いたしております。そのためにも、いわば魅力ある競馬じゃなきゃならないということで、先ほど特区申請の話がございましたが、七重勝の単勝式、そうしたことを今検討し、非常に魅力のある競馬を行い、それをインターネットで全国に販売していくというふうなことを考えてございます。  そうした中で、これは本県のみがすべてできればそれがベストだと思っていますけれども、一つには、JRA、中央競馬との連携もございます。それは地方競馬がインターネットをやる場合には、支払いの問題等々ありますので、会員じゃなければ買えないということから、いわば地方の競馬では約三十万人弱、二十七万人の方が会員になってございますが、JRAとの連携でいけば三百万人の方を対象にできるといったこと等もございます。ただ、そうして同じ土俵に乗った場合には、向こうのほうが魅力があるとか、そうした問題も起こりますので、今後これは詰めていかなくちゃいけませんけれども、そうしたことを今検討させていただいているわけでございます。  そういうことの中で、競馬組合本来の目的、いわば一般会計、いろんな地方公共団体の財源に資するために競馬を行っているんだというふうなことが実現できるようにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。  そして、また議員からの貴重な御提言がございました。今後の競馬のあり方について、どの時点をセーフティーラインとして考えて進めていくのかといったことについてもきちんとした検討が要るんではないかという御提言だったと理解いたしておりますが、まさに我々もそうしたことにつきましては、有識者等の幅広い意見を十分聞きながら真剣に検討をしてまいりたいというふうに思います。  以上、答弁とさせていただきます。 41 ◎小野交通政策部長 登壇=私からは九州新幹線西九州ルートのうち、二点についてお答えさせていただきます。  まず、複線化の早期着手についてでございます。  肥前山口-武雄温泉間の複線化につきましては、国が平成二十一年度に概略の検討調査を行っております。  県といたしましては、複線化を新幹線スキームで実施していただくよう要望しているところでございますが、これまでのところ、国において整備スキームや工事着手についてどのような検討がなされているのか明らかにされておりません。  ただ、昨年八月に、国の整備新幹線問題検討会議におけます整備新幹線の未着工区間等の取扱いに関する方針の中におきまして、「肥前山口・武雄温泉の単線区間の取扱い」が課題として挙げられております。そして、「詳細な検討を行う必要がある」というふうになっております。こういうふうに明記されたことから、国が課題の解決を図ることを表明されたものと考えているところでございます。  現在工事中の西九州ルート、武雄温泉-諫早間の工事期間なども考えますと、複線化のスケジュールにつきましては余裕があるものとは認識しておりませんで、今後、国に対し早急に事業着手していただくよう強く求めていきたいと考えております。  次に、三者基本合意以降の視察件数と質問の内容についてお答えいたします。  九州新幹線西九州ルート、武雄温泉-諫早間につきましては、平成十九年十二月の佐賀県、長崎県、JR九州による三者基本合意を受けまして、平成二十年三月に認可をされ、四月に着工したところでございます。  この経緯を受けまして、佐賀県に対しまして、他の整備新幹線の沿線自治体である長野県や富山県議会などの行政や議会から四県、沿線区域以外の自治体などからも三県、計の七県の県外視察団が佐賀県にお見えになっております。  そのほか電話による問い合わせも、今後新幹線の開業を迎えます北海道、それから北陸新幹線に関します福井県や富山県などの自治体からも寄せられております。  視察や問い合わせの内容といたしましては、並行在来線が経営分離されずJRが引き続き運行するという全国でも初めての取り扱いになったということについて、その概要や経緯についての内容を教えていただきたいというふうな問い合わせでございました。  以上、お答えいたします。 42 ◎議長(留守茂幸君) 以上をもちまして一般質問を終了いたします。
            ○ 請 願 提 出 43 ◎議長(留守茂幸君) 次に、請願が二件提出されております。これは皆様のお手元に配付いたしております請願書のとおりであります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 請第一号請願  佐賀県における「受動喫煙防止対策」の現実的な対応         を求める請願 請第二号請願  「佐賀県食の安全・安心条例(仮称)」の制定の促進を         求める請願書      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         ○ 請 願 上 程 44 ◎議長(留守茂幸君) 請第一号請願及び請第二号請願を議題といたします。  請第一号請願及び請第二号請願につきましては、既に上程中の議案とあわせて審議することといたします。         ○ 委 員 会 に 付 託 45 ◎議長(留守茂幸君) ただいま議題となっております甲第一号議案から甲第三十二号議案まで三十二件、乙第一号議案から乙第二十二号議案まで二十二件、請第一号請願及び請第二号請願、以上の議案及び請願を皆様のお手元に配付いたしております議案付託表及び請願文書表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたしたいと思います。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 46 ◎議長(留守茂幸君) 以上をもちまして、本日の日程は終了いたしました。あす二十五日は議案審査日、二十六日は及び二十七日は休会、二十八日は議案審査日、三月一日及び二日は各常任委員開催、三日は本会議を再開して、委員長報告を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後五時四十二分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...